空を飛べたら良いのに。そう願わなかった人がいるんだろうか。地を這う僕らは、今日もなぜだか空を見上げる。届かぬ何かを慕うように。ただ空を。あの空を。嗚呼、今もただ一陣の風が遥かな虚空を駆け抜けた。もしも、そうもしも。僕らを包む風も空の一部だというのなら。今、僕らは空で暮らしている。

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