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2024年6月日銀金融政策決定会合まとめ
24年6月は日銀の金融政策決定会合も注目されていました。
どのようなことが考えられていたのか、結果どうだったのかまとめました。
✅事前予想は、6月から国債買い入れの縮小
まず、今回の日銀金融政策決定会合では
・金利は据え置きはほぼ100%というくらい織り込まれていました。
日銀は3月に金融政策変更を発表。
日銀当座預金の政策金利残高に付利していたマイナス金利を撤廃した上で、無担保コール翌日物金利を政策金利に位置付け、誘導目標を-0.1%から0~0.1%程度と17年ぶりの利上げを発表。
今回の日銀金融政策決定会合では
追加利上げがあるのか、その時期が焦点となっています。
その中で、金利を抑えるための量的緩和の施策である、国債買い入れの縮小が行われると予想されていました。
✅日銀の発表を確認してみましょう
ではどのようなことが発表されたのでしょうか。
①金融政策方針について
無担保コールレートを0~0.1%で推移させる。(据え置き)
長期国債や社債の買入れについては、3月の決定に従い実施。次回の会合では、今後1~2年の具体的な減額計画を決める。
②日本経済について
緩やかな回復傾向だが、一部に弱い動きも見られる。
海外経済は緩やかに成長している。
輸出は横ばい。自動車メーカーの一部で生産・出荷停止が影響。
設備投資は増加傾向、雇用・所得環境も改善中。
個人消費は物価上昇や自動車販売の減少の影響を受けつつも堅調。
住宅投資は弱め、公共投資は横ばい。
③金融環境と物価について
金融環境は緩和されている。
消費者物価(生鮮食品を除く)は、輸入物価上昇の影響が減り、賃金上昇でサービス価格が上昇し、2%台前半まで物価上昇がある。
④見通しについて
海外経済の緩やかな成長と金融緩和により、所得から支出への循環が強まり、成長が続く見込み。
消費者物価は、輸入物価の影響が減る一方、政府の経済対策の反動で前年比が上がる見込み。
中長期的に物価は上昇し、"物価安定の目標”に近づくと予想。
リスクについて
海外経済や物価の動向、資源価格、企業の賃金・価格設定行動などの不確実性が高い。
金融・為替市場の動向を注視する必要がある。
このように声明文でした。
市場は今月から国債買い入れを減額を織り込んでいたために
来月からその方針を決めていくという方針は
なかなか緩和縮小に踏み切れないハト寄りな内容
と受け止められた様子ですね。
✅日銀の発表を受け、金利急低下・株価上昇と円安に
日銀の発表があったのは日本株市場では前場と後場のあいだの休憩時間でした。
この日銀の発表を受け、相場が急変。動きを確認してみましょう。
まずは金利について。
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10年債利回りは一時0.925%まで低下。ちょっと前までは1.1%をつけるなか金利上昇に動いていましたが、ハトよりととらえられているのを感じますね。
次に、ドル円についてみていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1718433154445-xNKhm0XXoC.jpg)
日銀の金融政策決定会合前までは、157円を挟むような動きとなっていましたが、発表を受けドル円が急騰。1円以上上昇し158円を付ける場面も。
そして、日経平均株価も上昇。
![](https://assets.st-note.com/img/1718433218375-NR3d7qtd4v.png)
最終的にはしぼんでしまいましたが、前場は変わらず程度でいた株価が一時39,000円超となりましたね。
✅夕方の植田日銀総裁の会見でどうなった?
夕方には日銀植田総裁が会見をおこなっています。
どのようなことが話されたのでしょうか。
①長期国債買入れの減額方針について
金融市場で長期金利がより自由に形成されるため、長期国債の買入れを減額する方針を決定。
市場参加者の意見を確認し、次回の金融政策決定会合で具体的な1~2年の減額計画を決定する。
②柔軟性と予見可能性について
国債市場の安定を考慮しつつ、予見可能な形で国債買入れを減額する。
減額の幅、ペース、枠組みについては市場参加者の意見を反映して決める。
③緩和効果の継続について
国債買入れを減額しても、日銀の国債保有残高の緩和効果は続く。
④物価上昇と政策金利の利上げについて
物価上昇率が2%に向かえば、政策金利を引き上げる。
経済・物価の見通しが上振れた場合も利上げの可能性がある。
⑤円安の影響について
最近の円安が物価の上振れ要因であり、注視して対応する。
⑥長期的な国債保有について
日銀が国債残高の約半分を保有しているため、望ましい状態に達するのに1~2年では不十分。
まず1~2年の計画を立て、予見可能性を持たせる。
⑦短期金利設定・利上げについて
国債買入れ計画と同時に短期金利の調整は経済状況に応じて決定する。
⑧具体案の発表と市場の反応とのコミュニケーション
具体案は1か月先に発表予定だが、その間の不確実性を避けるため基本的な考え方を説明。
⑨バランスシートの縮小・QTついて
日銀のバランスシートの規模や内容は時間をかけて検討する。
⑩金融政策運営スタンスについて
長期国債の購入量を短期的に頻繁に動かすことは避け、予見可能な形で運営。
短期金利の調整を主な手段とする。
![](https://assets.st-note.com/img/1718433594451-Hykk3QEThe.jpg)
一時は158円まで円安となったドル円も、徐々に上げ幅を縮小。
![](https://assets.st-note.com/img/1718433661341-OSwOkIwMyR.png)
前回利上げを発表したときは、会見後ドル円のドル買い円売りが急加速し、160円に向かっていったこともあり、警戒されていました。
しかし、今回は植田総裁のより丁寧な説明もありそれほどの影響にはならなかった様子ですね。
✅より慎重に利上げ・金融政策の変更を判断?
市場は、国債買い入れの減額が決定されるとの考えが強い状態で決定会合を迎えました。
しかし、結果は何もなく具体的な検討は次回とサプライズとなりました。
まず来月に国債買い入れ減額をどのように行うのか、実行を発表し
その影響を見て利上げについて判断していくのだと考えられます。
よりマーケットとの対話を重視していく印象ですね。
しかし、今後長い目では金利を上げていく方針ということは
再度10年国債利回りなどは1%を超えて上昇基調をたどる可能性を意識しておきたいですね。
そのようなときにどんなところが恩恵を受けるのか、または逆風か。しっかり検討しておきたいところです。
やっぱり銀行や保険といった金融銘柄は恩恵を受けられるかもしれませんね。
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