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おっさんだけど、仕事辞めて北海道をチャリ旅するよ\(^o^)/ Vol.10 

2024 0629 Sat
 
そんなことは滅多にない、いえほとんどないのですが…。
その日、いつものようにテントで目を覚ましました。テント内は7月の陽光で明るく満たされ、幾種類もの小鳥の声が渓の水音と共に聞こえてきます。
と、気が付けば、わたしは歌っていました。いや、口笛を吹いていたのでしょうか? それとも、頭の中で音楽を流していたのでしょうか? いずれにしても、わたしは起き抜けのテント内で、音楽を流しているかのようにほとんど踊りかけていたのです。

山の民話などで、歩く大岩魚の話が出てきたりしますが、あれってまんざら嘘じゃないかもしれませんよ。釣ったことのある人ならわかりますが、岩魚は身体が太く、“立つ” ことができるのです。ちなみに、同じ渓魚の山女は身体が細く、“立つ” ことができません。


そのうち、本当にその音楽を聴きたくなってきました。YOUTUBEで音楽を掛けようと思ったのですが、曲名がわかりません。桑田佳祐が歌っていることは確かなのですが、曲名はさっぱり思い浮かばず…。しかし、現代は異常に便利です。“桑田佳祐 サビの歌詞”で検索すれば、曲名がヒットするはずです。わたしはイントロから歌い始めました。そして…。一向に、ホントにほとんど歌詞が浮かばないのです。Aメロ、Bメロ、サビ、なんならCメロ…、曲は完全に知っています。なんとなくの歌詞や英語の発音はわかるのですが、いざ検索するとなると心もとなくて…。しかし、それでもさすが現代日本。一発でヒットしました。
桑田佳祐、今でも君を愛してる。
なんともイカしたタイトルです。

リリーフランキーが描いた絵本『おでんくん』の2冊目のタイトルは『愛ってなんですか』。わたしの知る限り、リリーは独身です。思うに、愛について考えること自体がナンセンスなんですよね。“Don't think , Feel!!” っていうか。ちなみに、『おでんくん』1冊目のタイトルは『あなたの夢はなんですか』。イカしてるぜ、リリー!


テントの中で『今でも君を愛してる』をMAX音量でかけ、そして外に出ます。想像通り、いや想像を超えた青空。まだ6時過ぎなので、温度も湿度も高くなく、ただひたすらに清々しい青空が広がります。椅子に腰かけ、『今でも君を愛してる』をリピート。そうこうしているうちに催してきたので、トイレに向かいます。トイレの中でも爆音で『今でも君を愛してる』。もちろん歌いながらです。リロードしたときにページが読み込めないのを見て、改めて思います。
“そうか、ここは新潟の山奥なんやな”
と。

渓の中に7時間居て、というか2日半で通りかかったクルマはたったの2台。ここはアラスカ? はたまたカムチャツカ? って感じです。最高に贅沢できました。 


山奥にくわえ、道がドン詰まりなので、ごくごく一部の登山客しかここを通らないのです。だだっ広い駐車場のど真ん中にテントを張ったのですが、そこにはもちろんわたし独り。昨日も同じ場所にテント泊したけれど、もちろんわたし独り。大声で歌おうが踊ろうが、ドアを開けたままクソをしようがお構いなしです。端から端まで100m以上ある駐車場の北側はネット接続ができ、南側にあるトイレ内は圏外となります。というか、最後の民家から5km以上は離れているのにネット接続ができるのです。本当に日本恐るべしですな…。

なにも考えずに撤収作業をしていて、ふと気付いてビックリしました。この散らかり具合。わたしは本当に整理整頓ができないんですね。


今朝が景気よく晴れたからか、それともこの素晴らしい大自然のど真ん中に居るからか、はたまた昨日、居るはずのない岩魚が、なんなら山女までが釣れたからか…。異常にテンションの上がったわたしは、
“2日かけて東京に戻る予定やったけど、なんやったら今日250km走って1日で帰ったろかな?”
くらいの気持ちで出発しました。もちろんそんなレーサーみたいな真似ができるはずもなく、夕方ようやく三国峠をクリアしたわたしは、20時過ぎに半泣きでようやく前橋の漫画喫茶に到着するのですが…。

乾いているはずのチャリバッグから、いつまで経っても水が流れ出てくる。怖くなって徹底的にバッグを探すと、アジア旅行に出る前に新調し、ソッコーで失くしたはずのメガネが出てきました。しかも、ケースに水が満載で…。不思議なことってあるもんですね。


P.S. 『いまでも君を愛してる』 実際に聞きましたが、やっぱり歌詞はさっぱりわからなかったです。流石ですね、桑田佳祐。

結局、『今でも君を愛してる』という歌詞はこの歌の中に出てきません。桑田佳祐って、皆にウケるわかりやすい楽曲を作っているようで、なんかどこかに尖っている部分があるんですよね。長渕に喧嘩売ったりするし…。


 

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