仕事で心が疲れたとき、周囲の優しさが身にしみた話
「(更年期世代になって)ずっと目標を高くかかげて生きていくのは、しんどくないですか?」
「頑張って階段をのぼり続けるのもステキですが、たまには踊り場で休んでみるのもいいですよ。」
昨年の秋に、職場の心理カウンセラーが私にくれた言葉だ。
子ども英語講師を18年間も続けられたのは、楽しくて癒しがあったから
2019年の後半は、子ども英語講師の仕事に行きづまり、精神的につらい状況に陥った。仕事を始めた32歳の時は「私にできるかな?」と不安も少し。気がつくと18年間も続けてこれたのは、この仕事が天職だと感じていたからに違いない。
子ども達のワクワクする表情が見たくて、”英語のゲーム”を考えたり”やる気の出る宿題システム”を作ってみたり。「子ども英語講師って、クリエイティブな仕事だな💡」と感じたものだった。
仕事なので常に何かしら悩んでいたけれど、『大きな楽しさの中に、小さな悩み』があるイメージだった。そう!楽しみながらゲーム感覚で、問題解決できたのだ。2019年になると、『大きな苦しさ(義務感)の中に、小さな幸せ』へと心境が変化していった。義務化した苦しさの中で、心が消耗していったのだ。
「もう若くない」と、心の揺らぎを実感した1年
私にとって2019年は、精神的にハードだった。春に義母を亡くし、いつも仲間の中心であった幼なじみを病気で失った。50歳になり更年期のせいか”完璧にやりたがる”、”気持ちが落ち込みやすい”、”疲れやすくなった”。
秋になり、今まで頑張ってきた”ひずみ”が仕事にも影響し始めた。
子どもは敏感だ。大人が表面的に繕っている仮面など、簡単に見ぬいてしまうから。
「苦しいけれど、(楽しいフリをして)完璧にやらなくては!」
子ども達は私のココロの悲鳴を感じたようで、レッスン中の表情も冴えないものとなった。こうなると、お互いが苦痛の時間を共有するしかない!
職場の電話・無料カウンセリングを利用することに
11月になり、頑張り続けるのが疲れたころ、職場の心理カウンセラーに相談してみた。
「色々大変だったのですね。ところで、あなたのストレス解消法や趣味は何ですか?」
「リラックスするために瞑想やヨガをやらないといけません。あと、心を鍛えるために、ジョギングも始めました。ジョギングで身体を苦しい状態にして、凹んだ気持ちを麻痺させないと。それから、英語学習や読書もしなければ。ライティングの訓練もしないとダメですね...。」
「話を聴いていると、”○○しなければいけない”という言葉が目立ちますね。趣味なのに何だか義務になっていて、休まるどころかやればやるほど疲れそう。電話越しで見えるあなたの姿が、失礼ですが……”しぼんでいるな”と感じます。」
今までは息抜きであった趣味が、バランスを崩し消耗するだけの代物になってしまったようだ。なんてことだ!カウンセラーと話すうちに、とめどなく涙が溢れてきた。「あああ、心が疲れてる。このまま頑張り続けるとヤバいぞ!」擦り切れて消耗しきった心がシクシク泣いた。
上司に相談し、1か月休職することに
電話カウンセリングの1週間後、「もう、無理っ!」と信頼できる上司のところへ駆け込んだ。人の痛みが分かる女性の上司は、今にも泣きそうな表情で「せんせい、辞めないで!せんせいを必要としている保護者や子ども達がたくさんいるから。」と優しいことばをかけてくれた。
そして、ありがたい提案をしてくれたのだ。
「1ヶ月、休みましょう。ゆっくり休んで仕事から一旦離れると、客観的に物事が見れるはず。その後、状況に応じて、休む期間を伸ばせますから。」
講師が休んでもレッスンは続く。休職まで2か月の猶予があったので、代講講師を探してもらい引継ぎも終えた。
困った時は頼ってもいい。周りはみんな、あったかいから
18年間、子ども英語講師をやってきて、こんなに長く休んだことはなかった。休みを取る前はドキドキしたけれど、スムーズに実現した。
「なんて優しくて素敵な人たちに囲まれているんだろう。」と気づきをくれたEpisodeを紹介したい。
まずは、旦那さん。愚痴、泣き言をイヤな顔せずに、「うん、うん」と3カ月ずっと聴きながら寄りそってくれました。平日夜も!
高齢の母。「お仕事つらいのに、良くやっているね。」と否定せず肯定してくれた。
女性の上司。私の気持ちを真っ正面から受け取ってくれた。哀しいときには共に哀しみ、励ましてくれた。
尊敬する大先輩の講師。上司から私の状況を聞いて、電話相談に乗ってくれた。「辛いよね~。」と同じ目線まで下がってくれて、共感してくれた。
代講を引き受けた同期の先生方。「お互い様だよ~。」とサラリと私に負担をかけないように、助けてくれた。
生徒保護者。多くの保護者の方々から、「2月に復帰されるのを親子で待ってます。ゆっくり休んでくださいね。」とメッセージを頂いた。
そして、いま休みを頂いている。擦り切れてネガティブの塊だった気持ちは穏やかになり、前向きになりつつある。
思い返してみると、「完璧にやらなければ」「全ての保護者の期待に応えなければ」「良い先生と評価されるよう試行錯誤しなければ」と力みすぎていたのかもしれない。
1月は、心が休まること、楽しいことをしながらエネルギーチャージをしたい。そして休み明けに、仕事を心から楽しめるように、子ども達の笑顔に出会えますように!
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