葛刑事の鋭い洞察力が光る！群馬県警を舞台にした渾身のミステリー短編集『可燃物』

可燃物

はじめに：米澤穂信が警察小説に初挑戦！

米澤穂信さんが満を持して放つ警察小説、『可燃物』。この本は2023年のミステリーランキングで3冠を達成！これはもう、読まずにはいられませんよね。

主人公・葛警部：謎めいた刑事の素顔

物語の中心となるのは、群馬県警の葛警部。彼は、余計なことは喋らず、上司からは疎まれ、部下からもよい上司とは思われていない、そんな変わり者です。しかし、その捜査能力は卓越しています！

葛警部の特徴といえば、なんといっても「小さな違和感」を見逃さないこと。事件の概要を聞いただけで真相がわかったような気になってしまう私たち。でも、そんな予断が事件の本質を見誤らせてしまうことがあるんですよね。その点、葛警部は違います。丁寧な捜査で、誰も気づかなかった真相に迫ります！

『崖の下』：不可能な凶器の謎

まず紹介するのは『崖の下』。スキー場で起きた殺人事件、犯人はほぼ特定できたのに、なぜか凶器が見つからない。そこで葛警部が目をつけたのは……。ああ、ネタバレはしたくありませんが、犯人が使った凶器を知ったときの驚きといったら！

『命の恩』：バラバラ遺体の真相

続いては『命の恩』。遺体がバラバラに切断されて発見された事件です。単に隠すためなら、わざわざ人目につく場所に捨てるはずがない。そう、葛警部はそこに目をつけたのです。この作品では、人間関係の機微が絡み合い、思わず涙腺が緩んでしまいました。

『可燃物』：連続放火の謎に迫る

そして表題作『可燃物』。太田市で発生した連続放火事件。しかし、犯行はいきなり止まってしまう。なぜなのか？ 犯人の姿が見えてこない中、葛警部が見いだした"見えざる共通項"とは……。言いたくてうずうずしますが、皆さまにはぜひ本書でその驚きを味わっていただきたいのです！

『本物か』：ファミレス立てこもり事件の衝撃の真相

個人的に大好きな『本物か』。ファミレスでの立てこもり事件を描いたこの作品、その意外すぎる真相に度肝を抜かれました。非常事態の緊張感あふれる展開に、ページをめくる手が止まりませんでした！

葛警部の魅力：渋さと鋭さの絶妙なバランス

ところで、葛警部って、人間味がないようで妙に魅力的なんです。菓子パンとカフェオレだけで捜査をこなすその姿に、思わず「野菜も食べなさいよ！」と突っ込みたくなりますが。そんな食生活でも衰えない推理力、さすがです。

おわりに：警察小説の新たな金字塔

米澤穂信さんは、学生ものの小説でその名を轟かせましたが、大人が主人公の作品も実に秀逸。この『可燃物』では、シンプルでいて切れ味抜群の短編を集め、警察小説の新境地を開拓したと言えるでしょう。

硬質な文体、シンプルに徹した展開、そして何より葛警部のキレッキレな頭脳。ほほぅ、と唸りたくなるような推理の数々に、きっと皆さまも夢中になることでしょう。

ぜひ、『可燃物』を手に取り、葛警部とともに群馬の地を駆け巡る推理の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。焼酎か日本酒でも片手に（飲めない方はお茶で！）、渋い世界に浸る。そんな至福のひとときが、皆さまを待っているはずです。

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