読書会より
人間が能動的でないのは眠っているときだけだ。覚醒状態には、怠慢の入る余地などない。ところが今日、きわめて多くの人は、目がさめているときは半分眠っており、眠っているときや眠ろうとするときには半分起きている、という逆説的な状態に置かれている。自分が退屈したり、他人を退屈させたりしなためには、完全に目が覚めていなければならない。
「責任がある」ということは、他人の要求に応じられる、応じる用意がある、という意味である。
成熟した人間とは、自分の力を生産的に発達させる人、自分でそのために働いたもの以外は欲しがらない人、全知全能というナルシシズム的な夢を捨てた人、純粋に生産的な活動からのみ得られる内的な力に裏打ちされた謙虚さを身につけた人のことである。
「愛するということ」エーリッヒ・フロムより
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?