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もうエアコンが手離せない

夏休みに突入した。正真正銘人生最後の夏休みだ。泣いても笑ってもこれでファイナルラストだ。これくらい今のうちに唱えておけば、いつか振り返った時にそれほど後悔しないような過ごし方ができるんじゃないかなと思って書いてみた。

まず開幕と同時に、学科の友達と三重県を旅行した。せっかくスペイン語を学んでいるんだから志摩スペイン村に行こう、となったのだ。チュロスとかアトラクションもすごく良かったのだが、「あ〜これ授業で習ったやつや〜」とかみんなで言いながら涼しい博物館の中を歩いてた時間が一番楽しかった気がする。

その翌日は大阪の友達が「滋賀に行きたい」と言ってくれたので、湖西から湖北にかけてドライブ観光をした。たまたまおごと温泉花火大会の日だったので、それも一緒に見た。あんなに近くで見られる花火大会はなかなか珍しいんじゃないかなと毎回思う。帰り際に「おごと温泉最高やな」と言ってくれていたので、それなりに楽しんでもらえた気はする。

その翌日から3日間は東京から遊びに来たはとこたちと共に福井県へキャンプをしに行った。自分が小学生の頃によく行ったキャンプ場だったので、どこの景色もうっすら見覚えがあってずっと不思議な感覚だった。昔住んでいた箕面とか吹田の街中を歩いている時と同じ感じ。はとこたち(8歳と5歳)とは今回が初対面だったが、とにかく可愛かった。ただ次会えるとしても来年以降だろうし、その頃には多分忘れられているんだろうなと勝手に悲しくなりながら神戸に帰ってきた。今回は〇〇君と呼んでくれていたが、次回は〇〇おじさん呼びになっているかもしれない。

次のnoteではそんな振り返りをだらだら書こうと思っていたのだが、さっき元町映画で『ルパン三世 カリオストロの城』を観たせいで気が変わってしまった。


今まで観たいと思いつつも観たことがなかったこの作品が再上映されると知った時、迷うことなくこの日の予定を空けた。さすが元町映画館である。こうやって定期的に素晴らしいチョイスの再上映をしてくれるからパルシネマ同様に大好きなのだ。

TwitterやYouTubeの影響でなんとなく知っているセリフや場面はあったが、全体的にはすごく新鮮な気持ちで観ることができた。内容に関して言うと、こんな立て続けにぶっ込んでくるかと言いたくなるくらい面白い展開のオンパレードだった。それくらいずっとテンポが良かった。あと、先日の『ルックバック』と同じく今回も馬鹿みたいに泣いた。そもそもの自分の涙腺が年々弱くなっているのは認めるが、それにしても泣いた。ただ涙の系統が前回とは大きく異なった。

『ルックバック』における涙は話の内容に対する涙だった。これは世の中の映画中に流れる涙の理由ランキング第1位だろうし、当然今回も内容の良さに泣いた部分は大いにある。だが『カリオストロの城』に関してはそれ以上にノスタルジックな感情のせいで泣いていた。この作品は1979年、つまり45年も前に作られたということで、出演した声優さんのほとんどは既に亡くなっている。さっきchatGPT君に聞いてみたのだが、クラリスはご存命らしい。とにかくもう僕は、その事実だけで泣けてくるくらいに涙腺が緩みきっているのだ。彼らのまだ元気な当時の声を聞いて勝手に儚さを感じてしまうのだ。

これが映画を観る姿勢としてどうなのかという気もするが、すでに涙腺がこうなってしまった以上僕に手立ては無い。『風の谷のナウシカ』なんかもそうだが、かなり昔の作品を再上映で観ると開幕から涙がダダ漏れになる。もしかしたら自分は内容とかはどうでもよくて、ただ泣きたいから昔の映画を観てるのかもしれない、と不安にすらなってきた。いいやそんなことは無い、ちゃんと紛うことなき名作だから泣いてるのだと、その上で昔の声優に対してノスタルジックになるから余計に泣いているだけなんだ、と言い張れるようになりたい。

あとヨーロッパと思しき場所が舞台のアニメ作品も僕は弱い。アニメというのが重要だ。ともかくヨーロッパが舞台というだけで良い映画補正がかかってしまっている気がする。小さい頃から憧れていたヨーロッパに大きくなってから10ヶ月も住んだにも関わらず、ヨーロッパへの気持ちというのは未だに残っている。「ヨーロッパ風の街並み」というものが「単なる憧れの場所」から「留学中の思い出のトリガー」へと変わってしまったのだ。なんなら行く前より今の方がヨーロッパへの愛は強い気がする。せめてもう一度、死ぬまでに訪れたい。観ている時も「カリオストロの城もヨーロッパのどこかがモデルなのかなあ」なんて想像しながらそれだけで感情を昂らせていた。

まあとにかく良い映画だった。クラリスが良い子すぎる。つくづく思うが、映画は映画館で見た方がぜっっったいに良い。こればっかりはぜっっったいである。そして昔の作品を再上映してくれるミニシアターはどうにかしてこの先も生き残ってほしい。いつだったか、全国的にミニシアターが潰れていっているというニュースを見て以来、せめて自分は通いまくって少しでも売上に貢献しようという心意気で生きている。


まだまだ夏休みは始まったばかりだが、今年はエアコンを付けすぎている気がする。熱中症になるのは嫌だし訪れてくれた友達にケチなんて思われたくないのでなんだかんだほぼ毎日付けているのだが、にしても今年は付けすぎている気がする。毎月同じような電気料金に収まるのでずっと放置していた関電のアプリを今月は久しぶりに確認してみた。既に先月の料金より674円も高いですよとだけ表示されていた。額面だけで言えば別に3000円未満なら痛くはないのだが、気分的にはグサグサと来るものがある。早くお盆になってほしい。実家に帰って何も気にせずにエアコンをつけまくって夕方くらいまで部屋に引き込もりたい。




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