墓 沖縄 2日目

9月4日(火)

2日目、ホテル一階のレストランで朝食を食べようとするが、システムがよく分からずウロウロする。
コーヒーマシンからコーヒーも出ない。誰もいない。
しばらくして奥から小太りな、おじさんとお兄さんの中間地点にいるような男性が歩いてきた。
いろいろ尋ねるもいまいち話が通じていないっぽい。日本語が通じていない?
全員で「?」となっていたら中間地点さんは無言でコーヒーマシンを直してくれて、奥の台所から目玉焼きなどがのっけられた朝セットの皿を運んできてくれた。米とパンなどはそこらへんに置いてあるので自分で運ぶ。

テレビでは変わらず台風についてのニュースが流れている。
沖縄の天気はくもり。
もしかしたら今日はどこかで雨が降るかもしれない。


本屋はなかった

朝10時頃、洋書を売る本屋があると調べたので「プラザショピングセンター」まで行く。到着するが、施設内に本屋が見当たらない。
いくら探しても見当たらない。googleの店の案内には出て来るのに。営業時間も、外観写真も…
たまたま施設の案内所のような場所を見つけたのでおばさんに聞いてみる。

案内所の後ろの壁に下げられた、くしゃくしゃになった店舗移転案内の紙を私に見せてくる。
どうやら元あった本屋はバラバラになって1、2、3階にジャンルごとにちりぢりになって実店舗はなくなってしまったらしい 。
洋書のコーナーが入っている店舗を教えてもらって向かう。

開店時間を過ぎているのに店の中が真っ暗。な〜〜〜

諦めた。
プラザショッピングセンターあたりをちょっとだけ歩いてみる。

とくになし。

今日はいくつか行きたい史跡がある。


木綿原遺跡

マップにピンを落としていた「木綿原遺跡」まで車で向かう。

見てのとおり、今では野原に石碑が立っているだけ。
ここは、沖縄ではじめて先史時代(書物などの記録として残っていない時代)の箱式石棺墓が発見された場所で、沖縄の墓の歴史を紐解く上ですごく重要な場所となったらしい。
2200〜2300年前の人間が、死んだ人間をどう扱っていたのかがわかるって単純に変なことだな…と野っ原に1本立った石碑を見て思う。
なんで知りたいと思うのかも、なんで自分がここまで来たのかもよくわからない。

この海っぺりにも墓がある。なんかすごいいろいろ置いてある。

すぐ隣には米軍の基地がある。

砂浜に通じる道が1本ある。

風がつよい。
沖縄に来てようやっと海を見た気がする。

砂浜には誰もいないが、誰かがつくった貝の集まりエリアが残っている。

この砂浜にあって当然の物体の貝殻だが、こうやって人為的に揃えられたり、並べられたり、選んでいるのを見て人がいたことを感じ取るのが好きだ。

このこんもり盛られた砂山と、タイルのような貝殻が突然ふと現れただけなのにこんなに楽しい。
車に戻る。

同行者の知人の店に寄る。
写真は店に置いてあった米軍基地のフリーペーパーのようなもの。


昼飯はハンバーガー。

となりの席では男女複数混合ウェイパリピくんたちがiPhoneで撮った写真を見返しながら昼飯を食っている。夏の思い出って感じで趣がある。
そんなことよりもハンバーガーがうますぎて自分が何を話していたのか忘れた。店の名前も忘れた。


仲原遺跡

その後1時間ちょっと、車で沖縄の右側のはしっこまで行く。
目的はうるま市の端の端、仲原遺跡(なかばるいせき)だ。

うるま市につながる長い橋をまっすぐ走る。
たぶんそのときは14時半くらい。
今日のどこかしらで天気が崩れそうだったがそんな気配はまだ無い。
目的地周辺まで近づいてきた。
あたりは畑だらけで、「ここ通っていいの?ロード」を次々に進んでいく。
着いた。

なんか入り口にギャートルズ感のあるオブジェがある。
(これは必要ですか?)


仲原遺跡は縄文時代の村の跡。竪穴式住居跡からは人骨や土器、叩き石や磨り石、装飾品などさまざまが出土している。

住居跡にはひとつずつ、壷に模したような形のキャプションが近くにあり、復元前の発掘時の写真とともに解説されている。

廃屋墓なんてものもあった。

住居として使っていた場所を人を埋葬するための場所に変え、しかも全体図を見ると村の端に位置するわけでもなさそうなので、生活の結構近くに墓(としたもの)があったんだな〜とぼんやり考えていた。
住居の中には入れるっぽいが、入り口のでか葉っぱ、

草むらに立った「ハブ注意」の立て看板を見てやめた。


ワープ先の伊計ビーチ

さっき木綿原遺跡の近くで海を見たとき、せっかくなのでちゃんとしたビーチも見てみるかという話になり「伊計ビーチ」に行くことにした。
入場料がいるらしい。声のデカい受付の人間に払う。
自分たちだけが水着を着ていない。

突然この場所にワープさせられたような気分になる。自分たちでここに来たくせに。いい感じ。
波の音でも聴こうと思ってもJ-POPの三味線アレンジ(最悪)が常に流れている。よろしくない。
でも波の色がすごくきれい。
波にさらされた3人の死んだ海藻をずっと見る。

砂浜ではその死体をかき集めて処分する人たちがいる。

台風で海の底にいたはずのやつらが打ち上がってしまったらしい。
単体で見るとクリスマスのオーナメントのようでかわいい。

まだ海水に触っていなかったので手のひらを浅く沈めてちゃぷちゃぷする。
ひんやりという程ではない。人が遊泳しているので。
手も舐めてみる。海水を実感したので売店に移動する。

売店で買ったブルーシールアイスを食べながら次の目的地をなんとなく決める。が、やっぱりまわりの人間はみな海水でビショ濡れで水着を着ていて、やっぱりどうも私たちは浮いている。当たり前だけど。


この状況もまた、「それをするために」「そのための格好をしている人たち」がちゃんと居るから感じ取れる違和感だなと実感していた。
結構はしっこの方まで来たので、せっかくだし近辺でおもしろスポットがないか探す。


ジャネー洞に行きたかった

「ジャネー洞」という自然に出来た洞窟があるらしい。
正式名称は「藪地洞穴遺跡」。縄文時代の土器や貝殻等が発掘されている。
伊計ビーチを後にして車内に戻り、目的地をナビに追加しようとするがgoogle mapに道が表示されないのでとりあえず近くまで行ってみようとのことで出発する。
藪地島まで走る。表示されている道の、行けるところまで行くが、やっぱり道が途切れている。

途切れている、というかいきなり舗装されない道になっていてなんだか不安になってくる。

一度降りて、草むらを覗き見るが先がよく見えない。
車で入っても戻れるかも分からないので、進むのをやめてしまった。
(自分で撮った写真をあとから見ると、途切れた箇所は記憶よりも鬱蒼としておらず普通にズンズン進めそうだった やっぱり印象で覚えるからあてにならないな〜と思った)

帰ってから他の人の写真を見てもあの道が正しかったのかいまいち分からなかった。
地元の人が拝所として使っているとも書いてあったので無理しなくて、まあいいか…。
もうその時は16時過ぎていたし、もう少しはやい時間に着けば奥まで行く気になったかもしれない。
急いで次の行きたいリストに入れていた「勝連城跡」に向かう。


勝連城跡

中城城跡のように丘陵をズンズンのぼる。
上に向かうにつれて道が細く、急になる。めちゃくちゃ歩きづらい。
城の少ない兵力でも乗り込んできた敵を叩きのめすための様々な工夫が見て、というか実際に登っているので身体にとるようにわかる。

ここで自分のデジカメの充電が切れぎみになっていることに気づく。
ついでにバッテリーの充電器を家に忘れていることにも気づく。
やってしまった〜と思いながら、頂上の郭のヘリに止まった鳥を撮っていた。

中城城跡同様、街がすべて見渡せるくらい高い位置にある。
頂上の郭のド真ん中にはぽっかり穴が空いている。

「玉ノミウヂ御嶽(うたき)」という拝所の跡。
この勝連城跡にはここだけでなく上から下まで要所要所に拝所の跡が残っている。
「玉ノミウヂ御嶽」のこの大きな石は勝連を守る霊石で、このデカい穴は下にある別の拝所まで繋がっているという説もある。(攻め落とされたときに城主が逃げるためとか書いてあった気がする)
かっけ〜〜

他の拝所では「火の神」を祀っている場所、元旦に水量を見てその年の作物の出来を占う井戸(水が少ないと豊作らしい)、縁結びの井戸(そもそも女性が外をうろつけることがなかったから、男性と接する場所は水を汲みにくるために来るこの井戸くらいしかなかったから云々)等々、いろいろと崇拝文化が知れる城跡になっている。
入り口でARで当時の人たちの生活が見れるサイトへのアクセスQRコードがあった(中村家住宅でもあった)が、やらなかった。
解説の文字だけ読んで実際に肉眼で見ながら想像したほうが楽しくないのかな。


シーサイドドライブイン

あんまり腹は減っていないが、たぶんおそらくきっと1時間後くらいには減りそうなので、「シーサイドドライブイン」というレストランに向かう。


着いた頃にはいい感じに日が暮れているかなと思ったが、まだちょっぴり明るく、もう少し暗くなってからネオンを見たいなと思った。
当然ドライブスルーもできるが店の中が好き〜!な感じが過ぎたので、テーブルに座る。
この、同じ種類のオブジェクト(水槽・テーブルなど)がポンポンポンと適当に配置されている感じ、ゲームのようですごく好きですね


私はフライライス(焼き飯)のセットを頼む。
他にも何かあるかなと思ってメニューを見たら「タコスボール」があった。
オーダーを取りに来た店員さんに「タコスボールってなんですか?」と何気なく聞いたら、早口で「タコスってご存知ですか?それが中に入って、揚げられています。」と教えてもらったのでついでにそれも頼む。

先にセットのスープがくる。

なんのスープだろう?コーンポタージュじゃない、これは?うまい!でも、これは?と思いながらすすっていたら、私の席から以前この店がテレビで特集されていたときのビデオが見えた。
どうやら今すすっているこのスープが名物らしい。ふーん
フライライスは本当にうまかった。

タコスボールも教えてもらった通り、タコスが中に入っていて周りが肉で揚げられていてうまかった。
またこのフライライスを食べるためにここまで来るのもいいなぁと考えたが私は免許をとるつもりが一切ないので、どうにかして…

外に出るとやっと雨が降っている。

別に降って欲しかったわけではないけど、台風の影響が今だになかったので、「やっとか〜」と思ってしまった。
小走りで車に乗り込む。


だいたい20時ごろ、ホテルに一度戻り近くのスーパーまで散歩する。
なんかいろいろおかしを買い込む。
少し個人的な話です。持って来た下着の数が足りないことに気づき、2階の衣料品コーナーでパンツを間に合わせで購入した。スーパーの衣料品コーナーで何かを買うのは数億年ぶりのような気がする。どれが1番マシなものか、選ぶのにそこそこの時間がかかった。

おみやげよりもこういう物が旅の思い出になるような気がする。


ひよこ


それと、今書きながら思い出したことだがなんかこのひよこの小さいUFOキャッチャーが多い。なんで?
今日の朝行こうと思っていた本屋がある「プラザハウスショッピングセンター」にもあった。ので、それを見かけるたびに1回100円なので300円投入して遊ぶという決まりをつけた。
もちろんスーパーにもあった。家にはこいつらがいます。いらね〜

ホテルでの寝るまでの暇つぶしに投げて遊んだりをした。

寝た。

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