いろいろなことがあった
6月16日(日)
昨晩 眠りにつくのが遅かったにも関わらず、朝ぱちりと目が覚めた。
鳩の声だ。ぽろっぽーぽろっぽー。この低音のまろやかな声。大好き。うっとりする。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
クローバー畑は今日も元気だ。
カカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにたっぷりエサをあげる。
昨晩梱包した絵本をポストに出しに行く。てくてく歩いていると、カカオが道を横切った。
「カカオ。」と呼ぶと振り返ってトコトコやってきた。しゃがむと膝に頭を押しつけてゴロゴロ喉を鳴らす。可愛いなぁ。
青空がきれい。風が強い。雲が早く流れてゆく。
家に戻り修一郎の食事をお弁当仕立てにしておく。私がいない間の食事を作る。完成!冷凍庫に入れる。
明日の朝、出発する。片付けをしたり、あれこれ準備をする。
午後、ごはんさんと少しだけ こもれびの森へ行く。
途中の雲が もこもこ むくむくしていた。
「生クリームみたいだね。」と言った。ごはんさんが笑って
「あの とんがってるのソフトクリームだね。」と言った。
ささっと用事を済ませる。
そのあと、私は人に会うことになっていた。
地元で人気の ”ぶどうの樹” という場所。そこはレストランやカフェやコテージやチャペルがある場所だ。
誰に会うかというと、親戚のような知り合い リョウタ君だ。
彼が10歳のときから家族ぐるみのお付き合いをしている。初めてリョウタ君に会ったのは私の個展にお母さんと妹さんと来てくれたとき。そのときは私よりずっと背が低かったリョウタ君。今ではすらっと背の高い26歳の青年になっている。
そのリョウタ君が結婚をした。奥さんを連れて熊本県から会いにきてくれることになっていたのだ。
ごはんさんもご用事があったのだが、ぶどうの樹に送ってくれることになった。今日はあまり車の運転をしたくなかったので、すごくありがたくてうれしかった。
そして、リョウタ君たちと話が終わったら「迎えに行くよ。」と言ってくれた。
福岡県に来てから20年くらい。ずっと誰かの送り迎えをしてきた。自分が送り迎えをしてもらうのは初めてだ。すごくうれしかった。
ぶどうの樹の駐車場はシャボン玉みたいにトンボがいっぱい飛んでいた。
約束をしているカフェに行くと、ちょうどリョウタくんたちもやってきた。大人っぽくなったリョウタくんとニコニコした可愛い奥さまSさん。
みんなでおしゃべりをする。
リョウタ君たちはケーキとカフェラテを頼んだ。メニューの中で私にとって大丈夫そうなのはソフトクリーム。
「ソフトクリーム、豆類や海藻類、小麦粉、バニラビーンズは使われていますか?」と、聞いてみる。
面倒な質問にも関わらずお店の人がソフトクリームの素が入っている袋を持ってきて見せてくれた。原材料のところを見る。大丈夫なものばかりだった。
「大丈夫だ!やった!」と言うと、お店の人も「よかった!」と言ってくれた。
6年ぶりくらいにソフトクリームを食べた。おいしかった。
明るくしっかり者のSさんと優しいリョウタくんはぴったりだなぁとうれしくなった。いろいろなお話をしていると、あっという間に時間が経った。
「またね。」と言って見送る。
ごはんさんに連絡をすると、もう駐車場で待っていてくれた。感激。
修一郎に頼まれていたお買い物をして帰路に着く。
クローバー畑と花壇に水を撒く。ガジュマルにもたっぷり水をあげる。タニクちゃんたちにも今日はたっぷり水をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんの水槽の水を換える。私がいない間の4日間水を換えることができない。
ごはんさんが換水を申し出てくれたのだが、ごはんさんが来てくれたときに修一郎が起きれるかどうか分からない。普段、昼間は玄関の戸を開けているけれど、修一郎が眠っていると鍵は閉まったままになる。ということでウーちゃんとルーちゃんに4日間 換水をガマンしてもらうことになったのだ。
ごはんさんともう一度出かける。
ごはんさんの知人の家へ。そのあと、私がうっかり忘れていたものを買いに連れて行ってもらうことになった。
その知人の家でびっくりする光景に出会った。
庭先で、ごはんさんが慎重に連れて行った たくさんのメダカちゃんたちを分けてあげる。私も車から降りる。小さな可愛らしいお庭だった。
いろとりどりの背の低い花が庭を囲っている。芝生が敷かれていて、さまざまなプランターやハンギングバスケットがあった。
そして、可愛らしいタニクちゃんたちがたくさん並んでいた。丁寧に育てられている様子が伺える。なんて可愛いんだろう。ひとつひとつ見せてもらう。ぶどうみたいな赤い房のタニクちゃんがあった。
「可愛いですね。」と言うと、
「分けてあげる。」と言って、ざくざく切り分けてくれた。
ごはんさんのお庭でたくさん増えている多肉植物 ”おぼろ月” と ”パープルキング” をその方が分けてほしいと言った。ごはんさんは「今度持ってくるよ。」と、快く応えていた。
タニクちゃんがあっちに行ったりこっちに来たりしている。
そうやって話していると ワフワフ!と、元気いっぱいのフレンチブルドッグか走ってきた。可愛い!小さなしっぽを ぷりぷり振っている。そんなに振ったらちぎれそうだ。なんてユニークなワンちゃんなんだろう。フレンチブルドッグって。小梅ちゃんというフレンチブルを撫でまわす。可愛い。
そうしているうちにそこのご家族もお庭に出てきた。そして、
「ここにもびっくりするのがおるよ。」と言って玄関に案内してくれた。
びっくりした。
なんと、玄関ホールに吊られているお花みたいなアールデコ調のライトにツバメの巣があったのだ。
その巣の中に、もうすぐ飛び立つであろう大きさの子ツバメたちがお行儀よく並んでいた。めちゃくちゃ可愛い。作られた飾り物みたいだ。でも本物。ランプの下には大きな紙が敷いてあって、その上にツバメのフンがたくさん落ちていた。
優しいなぁ。胸が温かくなった。
巣を作りはじめてもう 6回目だということ。昼間在宅のときは玄関のドアを開けっぱなしにしているそうだ。親ツバメがエサを運んでくるらしい。
素敵だなぁ。普通の洋風の家の中にツバメの巣があるなんて。
じゅうぶん楽しんで帰ることにする。
忘れていたものを買うためにいつものお店に寄ってもらう。
お店を出て帰り道、夕焼け空がすごくきれいだった。車の中からうっとり眺めていると
「夕焼け空、きれい。」と、ごはんさんが言った。
「ねぇ〜、なんとも言えないよね。」と、私。
「雲がストライプになってて、その雲にここから見えないところにある太陽の光があたって、雲と夕焼け空でできた虹みたいだね。」と、ごはんさんが言った。
「ほんとその通り。雲と夕焼け空のハーモニーだね。」と、私。
その淡い色は だんだんと濃くなってゆき、家に帰り着く頃には鮮やかなピンク色になっていた。まだ青さを残した空にそのピンク色が素晴らしく美しかった。
細長いピンク色の雲がひとつ、他の雲からはぐれて ぽん と浮かんでいた。ウーちゃんみたいだった。
家に帰り着く。
ごはんさんに「また金曜日にね!」と言って手を振る。
修一郎が起きていたので、冷凍してある料理の場所を教えたり、レンジの使い方を教える。紙にも書いておくことにする。
いただいたタニクちゃんを鉢に植えて水をたっぷりあげる。
夜、庭に出る。
ぽつりぽつりと小さな星が瞬いている。可愛いな。クローバーたちも葉を閉じて眠っている。湿って温かい夜の空気が植物たちを包んでいる。明日の夜は実家のベッドの中だ。不思議。夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。
カカオは遊びに出かけている。
明日は私にとって超早起きだ。アラームを5分おきに10回セットしておこう。親切な小人さんが そっと消しませんように。
今日もいい一日だった。
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