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『天職』とは何だ?

社会に出て何十年も経つのに今だに定職に着けてない気がしていて頭の中で常にハローワークに通っているさらさらです。

さてと……やるかnote
なんのはなしですか?
いやこっちのはなしです。

皆さんは『天職』について考えた事があるだろうか?そんなワタシはと言えば一生の仕事にするため若かりし頃にどーゆー訳か「理容師」の免許を取得したのだが、髪は切れない。
は?いや正確には、切らない。
よそ様の第一印象を決める大事なヘアスタイルをこのワタシが手掛けるなんてそんな大それた責任ある仕事はしたくない。
早い話ただのビビリである。
何故理容師免許など取得した?ワタシが聞きたい。切っていいのはダンナの髪だけだと硬く決めている。ダンナの第一印象など興味がないのでなせる技だ。
ダンナも理容師だが、お客様の髪を躊躇なくサクサク切っていく姿を横でじーっと見ていて、
「無責任になれるって強いな〜」と すこ〜し小馬鹿にしながら心の底では非常に強く尊敬している。そうワタシはビビリで繊細なのだ。
それに引き換えダンナは無神経を絵に描いたような人物だ。(良く言えば嘘が言えない)なんなら言わない方がいい事しか言わない。
大人ならそれはそれで難しいだろ!とツッコミたくなる。
道徳の評価をするならどれだけ贔屓目に見ても5段階中「2」限りなく「1」に近い「2」だろう。
精神年齢でいくと5歳くらいだろうか…ごめんよ全国の年中さん…素直だと言いたいだけだから。
でもまあそんな口の悪いダンナにもモノ好きな固定のお客様は居るもので、それなりにやっていけているから不思議である。いや有難い事である。
この家族経営のお店が続けられていてるのもおそらくお客様との会話の中でのワタシのフォローが効いているからだとしか思えない。いや、それしか考えられない。じゃなきゃ今頃うちのお店は潰れてるはずだ。
こないだなんて酷いものだった。お客様が「俺さ〜白髪増えたよね〜⁈」とダンナに聞いてきた。そんなに難しい質問ではないはずだ。ワタシは上手くやれ!と心の中で密かにダンナに声援を送っていた。それなのにダンナときたら「え〜知らんです笑」…それはそう!ワタシだって知らん、ある意味正解!でもね、そこはそうじゃない
白髪の本数きいてきたわけじゃないよね?減ることはほぼないから、増えてるだろ〜よきっと!寄り添いましょうよお客様には。
よって正解は「そうですね〜」もしくは「年々増えますもんね〜」とかだよ。内容としてはスタンダードだろ〜?難しかったか〜今の質問⁇どんな育ち方したらこんな返答になるのか教えてくれよ〜と毎回、亡くなった義母に聞きたくなる。でも義母のせいではない!優しい人だった!
そんな事はともかく、変な空気になる前にすかさず絶妙なタイミングで「ひどっ!笑」とワタシがその会話に割ってはいる。
そこでお客様の気持ちを代弁して笑い話に変換させ、お客様が遠慮なくダンナを非難できるように援助をし続けカットが終了〜。ふぅ〜…ワタシはお客様の髪を精神的不快感を残さないようシャンプーで綺麗さっぱり洗い流し、少し傷ついたであろう心も一緒にトリートメントでサラサラに〜。その後さっきの会話が無かったかのように濡れた髪と共にドライヤーで乾かしながら吹き飛ばす!やっぱりこの店に来て良かった!楽しかった!とさえ思えるような会話の流れを作り、ダンナにバトンタッチ!ダンナがカッコよくお客様の髪をセット!(何故かこれは上手い!)
ワタシはお客様の服に付いた髪の毛を取り気持ちよくお帰りいただけるよう出口までお見送り!「ありがとうございました!またのお越しをお待ちしてま〜す」
店の扉がパタンと閉まりホッと胸を撫で下ろす…
と同時にわかりやすくダンナを睨む。

そんなよくわからない会話技術をワタシは日々磨いている。


多分、髪を切るよりも髪をセットするよりも難しい技術だと思う…思いたい

はたしてこれがワタシの天職なのか……?だとしたら職種は何になる?『理容師』じゃない事だけは確かだ…
神様ワタシに『天職』を与えたまえ…………


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