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は?イタリア語で「柿」は「カコ」?

もうかれこれ10年ほど前、ヴェネト州のトレヴィーゾのスーパーマーケットにイタリア人の友人に連れていかれたとき。
チーズ好きのわたしは、日本ではありえないくらいのチーズ売り場の広さに大感激した。
そして、オリーブオイル、バルサミコ、ワイン、パスタの棚の品ぞろえにびっくり。
さらに、フルーツ売り場に無造作におかれた果物たちの美しさに目を奪われた。
 
で、そこで、日本で見慣れた柿をみつけた。
その前に張られた値札に書かれてた言葉は、たしか KAKO 。アルファベットを読むと「カコ」。「カキ」ではない。ではなぜ「カキ」が「カコ」になっていたのか?
そのころはわたしもイタリア語は勉強はじめていたので、なるほど、と思った。

イタリア語で、アルファベットの O で終わる名詞は通常、男性名詞である。たとえば、「日」をあらわす「giorno」は男性名詞だが、これが複数系になると、「giorni」というふうに、「o」が「i」に変化する。

余談だが、イタリア語を習い始めのころ、名詞が複数形になるときの変化は、一般的に男性単数名詞は名詞の最後が o→i に。そして女性単数名詞は a→e に変化し、おまけにいくつか例外があるルールを知った時には、英語は一貫して sをつけるだけということに思いをはせ、なんて英語はシンプルなんだろうと感動した。

さて、続き。
そう。男性名詞は単数形から複数形になるとき、単語の末尾の o が i に変化する。
ということは。末尾が i であれば、逆にその単数形は o になる。まあ、実はここが三段論法的な間違いの入り口なのだが、おそらく、日本の柿の名称を KAKO と書いたイタリア人(じゃないかもだけど)の脳内では、「柿は KAKI だから、それは KAKO の複数形なんだろうよ~」ってこと???なのか???

というわけで、スーパーの柿の名前は、堂々と「カコ」となっていたのではないかと、推察。

以後何年もたってからそのことをイタリア人に聞いたとき、基本的にローマ字の K は外来語だから(イタリア語のか「か行」の子音は C なので。)Kがつく単語は外来語が多い。なので、普通は単数も複数も変化させず、そのままで使うことが多いけどね、ということだった。たとえば kiwi などはkakiといっしょで最後に i がくるけれど、さすがにメジャーなフルーツだからか、単数も複数もkiwiで通るみたいだ。

この辺のルールは地域によったり、人によったりするのかもしれないけれど。今では日本の柿表記は kaki または cachi と書かれることが多いようだ。

しかし今オンラインで調べると、kako はあまりみあたらないが、K
をイタリア風にC表記した caco は健在みたい(笑)。それが複数形だとcachi(「カキ」とイタリア語読みできる。)となる。

まあ、海を渡れば柿も名前が変わるかも、ということかな。ほかの国でもそんな風に変わったりしてるのだろうか?
何かご存じのかたは教えてください。

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