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フレイルの進行を防ぐ3つのポイントを紹介!

シニア向け配食プラットフォーム「このいろ」をご紹介をした際にお伝えしましたように、今回から管理栄養士による「栄養講座特集」をアップしてまいります!ご利用者の健康管理方法や栄養に関する知っておいて損のない内容を発信していきますので、ぜひご活用ください!

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近年、高齢者は健常な状態から要介護状態になるまでに「フレイル」という中間的な段階を経ていると考えられるようになりました。

フレイルの状態や兆候を知っておくことで、その後の身体的・精神心理的・社会的に不健康になる事を予測し、予防しやすくなります。

この記事ではフレイルとは何か、フレイルを予防するためにできる事をご紹介していきます。

1)フレイルとは

フレイルは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で「Frailty(虚弱)」を日本語訳したものです。

健康な状態と要介護状態の中間に位置し、加齢に伴い筋力が衰え、疲れやすくなり家に閉じこもりがちになるなど、年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般を指しています。

この時期は適切な治療や予防を行う事で健常な状態に戻る事ができる時期ともされています。

2)フレイルを予防するには

フレイルは筋力低下などの身体的要素、認知症やうつなど精神的・心理的要素、独居や経済的困窮などの社会的要素で構成されます。

フレイルの進行を予防するには、これらの3つの側面から総合的に見て対応する必要があります。

まずは低栄養によって筋力が低下していないかをチェックする必要があります。

高齢期のBMI(体重と慎重の関係から肥満度を示す体格の指標)は中年期以前とは異なり、少し高めの方が栄養状態や総死亡率の統計からみてもちょうど良い事が分かってきました。
(※1:65歳以上の方で21.5~24.9)

中年期に行う「メタボ対策」から、しっかり食べて栄養状態を保つ
「フレイル予防」を行う事が大切です。

フレイルの最も大きな原因の一つが筋肉の衰えです。たんぱく質を含んだ食事を摂り、定期的な運動によって筋力が衰える現象の進行を遅らせる事が大切です。

さらに高齢になると社会的地位や家族の役割が変化し、家族や友人を喪失する事で気力や活気が失われてしまう事もあります。

閉じこもりがちな生活をしないように気をつけてあげる事が大切になります。

3)フレイル予防・食事についてのまとめ

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【バランスの良い食事と口腔機能の維持を心がける】

毎日の食事には特に筋肉の元となる魚、肉、卵、大豆製品などのたんぱく質や、様々な栄養素をバランスよく摂り筋肉を減らさないように心がけましょう。

たんぱく質は60歳以上の男性で1日に60g、女性で50gが推奨されています(※1)。

食事後の歯磨きは口を清潔に保ち、風邪やインフルエンザ対策になるだけでなく、口腔機能の衰えを予防する事ができます。日ごろからの歯科口腔の定期的な管理を行いましょう。

【しっかり、たっぷり歩く時間を作る】

少しの運動でも継続して行う事で死亡リスクを下げる事ができます。

天気の良い日にはウォーキングなどの運動がおすすめです。筋肉や骨の維持・形成に欠かせないビタミンDは日光を浴びる事で作り出されます

30分から1時間程度の軽い散歩を日常的に心がけ、室内でもできる範囲で体を動かしましょう。

歩くことは気分転換にもなり、血流の循環を良くしてくれますし、筋力の低下を防ぐことで、転倒・骨折で寝たきりになるリスクも軽減できます。

【お友達とおしゃべりや食事を楽しむ】

特に人とのつながりが希薄になるとフレイルの最初の入り口になりやすいと言われています。

地域のボランティア活動に積極的に参加する、趣味のクラブに入会するなど、自分に合った活動を見つける事が大切です。

人とのつながりは様々な不安やストレスを軽減し、安心して暮らすための重要なポイントです。

介護予防の観点では、高齢者ご本人や身近にいる人がフレイルという状態を知り、フレイルを進行させないための日常的な配慮を行っておくことが大切です。

参考)
※1:日本人の食事摂取基準(2020年版)-厚生労働省

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野口久美子(のぐちくみこ)
兵庫県生まれ神奈川県在住。
管理栄養士を取得した後、デイサービスと保育園の複合施設で献立作成や調理、食品メーカーでデザート開発を経験し独立。
現在はフリーランスとしてダイエットサポートやコラム執筆などで活動中です。趣味はスポーツで最近はキックボクシングにはまっています。

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