mimicocco

美術館と映画館と野球場とお笑いライブによく行きます

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最近の記事

ロングコートダディ 兎さんにとってハッピーな一日になることを祈る話

年々、時の速さに圧倒されるばかりですね、いかがお過ごしですか。 昨年のこの日、一人ホテルでランジャタイの行く末に手に汗握ったのがもう一年も前なんですね、痺れますね。 どうやら今年はTverでライブ配信されるらしいので、家にテレビがなくM-1を観るためだけに一万円を払って徒歩15分のホテルに泊まるお笑いファンが一人減るらしいですよ、良い時代になりましたね。 今回も書くべきか迷ったのですが、やっぱり楽しみで仕方ないことは事実なので、今年もラブレターのような文章を残しておこうと

    • わたしの国

      その国はどこにあるか分からない 果てしない大地を途方もなく歩いているとき 小さな路地を冒険心をくすぐられながら歩いているとき それは唐突に表れる それは白い霧を伴って あなたの周囲を白く染めて視界を奪う その国の入り口はその白い世界のどこかに隠れている 入り口の扉に鍵はかかっていない 扉を見つけることさえできれば誰だって入国可能だ ただし扉を見つけ出すのが厄介だ なんせ視界が奪われている 人によってはどれだけしらみつぶしに探しても永遠に見つけることができないが 人によっては

      • 逗子に行きました

        浮かんだ気持ちはなるべく早く言葉といったかたちを与えてあげないと、 途端に見えなくなってしまう。 どんなに良い気分も何かしらのかたちの容れ物におさめておかないと、 あっという間に失せてしまう。 まるで元からそんなものなど無かったかのように 失せてしまうのが怖くて、無理やりにでも言葉をつけてしまうのだ。 言語化は恐れである、喪失に立ち向かうための。

        • 「あの人は弱虫(のまま)がいいの」

          「アシタカみたいな人と結婚するならしたい」と風花ちゃんが言ったので、なんとなく「じゃあわたしはハウルかな」と答えたけれど、よくよく考えたら全然そんなこと思ってなかった。 どうして咄嗟にハウルの名前が出たのだろう、と数年ぶりに映画『ハウルの動く城』を観返してみたら、弱さで世界を包括しようとする物語として観えたので感想を残しておく。 前提、ハウルは全然格好良いキャラクターじゃない(とわたしは思っている)。女の子に振られたとか、髪が好みの色に染まらなかったというだけで癇癪を起こし

        ロングコートダディ 兎さんにとってハッピーな一日になることを祈る話

          ワークショップがにがてです

          もともと人が大勢集まる場所が苦手で、今の会社に入る際も「任意の飲み会などは一切参加しないけど良いですか」と聞いて「良いよ」と言ってもらえたので入社した経緯がある。オンラインでもその性質は変わらないんだな、とここ二年リモートワークをして身に沁みた。 わたしは自分がワークショップを設計・実施するくせに、参加者としてのワークショップはてんで向いてない。自分の語りを他者に構造化されても一切頭に入ってこないので苦手だし、共有のボードに付箋で考えを出すよりも、自分ひとり手元でメモを取っ

          ワークショップがにがてです

          悪行のアチラ側

          「世界がこんな状況なのにわたしは一体何をつまらんことをしてるんだ」 そうやって塞ぎ込んでしまうのがわたしの悪い癖 悪行が振りかざされるたび思うのは、自分だっていつアチラ側になるのか分からない。紙一重であるということだ。 戦争はいけない、人を殺すのはいけない、そんなのみんなわかってる。 「そんなのみんなわかってる」 世界にはどれだけの“そんなの”がある? “そんなの”のうち、みんながわかってて、わたしがわかってないことはいくつある? ワークショップを設計する際、プレイフル

          悪行のアチラ側

          ランジャタイ 国崎和也さんの魅力に惹かれてしまった話

          みなさま、年の瀬はいかがお過ごしですか。 野田クリスタルさんへのラブレターを書いてからちょうど一年、今年もこの季節がやってきましたね。 国崎和也さんについて語られた濃密な記事は既に世の中にたくさんあるし、なにより本人がこんな素敵な手紙を書いていたので、わたしの浅い言葉を重ねるのもなんだか恥ずかしいな…と迷ったのですが、祈るような、願掛けするような気持ちで今年もラブレターを残しておきます。 新しい風が吹く その存在が心に強く焼き付いたのは、M-1グランプリ敗者復活戦→マヂ

          ランジャタイ 国崎和也さんの魅力に惹かれてしまった話

          マヂカルラブリー 野田クリスタルさんの魅力に惹かれてしまった話

          みなさま、年の瀬はいかがお過ごしですか。 わたしはこの夏、生まれて初めて行ったお笑いライブで感動して以来、相変わらず劇場へ通う日々を過ごしています。 ここ最近のお目当てはマヂカルラブリーという芸人さん。夏頃にすゑひろがりずの話をたくさん聞いてくれた方に「マヂカルラブリーに出会ってしまいました、やばい面白いです。」なんて話をしたら「なんですゑひろがりずからそっちのルートに入るんだ…」と言われて笑ってしまいました。でも、それは本当にそう。 大宮セブンという同じ団体に所属してい

          マヂカルラブリー 野田クリスタルさんの魅力に惹かれてしまった話

          黄金風景

          年下の友人がいる。 底抜けに明るくて、周囲を照らす太陽のようで、一度笑い出すと止まらない。 誰かの誕生日だとか、就職が決まっただとか、何かあるとすぐにパーティーを開きたがる。 ケーキを作るのが大好きで、パーティーを開くたびに美味しくて参加者全員でも食べきれないほど大きなケーキを作ってくれる。 パーティーの後でこっそりと「ケーキ作ってくれてありがとう、時間かかったでしょう?材料費だけでも払うよ」と伝えても、いつも1円たりとも払わせてくれない。 「みんなが楽しんでくれるのが一番

          黄金風景

          拝啓、野球選手さま

          今日は珍しくゲームオーバー寸前のテトリスのようにスケジュールがぎっしり詰まり、朝から晩までそれを消化しながら、その都度後悔と反省を抱える一日でした。 普段、お客さんへは「対話的姿勢を」「判断の留保を」なんて偉そうに言いながら、社内ミーティングのアジェンダが順調に消化されていないと焦りや苛立ちを覚えてしまうし、「ネガティブ・ケイパビリティ」「弱さの共有を」なんて説きながら、つい自己保身に走り他者に寄り添うことができないことも多々あります。 在りたい姿と実際の自分の乖離があま

          拝啓、野球選手さま

          生まれて初めてお笑いライブを観に行ったら、めちゃくちゃ感動した話。

          お笑い芸人のすゑひろがりずにハマりました。 きっかけは3月末、たまたま観たYoutubeでのゲーム『バイオハザード』実況。コロナの影響でリモートワークになり、大好きな野球の開幕も遅れ、3-4月は近所のスーパーに食材を買いに行く以外はほぼ外出しなかったため、唯一の楽しみは毎日更新される彼らのYouTubeチャンネル『すゑひろがりず局番』。(こういう人多かったんじゃないかなあ) その後すぐに、彼らは『あつまれどうぶつの森』実況をきっかけに人気が爆発。テレビ・ラジオ・雑誌、そし

          生まれて初めてお笑いライブを観に行ったら、めちゃくちゃ感動した話。