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虹をわたって

3歳の次女(Sちゃん)は、小さい頃から面白い行動を繰り返している。

それは、ソファーの上にのって「ママ~!」と手を振り、ソファーから降りて、走って私に抱きつきにくるというもの。

毎回、一生懸命ソファーにのぼっているから「Sちゃん、ぎゅーっとするだけでもいいよ」と言ったら、それじゃだめなんだって。

今日、お風呂上がりに、いつものようにソファーにのって「ママ~!」と手を振っている次女に、なにげなく「ねえねえ、Sちゃん。Sちゃんは、そうやって高いところからママを見ていたの?」と聞いてみた。

そうしたら思いがけない答えが返ってきた。

「うん、ママ、そうだよ。Sちゃんは、上から見て、ママを見つけたの。それでね、虹をシューって降りて、ママのところに来たんだよ。虹って滑り台みたいで面白いの」と、とっても楽しそうに話してくれた。

私は「そうなんだ!Sちゃん、ママを見つけてくれてありがとう」と伝えた。それを聞いて、ますますニッコニコになった次女。

遅れてお風呂から上がってきた長女(Kちゃん)が「ママ、何を話していたの?」と聞いてきたので「Sちゃんが、ママのところに来てくれた話だよ」と伝えた。

すると、長女もなぜか、当たり前のように話し始めた。

「ママ、Kはね、窓の外からママとパパが見えて、ママに決めたんだよ。でね、虹の上から、小さなクルマみたいなのに乗って、シューって降りてきたんだよ。二人でクルマに乗ってきたの」

初めて聞く話だから、私もびっくりした。

「Kちゃん、虹を降りてきたんだね!もう一人、一緒に乗っていたのは誰なの?」と聞いたら、

「えっ?Sちゃん(妹)だよ!わたしとSちゃんで来て、Kが先に降りたの」だって。

「ママがやさしそうだから、大丈夫って思って決めたの」って。

私は、面白いなー、不思議だなーと思って聞いていた。

姉妹が私のところに来てくれるって、決まっていたんだなーと思う。

長女も、次女も、すごく自然に、当たり前のことみたいに話すから、その感じも心地よかった。

その後、次女を寝かしつけていたら「ママ、Sちゃんはね、虹のところで、たくさんの中からママを選んだんだよ。それを忘れないでね」と言っていた。

「うん、忘れないよ。ありがとね」

ほんとうに不思議な、優しい時間だった。

子どもも、夫も、とても私と縁が深い人たちなんだなと感じる。

出会えてよかったね。一緒に楽しくすごそうね。そんな気持ちだ。



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