八幡平市のヤバい取組み”起業志民プロジェクト”
「八幡平市」―そう聞いて、一体どこなのかがすぐにピンとくる人は少ないかもしれません。
八幡平市は、いわゆる平成の大合併の時期に、西根町・松尾村・安代村が合併し成立した岩手県北西部の自治体です。
先日、八幡平市を訪れたのですが、その際、市が行っている先進的な取り組みについて話を聞くことができました。
ヤバすぎ!起業志民プロジェクト
八幡平市の取り組みの核となっているのが、完全無償でプログラミング技術を教える「スパルタキャンプ」・そして西根総合支所3階の旧議会を利用したシェアオフィス「スタートアップコア」です。
スパルタキャンプは、平成27年度の事業開始から開催も既に10回を超え、現在では応募者の倍率が10倍を超える大変な人気プログラムとなっています。
それもそのはず。
このスパルタキャンプは文字通り完全無償なのです。
通常だと、プログラミング教室は無償だったとしても、宿泊費は受講する本人負担となることがほとんどです。
それをスパルタキャンプは宿泊費も含めて無料で行っているというのです。
マジでか!
スパルタキャンプでプログラミングを学んだ生徒を次に待っているのが、スタートアップコア。
こちらのシェアオフィスは5年間無料で利用できるとのことで、まさにスタートアップにはもってこいな場所です。
スパルタキャンプで同じ釜の飯を食った(たぶん)仲間とここで切磋琢磨し…みたいな光景が浮かびます。
青春だね~。
もちろん設備も充実していて、鬼早いwi-fiに、長時間座ってても疲れないやーつな椅子に、謎に眺めの良い光景など、とにかく快適な場所でした。
ここにいれば全人類の上位1%くらいの快適さをいつでも手に入れられます。たぶん。
そしてここから八幡平市がさらに本気を出します。
こうして①スパルタキャンプ→②スタートアップコアで力をつけた人材が起業するに当たって、必要となるのが事業資金の調達です。
なんと、この事業資金の調達に関しても、八幡平市のバックアップがあるのです。
当たり前の話ですが、資金調達には事業計画がなくてはなりません。
この事業計画の策定を援助し、さらにベンチャーキャピタルへと繋ぐことも可能だというのです。
マジでか!
さらに、近年盛んなクラウドファンディングに関しても抜かりありません。
なんと、最大手のCFプラットフォーム「CAMPFIRE」を利用して資金調達に成功した場合、CAMPFIREへ支払う手数料の半額を八幡平市が補助してくれるらしいのです。
噓でしょ!?
このように、プログラミング教室→シェアオフィスで起業準備→起業資金調達まで手厚いバックアップが受けられるのが、八幡平市の”起業志民プロジェクト”なのです。
起業支援を行っている自治体は数多くありますが、稼ぐ手段から起業資金の調達まで面倒を見てくれるというのは、岩手県はおろか全国でもなかなか例を見ないものだと思います。
「将来はフリーで活躍したいけれど、今はまだいろいろなものを見たり経験したい」なんて人にはもってこいなこの制度。
言ってしまえば、当面の糊口をしのぐ手段をプログラミング教育で教え込まれ、しかも寝床も確保できて仲間もできる。
その上、意欲さえあれば起業のチャンスだってある。
これに飛びつかない人はいないですよね。いや、ほんとに。
また、スパルタキャンプ卒業生が長期滞在できるシェアハウスも開業予定だということで、人材と情報の集積が次にどのような展開を見せるのか非常に楽しみです。
隣県ながらすごすぎるぜ!八幡平市。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?