なつやすみのしおり
朝、気づいたら外が明るくて、セミの声がうるさくて、つけっぱなしの冷房にひんやりつま先が寒くて目覚める。
そういう日々が続いて、思った通りいつのまにか梅雨があけていた。
雨雲が去って、高台から見下ろす港の遠くの方、山のはるかかなたに、わたあめみたいな雲がもくもく湧いてきたら。
こどもたちとがっつり向き合う夏のはじまりだ。
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今年の夏休みはいつもより短いから、みんな気分も前倒しだ。
宿題はいつもよりちょっとだけ少なめ。
それでもブーブー言いながら、いとこと一緒に机に向かう。
今年はオンラインという新しいつながりができて、ひとりの時も部屋から楽しそうな笑い声が響いている。
なんでも友達と一緒に、グループで宿題を進めているらしい。
ずいぶん盛り上がってるけど、鉛筆の進み具合はどうだか。
まあ、そこはもう完全に本人の問題なので、わたしには関係ない。
ズボラおかんのやることは、いかに毎日簡単にお昼ごはんを済ませるか、と空とにらめっこしながらせっせと洗濯物をやっつけるだけ。
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今年はもう早々に、おばあちゃんに丸ごとのすいかを買ってもらって、恒例のフルーツポンチパーティーもやったし、あとは川遊びと花火くらいか。
今年は雨が多くて水量が増えているため、楽しみにしている川遊びはもうしばらくお預けかな。
毎年、友達いっぱい呼んで、鍋いっぱいの豚汁とおにぎりを持って、川で遊んですいか割りをするのが最高の夏の想い出だったけど。
今年はそうもいかなそうだから、こじんまり家族だけでサクッと遊んで帰ってこよう。
肩身が狭そうにひっそり営業している老舗の花火屋さん、来年もここで開けててほしいから、せめてもの手持ち花火をたくさん買おう。
家族の人数分よりだいぶ多めに詰まった袋を抱えて、車まで歩く。
8月に入ったらもうあっという間。
いつもよりずいぶん駆け足で過ぎていきそうな夏を、めいっぱい楽しもう。
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オンラインとオフライン。
え?こっちが“オフ”なの??
もやもやとなんだか常々そう感じてきたけど、先月、逢いたかったひとたちに何人か逢えて、顔を見て話せて、ますますそう思った。
わたしの日常は、やっぱりこっちだ。
ラインの向こう、顔を知らないひとたちとつながる非日常はドキドキする。
すごく刺激的で楽しいけど、なんでもない普段の毎日が、やっぱりわたしには大事。
自分の足で歩いて、自分の目で見て、自分の手でさわって、わたしの日々を彩るひとたちと会話をして、一日を終える。
その、繰り返し。
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というわけで、今月はSNSから少し距離を置いて、自分の毎日に向き合って暮らしたいと思う。
色や匂いや手触りを大切に。
身体と心をしっかり動かして、今年のなつやすみを満喫したい。
皆さんも、よい夏を。
サポートというかたちの愛が嬉しいです。素直に受け取って、大切なひとや届けたい気持ちのために、循環させてもらいますね。読んでくださったあなたに、幸ありますよう。