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お味噌でつなぐおせっかいの環~タダノワタシ日記⑤

前回の日記から、ずいぶん開いてしまいました。

お遍路の旅、第2弾。

…に、なるのかな。

今回は日程が短いため弾丸旅になりました。

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あれから結局キッチンカーは保留のまんま、生姜収穫シーズンが来て農家さんの繁忙期に突入したため、なかなか日程の調整ができず。お遍路は中断したままになっていました。

はやく行きたいな…と逸る気持ちをなだめつつ、流れゆく日常。

そんな中、あのひとから素敵な贈り物が。

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やったー!!ますみさんの、お味噌!

ここで紹介されているお味噌、なんと横浜の糀家川口さんのも、池袋の生こうじで仕込んだのも、食べ比べてきるよう両方詰めてくれていて感激!!

以前ますみさんに、わたしがお遍路で炊き出しをしたいという話をしていて、道中いろんなひとからその家庭のお味噌を分けてもらって、ひとつの味噌樽にどんどんあわせていって、どこにも売ってないあわせ味噌ができたら素敵やと思うねん!と言っていたから。

ますみさんちの自慢のお味噌をさっそく贈ってくださったんです。

ありがとう!あわせ味噌の樽はまだないねんけど。トップバッターやわ、ますみさん!

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さっそくますみさんのお味噌をタッパーに詰め込んで。そのまんま勢いでお味噌汁も試作してみた。

めちゃめちゃ美味しい!いつものお味噌にちょっと足すだけで、味にぐんと深みが出る!!

これは旅のお供に持っていくべき。うん。

お味噌もそう言うてるみたいやし。

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というわけで、今回の高知旅はしっかりお味噌汁キットを持ってやってきました。

お遍路さんは時間を気にして急がれる方が多いから、保温しながら持ち歩いて、旅の途中で出逢えた方にサクッと飲んでもらえたらいいな。

よし、こんな時はあの、馬鹿デカっ!おもっ!の、運動会とかにしか使わん、誰が持つか譲り合いになるw伝説のスタンレーの出番やな。

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出汁はシンプルに鰹だけ。

高知は宇佐にある、竹内商店さんの荒削り節。

スーパーとかで市販されてません。これは。現地販売のみ。めっちゃレアキャラ。

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これをたっぷり贅沢に使ってひくと、もうくらくらするよな薫り高い、最高に鰹の風味がガツーンと効いた、上等なお出汁が取れるんよ。

ほら見て、この立派な厚削り。

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まずはお出汁に塩だけパラリと振ってお味見。

最っ高!!

お出汁だけでもう満足。


お味噌は今回持ってきたんは5種。

3つは関西人好みの甘めのやつ。白味噌、甘口、中辛。色の濃い2つがますみさんの関東風。

やっぱり東西で味が全然違う。

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お椀にお出汁を入れて、お味噌をあれもこれも全部、ええ感じにブレンドして好みの味に調整してみて。

うん、いい感じ。

あ、ここね、泊まってたコテージのちっちゃいキッチンです。熱源ひとつとお鍋さえあれば、どこでもお出汁は取れる。簡単でええね。

このやり方はいいかも!

あえてお味噌も混ぜずに分けておいて、出汁だけポットで持ち歩いて、お味噌はさじですくって、飲むひとの好みで入れてもらうのが面白いな。

あおさとか、とろろ昆布とか、乾物で後入れできる具を一緒に持ち歩けば、カスタマイズお味噌汁のできあがり。

よし、わたしのお接待はしばらくこれで行ってみよう!

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今回はお寺もひとつしか廻れず、お遍路さんにもほとんど会えなかったのでまだなにも始まっていないけど。

この1ヶ月ちょいでたくさんのことがありすぎて、自分の旅のありかたや、人生の歩きかたについて深く考える機会になりました。

お遍路とは。お接待について。ひとの心の有り様。

お寺を廻らなくても、いまこの場所でできることってたくさんある。置かれた環境で輝くこと。誰かに認めてもらわなくても、自分の気持ちを自分で確かめていけばいい。

ここで、できること。

あるもので、満たす。

それを知れたから、焦ってお遍路旅を早く再開しなくっちゃ!とはあんまり思わなくなりました。

はじめに思い描いたものと違っても、こうしてどんどん面白いアイデアを形にして、やってみてそれから改良してくスタイルがわたしには合ってるんやなあ。

キッチンカーはまだないけど、炊き出しもしてないけど、こうしてわたしの旅の新しいかたちが生まれたような気がしています。

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誰かに対してのおせっかい。

こんなんいらんかな、って思わないでまずは差し出してみる。

受け取ってくださったら、ありがとう、と頭を下げてまたやりたいことをやる。

受け取ってくれなくても拗ねない、凹まない。

あーあのひとにはいまは要らんかってんな、って淡々とまた次の誰かに差し出す。

受け取るか受け取らないかは、相手しだい。


誰かからのおせっかい。

差し出されたら、その時欲しければありがとう、と言って遠慮なく受け取る。お礼をしたいと思えばまた次に出逢えた誰かにその気持ちを渡せばいい。

欲しくなかったら、要らないのに無理して受け取らない。わたしは要らないです、と断る勇気を持って、でも気持ちはありがとう、と伝えて別の誰かに廻してもらおう。

受け取るか受け取らないかは、自分しだい。


おせっかいって、なんかことばのイメージが良くなくって、あんまりせん方がいいんかなあ、ってなってるけど、もっと気軽にちいさな気持ちをあげたりもらったりすればいいのにな。

そんなことを、なんとなく考えた旅でした。

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さて、これから年末年始バタバタしちゃうし、しばらくは動けないだろうな。

自分の生活をまずはしっかりと固めて、それからちゃんと空けた手で、やれることをやる。やると決めたら片手間じゃなく、がっつりと手を貸せるように。

わたしにできることは、この小さなお椀ひとつ。

そのひとつ分の温もりを、いろんなひとに届けられるように。

受け取った誰かが、また自分の器のぶんの温もりを誰かに渡してくれたら嬉しいな。


自分の力を信じて、周りのひとにどんどん頼って、つながってちいさな環をたくさんつくれるように。

そしてそんな環と環がまたつながって、少しずつ範囲を広げていけるように、わたしはわたしにできることをやろう、そう決意を固めた師走でした。


ということで、たぶんこれからしばらくお遍路はおやすみ、タダノワタシ日記もおやすみ、かもしれません。

また、どこかでお逢いできる誰かのために、しっかり自分を満たして、溢れた喜びを周りに分けられるひとになれるといいな。

残り少ない今年をめいっぱい駆け抜けて、気持ちはもう、来年へ。


佳い年になりますよう。

わたしにとっても、あのひとにとっても。


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旅のはじまりはこちら。


サポートというかたちの愛が嬉しいです。素直に受け取って、大切なひとや届けたい気持ちのために、循環させてもらいますね。読んでくださったあなたに、幸ありますよう。