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楽しみなこと
6月27日(木)
朝、ぱちりと目が覚める。私にしては早く目が覚めた。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
雨が止んでいる。クローバー畑のクローバーたちに乗っかった水滴がキラキラ輝いてとてもきれい。うっとりする。
いろいろな小鳥の声、鳩の声、虫の声が聞こえる。素敵なハーモニー。胸が躍る。冷たいお水を持って、このままお散歩に行く。
レモンさんのお庭の塀からオレンジ色の大きな花がこぼれるように咲いている。とてもきれい。鮮やかなオレンジ色が「もうすぐ夏だよ。」と知らせてくれているみたい。
少し行くと Tさんが庭仕事をしていた。あいさつをして手を振りあう。
坂道を てくてく上る。植え込みが びゅんびゅん伸びて街並みは見えない。お水を ごくごく飲んで奥の方に歩いてゆく。
山に雲が降りてきている。雲が山を優しく包んでいる。景色は霧に覆われていて幻想的だ。あちらこちらから小鳥の声が聞こえてくる。白い空。夏のネパールの朝を思い出す。ネパールに初めて渡航した当時、心象風景とネパールの風景が重なったことを思い出す。
坂道を下りていると石屋さんの TAさんに会った。いつも元気な TAさん。にこにこしながら手を振って駆けて行った。
家に帰り着く。
雨が降りだした。
カカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんに控えめにエサをあげる。
小さな複製画を4点、オンラインショップにアップする。4点目をアップし終えたとき、電話が鳴った。ぷりんさんからだ。
大切な用事で役場にいっしょに行ってほしいとのこと。もちろんOKだ。
ぷりんさんのアパートに迎えに行く。バスタオルで包まれたトゥインクルちゃんを抱っこした ぷりんさんが部屋から出てきた。
雨の中、役場に しゅっぱーつ!
並んで窓口に座る。代筆する。説明する。あれこれする。トゥインクルちゃんはその間おとなしく抱かれていた。いい子だなぁ。役場の人たちみんなが
「可愛いねぇ。」と、ほほえんでくれる。とてもうれしい。
トゥインクルちゃんを机の上に寝かせて写真を撮ることになった。
真上を向くように、私がトゥインクルちゃんの顔の上の方で、いないいないばぁ をしたり、手を ひらひらさせたり、ほっぺをふくらませたりして注意をひく。
その間に職員さんがカシャ。カシャ。と、撮影をする。無事終了。全く泣かなかったトゥインクルちゃん。えらいなぁ。
「がんばったねぇ。」と言って顔を覗き込むとトゥインクルちゃんが笑った。か、可愛い!可愛すぎる!ぶちゅ。
おんがっぴーがついた書類を封筒に入れて、近くのスーパーマーケットに行く。
レジでも店員さんやお客さんがトゥインクルちゃんを見て
「可愛いねぇ。」と、ほほえんでくれる。またまたうれしくなった。
「すごく可愛いんですよ。」と、得意げな私。
広い店内のお店 3軒に寄る間、通路をまちがえたり、お釣りをトレイごと持って帰ろうとしたり、地下駐車場に停めたことを忘れて ぐるぐる回ったり。と、ささやかなことはあったけれど、無事帰宅。いっしょにおやつを食べたいところだったけれど、仕事があるので帰ることにする。
家に帰ると修一郎が起きていた。
食事の支度をする。
仕事をする。
数日前、紀伊国屋書店さんから注文があった。「ジャラマッラ インドレニ」。ネパール語版のメチャくん絵本「にじ」だ。最後の1冊があると思っていたら、なかった。そうだ。あげてしまったのだ。
ふと、来月クリシュナさんが来日することを思い出した。今回の注文分はキャンセルになったが、今後のために少し持ってきてもらおうと考えつく。
そのことを伝えると、OKだった。そして、滞在は明日から1ヶ月間だった。伝えるのが ぎりぎり間に合った。福岡に来るのは最後の方になるだろう。
夕方、ごはんさんとお買い物に行く。
ごはんさんには とても見てみたいものがあった。それはアンドロメダ銀河だ。
私は昨年「アンドロメダ銀河を見た。」と思っていたが、話を聞いていると なんとなく方向がちがうような気がする。
地上でも天空でも方向音痴なのだ。
それで今度、双眼鏡でアンドロメダ銀河を見よう。ということになった。素敵だ。すごく わくわくする。ちょっと調べてみる。
双眼鏡では、ペガスス座の四辺形から、アンドロメダの姿をたどり、腰のあたりでカシオペヤ座側に少し視野を動かせば、ぼんやりした細長い楕円の光の広がりが眼に入ってくるはずだということ。
「梅雨が明けたらだね。」と話す。とても楽しみだ。
家に帰るとカカオが待っていた。私の椅子に座って一生懸命毛繕いをしている。その側に置いてあるカカオお気にいりの まるいソファに座る。カカオが私の膝に乗ってきた。ごろごろ喉を鳴らして本当にうれしそうだ。私もうれしくなる。
「カカオ。」と、甘い声でささやく。
カカオは目を細める。ごろごろ喉を鳴らしすぎて、唾液を飲み込むときの音が ごきゅ。ごきゅ。と大きく響いている。もう一度
「カカオ、大好きよ。」と、頭を撫でる。すると…
ぐおぉおおぉおえぇぇ
と言って、すごい顔で私の膝の上で吐いた。毛玉たっぷりだ。猫は毛を舐めすぎると吐くのだ。
ぎゃぁああ…
エプロンワンピースから、カットソーから、足元へ、毛玉入りの液体が流れていった。ぜんぜんロマンティックじゃなくなった。
夜、庭に出る。雨が降っている。虫の合唱が聞こえてくる。深く暗い夜の色。アンドロメダ銀河を見るのが楽しみだ。夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。
カカオは すっきりした顔をして遊びに出かけた。
今日もいい一日だった。
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