第67回天童桜まつり人間将棋
2022年4月16日(土曜日)・17日(日曜日)
≪参加棋士≫
(1日目)
対局者:上田初美女流四段 対 竹部さゆり女流四段
解説者:木村一基 段
(2日目)
対局者:藤井聡太竜王 対 佐々木大地六段
解説者:木村一基 九段、聞き手:竹部さゆり 女流四段
人間将棋だけでなく、天童桜まつり全体でレポートさせていただきます。ニコニコ生放送やABEMAで中継されていますので現地の情報中心です。今回は天童の地元の方から頂いた情報は時系列ではなく、インサートさせていただきました。
◆1日目
●舞鶴山へ
天童駅のバス乗り場で検温、ハガキ確認。そして、バス代100円(任意) シャトルバスに乗りました。某マップだと歩いても20分ぐらいだったので歩いて行けそうかなと、地元の方にお伺いしました。
地元の方
「人間将棋の時の満開は珍しいのよ、いつもは天気が悪かったり、桜は散っていたりするんですよ」
わたし
「舞鶴山山頂まで桜を観ながら上ろうと思うんです!」
地元の方
「ははは。いや、シャトルバスにのるといいよ。歩く速度は人によって違うし、山だかんね」
(地元の方!! ありがとうございます! おっしゃるとおりでした!!)
アスファルトに舗装されていますがかなりの山道です。登っていたら完全にバテていたと思います。天童の町中からすっと山道に入っていきます。バスの車窓から見えるのは桜のトンネルです。既にテンションが上がります。見下ろすと開けた街が一望できました。
バスは山頂に到着。広い高台です。広いです。
桜、桜、桜、360度どこを見ても桜が見えます。
(綺麗という言葉では足りない……ここは桜舞台だ)
山頂では物産コーナーのお土産、駒、ワイン、その他。いくつかのテントが出ていました。入り口ゲートに向かいます。当選ハガキの確認と身分証の照会がありました。
入場ゲートをくぐると正面に名前入りの王将モニュメントがありました。それは地元の方から聞いた、将棋の同時対局数で世界記録「ギネス世界記録達成記念モニュメント」です。
地元の方
「わしも参加したんよ!! 将棋そんなさせんけど、ギネス挑戦して名前を記して貰ってね」
と、くしゃり嬉しそうに笑われます。
将棋の街ならではの素敵なエピソードをお聞かせ頂きありがとうございました。
●電王手桜将 VS 天童代表
観覧席は石の段組された場所と芝生席です。
あいにくの雨がちらつく中、石の段に座りました。
電王手桜将 VS 天童代表が繰り広げられていました。
駒武者の高校生達が躍動しています。
そして、木村一基九段の軽快な解説!!
(来た、人間将棋に来た!!)
多少の雨でもへっちゃらです。
電王手桜将にトラブルがありましたが、全駒を木村一基九段と竹部さゆり女流四段が駒を動かし終了となりました。
大抽選会はサクッと外れました。
●天童桜まつり「人間将棋」1日目
ここで天気は一気に、晴れへと移り変わります。
信長様の登場ではじまりました。
信長公
「かたやー、上田の初美殿。上田の初美殿。こなたー、竹部のさゆり殿。竹部のさゆり殿。いざ、お出ましあれ!!」
上田殿
「竹部殿、竹部殿の将棋はよく知っているが人間将棋に向いているのか?」
会場から笑いが起こる。
竹部殿
「本日の観客は11000人から選ばれし精鋭ぞ。ここで微妙な対局になってしまうと全てが無に帰す故、決死の覚悟で参った。その方の首を……」
上田殿
「くび?」
さらに会場から笑いが起こります。
竹部殿
「首を洗って待っておれ!!」
ドン! ここで太鼓が鳴り響きました。先ほどの電王手桜将の戦いに太鼓はなかったのです。各駒に打ち鳴らされる太鼓の音。(太鼓の音に関しては2日目で詳細を書きます)
上田初美殿も竹部さゆり殿もとても凜々しく、そして綺麗でした。武者言葉を駆使して、会場を盛り上げて下さいます。色々と見所が多過ぎでした。
(ニコニコ生放送で、もう一度見ます!!) ※見ました
木村一基九段
「観戦いただきありがとうございました。将棋の方も大熱戦で――なにより、会話。これはまた素晴らしいもので聞き入ってしまうぐらいのやりとりだったと思います。人間将棋の中でも一二を争う内容の、面白い内容の将棋だったと思います」
(木村一基九段の解説も最高でございました!! ありがとうございました!!)
●天童将棋駒まつりin天童
下山はバスを使わずに、桜咲き誇る山を歩いて降りました。行きとは違った大階段を降りながら桜を観賞です。所要時間25分ぐらいでしょうか。
(下りは余裕っしょと思ったけれど……辛かった!! これの登りとか無理!! 明日の朝もシャトルバスの乗ろう!!)
昼食は斎藤慎太郎八段や名人戦関係者オススメの「水車生そば」で「元祖鳥中華」を頂きました。中華そばなのにまろやかで鳥肉が出汁を吸ってさらに美味しく、麺は縮れ麺でコシがあり。ノリを混ぜると味変するという。
さらに一味を入れると味編。
即お土産を購入しました。お取り寄せも出来ます。リンクです。
【元祖!鳥中華】水車生そばオンラインショップ (shop-pro.jp)
水車生そばから歩いて10分ぐらいで天童駅を目指します。
10分のはずが――結果、20分ぐらい掛かったと思います。
(あ! 詰将棋!!)
倍以上掛かったのは、道すがら――電柱の詰将棋、歩道の詰将棋を挑戦しては、解けずに歩き出すのを繰り返すからです。
(あそこにも! 詰将棋!!)
そして、また詰将棋が現れる。
本当に将棋に溢れた街です。
標識やポストに至るまで、天童の街には将棋が詰まっています。
パルテ1階に到着しました。
天童将棋駒展示されていました。7店舗ぐらいだったと記憶しています。
(駒。とても綺麗……いつか、自分も購入したい……)
将棋駒やグッズも買えます。書き駒体験などもできます。
お土産に駒ストラップを購入しました。
バルテ2階には「天童市物産センター」のお土産ショップがあります。
ここではお土産に駒パスタ、七味などを買いました。
季節が合えば、フルーツもここで買えるようです。さくらんぼの季節ではなかったのが残念です
地元の方
「残念やねぇ。さくらんぼは早いよ。6月下旬ぐらいにきたらさくらんぼ狩り食べ放題とかあるよ」
(さささ、さくらんぼの、た、食べ放題?! ゴージャス☆)
さくらんぼは季節になったら通販で購入したいと思います。
1階に降りて駅前にさらに進むと天童市将棋資料館があり、その横には将棋交流室がありました。中を覗くと、子供からお年寄りまでが将棋を指されていました。とても賑わっていました。
(さすが、天童。駒。そして人間将棋の街)
●村山地区お祭り商業協議会による屋台村
また街を探索します。道中の詰将棋に足が止まりますが、解けませんでした。
中央公園での屋台村は子供がたくさん、大人もたくさん。そして桜もたくさん。近くの川にはしだれ桜が咲いていました。夜はライトアップされていました。
●しだれ桜ライトアップ
夜は山形牛と米沢牛を食べました。
帰りにしだれ桜ライトアップを鑑賞します。とてもとても幻想的です。
倉津川。市役所前「王将橋」から温泉公園前「飛車橋」のしだれ桜にライトアップされています。とても美しい淡い桜と月に金将という橋ののネオンも溶け込みます。
地元の方
「今回は普通の桜が見頃だから、しだれ桜はちょっと早いけれどね」
(十分に綺麗でございます!!)
今夜の〆は「水車生そば」で「将棋ざるそば」を食べました。(食べ過ぎ)
木村一基九段も言われていたように普通の蕎麦とは違い、しっかりとした太麺で、コシもあり、とても美味しかったです。ざるの駒は「角行」でした。
◆2日目
●山に入る
前日の山の下りで到底、徒歩で登ることは出来ないと諦め――朝早めのシャトルバスに乗って、山頂へ。既に列が出来ていました。
(山を――あの大階段を登ってこられた健脚の方々か!?)
快晴でした。雲一つ無い晴天。
水色の空と桃色の桜の景色に包まれて思います。
(とても絶景です!!)
座席を確保して、会場を歩くと昨日は無かったパネルに気がつきます。
羽海野チカ先生描き下ろしのイラスト、ポスター、そしてコメントです。昨日、ホテルで冊子を頂いていたのですが、やっぱり天童市への描き下ろしでした。昨日いただいたガイド地図も3月のライオンでファンにはたまらないと思います。
(3月のライオンで夢見た、人間将棋! そしてニコニコ動画でも夢見た、憧れの人間将棋だ!!)
ラブミー☆テンドゥー
また実感してワクワクが高まります。
体力の続く限り今日も楽しみたいと思います!!
●電王手桜将/デンソーFA山形
電王手桜将と5人一組(三手ずつ)で対局するブースがありました。
対局している子供達を応援しながら、デンソーFA山形の社員の方にお聞きします。
わたし
「どれくらい強いんですか?」
スタッフの方
「プロの棋士の方も負かすぐらいの設定です」
(ひぇぇぇ、イベントなのに!! 平手だし!!)
容赦ない電王手桜将の手を見ていたときでした。
すぐとなりのパブリックビュー会場に声が上がりました。
(藤井聡太竜王! 佐々木大地六段! 木村一基九段! 竹部さゆり女流四段!!)
車で到着された棋士の一行が、パブリックビューの中央の通りを歩いて行かれました。その数分は、電王手桜将にいた社員さんも、子供達も、全員が一行に釘付けでした。
(この間、電王手桜将は対局者が長考だと思っているのかな?)
電王手桜将が成り駒を作る様子に圧倒されました。
前日に正面に座らせて頂いたのですが、両手?の角度も格好よく見た目もめちゃくちゃ強かったです。
●プロ棋士トークショー
春から初夏を感じさせる眩しい太陽の光に、プロ棋士の先生方も目を細められて話されます。その姿はとても将棋ファンにとってはさらに眩しい物に見えたと思います。
語尾にござるをつけるとそれっぽくなるという木村定跡の話題に。
藤井聡太竜王
「はい、あの。大変参考になったでござる」
沸く会場。
木村一基九段
「もうばっちりでアドバイスすることなんか。佐々木さんもござる、言って下さいよ」(満面の笑み)
佐々木大地六段
「藤井殿に一本とられたでござる」
木村一基九段だけでなく。会場の笑みが会場を包みます。好天で暑い会場に、温かい空気が沸き起こりました。
最後は四人の棋士が横に並んで一斉に背を向けて歩いて行きます。
(将棋界のアベン○ャーズ!! かっこいいでござる!!)
暑さで思考も温まっています。ござる言葉も脳内で炸裂しています。
大抽選会はなにも当たりませんでした。
●天童桜まつり「人間将棋」2日目
藤井殿
「佐々木殿と師匠の深浦殿にはよく痛めに遭わされておるので今日は、その借りを返す絶好の機会じゃ。全軍を躍動させて勝利を目指したい! いざ、尋常に勝負!」
桜、青空、やぐら、そして大将棋盤。揺らめく旗。駒武者の動き。
そして。太鼓の音で何の駒が動いたのかが、耳にも響きます。
魅了されます。
昨日も思いましたが、人間将棋は公開対局などと比べても情報量が圧倒的です。過去。観たことのある将棋とは別格です。
(わたしは角の太鼓がスキでござる。桂馬もいいでござる!!)
太鼓の音が鳴り止むとくい気味にマイクに話される藤井聡太竜王。
最高の桜、最高の青空、そして人間将棋。楽しさがどんどんと増していきます。緊張ではない、感情でワクワクし続けていました。
ふと、藤井聡太竜王がインタビューで言われる言葉を思い出しました。
――これからも楽しんで見ていただけるような将棋が指せるように精進していきたいと思っています。
初タイトルを取られた時の棋聖戦でのインタビューでの一言です。
(幸せ、嬉しい――いろんな感情があるけれど今、最高に楽しいです!)
会場にいる皆様。中継で観られているみなさまも――楽しいと思っていたのではないのでしょうか。対局者が楽しませようと、盛り上げ続けて下さいます。観る将になって良かったと思いました。
一将棋ファンとして今日、ここで人間将棋を観られたことは至福の時間でした。
(ニコニコ生放送とABEMAでもう一度見ます!!)
※見ました。何度も見ます。
●終演後
昨日に引き続き、全員の撮影会まで見せていただきました。
駒武者の皆様お疲れ様でした!!
ゲートに向かって歩いていると信長公がおられます。
写真撮影をお願いすると、快諾してくださり、ツーショット撮らせていただきました。
(ありがとうございました!!)
●最後に
3年ぶりの天童桜まつり人間将棋開催、誠にありがとうございました。
1日目と2日目と参加させていただけたのは幸運中の幸運、至福の2日間でした。温かく迎えて下さった天童市の皆様に感謝を申し上げます。とても、とても幸せで楽しい時間でした。関係者の皆様に御礼申し上げます。
今回はこの一言で締めさせていただきます。
「ラブミー☆テンドゥー!!」
(了)
※誤字脱字など随時直していきます。ご参加されていた皆様。会話の順番、記憶違いなどあったら、申し訳ございません! 修正します! ドン!とご指摘くださいませ。
(後で少しずつ推敲させて頂きますことご容赦くださいませ)
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