ホスピタリティのレストラン@イラク(クルディスタン)
今年の夏休みはイラクに行った。
私が小学生の時、ちょうどイラク戦争がはじまって、そのあとISISの支配があったり、イラクといえば戦争のイメージだった。
そんなとき、ひょんなご縁でイラクに行けることになった。現地でボランティアを受け入れてくれる団体を見つけたのだ。
戦争のイメージの向こう側をみてみたい
どんな人たちが住んでいるんだろう
どんなご飯があるんだろう
ちょっとドキドキしながら現地に向かった。
現地ではたくさんのことを感じたし経験させてもらったのだけど、このブログでは食の部分だけ切り取ってみたい。
そうすることで、見えてくるものもあるはず。
レストランに入ると、まず印象的なのがそのホスピタリティ。
イスラームの国なので、ファミリーの飲食スペースと男性の飲食スペースが別れている。でも、女性だからといってアジア人だからと言って、差別されるようなことはまるでなかった。
注文をうけると、大量前菜が運ばれてくる。
これ全部前菜!
サラダ、スープ、オリーブ、野菜炒め、クスクス…
頼んでない。メインの料理の値段(大体800円ぐらい!)でついてくるのだ。
そして、お皿があいたらおかわりを聞いてくれる。もちろん追加料金はなし。
サラダはトマトとほうれん草、レタス。レモンがまるまる入っていて、しぼってかける。オリーブオイルと塩もお好みで。
野菜大好きな私はこれだけで大満足だ。
そして感動したのがナスのフムス!
フムスというのは野菜をペースト状にした料理でごまペーストみたいな食感。スプーンで掬って食べるとフワフワととてもおいしい。旨みの詰まった味!
お肉はラムやチキンが主流。
焼き鳥のようなものや、トルコ料理っぽくトマトと似たのなど、結構日本人の口に馴染みやすい味付け。おいしい。
メインはこんな感じ。
これはチキンをこってり塩焼きにしたものだ。
なによりも印象にのこったのは店員さんたちのホスピタリティ。
笑顔で話しかけてくれるし、気を使ってくれるし、どのレストランでもニコニコで過ごすことができた。
レストランでの食事が最高で、一気にこの土地が好きになった。
自分のなかの偏見がぼろぼろと崩れ落ちていくのを感じた。
イラクではお水をあげるというのがホスピタリティを表す形のようだ。
ちょっと道を聞いた人や、ちょっと立ち寄ったお菓子屋さんなど、みんなが水をくれた。
暑いでしょ、もっていきなー
みたいな感じ。
お菓子屋さんでチョコを選んでいると、店番の12歳ぐらいの男の子が声をかけてくれた。
「どこからきたの?」
「日本だよ!」
「そんな遠くから!じゃあこれは僕からのプレゼント!」
ひとつかみのチョコをくれた。
はあ、なんて優しい。旅人をもてなす文化なのだ。
最近の中東情勢を、なにもできぬまま、見ている。文化を、生活を、壊したくない。
お互いに水を与え合える未来を。
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