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落ちている運を拾えるように_『成功を決めるのは才能よりも運』(野呂エイシロウ 著、大和書房)

「私のために書かれた本だ!」と感じて手に取る本というものがある。この本もそうだった。

『成功を決めるのは才能よりも運』(野呂エイシロウ 著、大和書房)は、タイトルを見た瞬間に読みたいと思った。ライターとして独立したからには人様の役に立ち、どんどん仕事をまかされるようになりたい。それを左右するのは才能よりも運と言われたほうが、努力や心がけ次第で何とかなりそうな気がするから。

私の思う「才能」は持って生まれたもので、伸ばすことはできるけど伸びしろはそれほど大きくないイメージ。「運」は、自由自在に操れるものではないけれども、当人の心がけや考えかた、物の見方次第でつかむことができそうなイメージだ。

このことを、著者がまさにまえがきでそう語っていて、しょっぱなから勇気づけられた。「運は落ちているお金」のようなもので、それは心がけ次第で見えるようになるし、見えれば拾うこともできるというのが著者の主張だ。運はつかみに行くものだし、成功したいなら「運がいい」と思い込むのが大事。運を上げる方法、運をコントロールする方法もあるという。

著者のいう運を上げる方法とは、用がないのにコンビニに入らないとか、傷の舐め合いや愚痴を言うような会に参加しないなど、日常生活を送るにあたって意識しておきたい、ちょっとした心がけのようなものだ。こうした心がけは、身近にいる「成功している(と私が思っている)人」もやっている。「成功している人は運をまわりにまいている」というのもそう。

まずは最終章の最期の項目、「悩まなくていいことで悩まない」ようになりたい。ちょっとひまな時間ができると、しなくていい心配をしたり、メールの言葉を深読みしてショックを受けたりする、「自意識過剰で忙しい人」になってしまいがちだ。想像力は仕事以外ではあまり羽ばたかせないようにして、素直に物事をとらえなきゃと思う。雑念は捨てて口角を上げて過ごせば、ちょっとは落ちている運が見えるようになるかもしれない。