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26歳サラリーマンの読書記録 #56|永遠の旅行者

おつかれさまです。たにしマン(@millionworkout)です。

「マネーロンダリング」が面白かったので、続けざまに「永遠の旅行者」を読みました。

上下2巻に分かれています。

「永遠の旅行者」とは、世界中を転々とすることで、どこの国にも属さず納税義務を負わない人・ライフスタイルのことです。

マネーロンダリングは、大金を得ようとして脱税をたくらむ登場人物が次々に破滅する話でしたが、永遠の旅行者では自分も金は要らないから税金だけは納めたくない人間の物語です。

ハワイ、ニューヨーク、伊豆、新宿を行ったり来たり。登場人物も大量に出てきます。また、金融要素以上に司法要素が盛りだくさんです。そして、今作でも何人もが凄惨な死を遂げます。

まともに税金を払っていたら、相続税対策が必要になるような資産は残せない。金を払わないから金が貯まるんだ。成功した人間ほどそのことを知っている。

「永遠の旅行者(上)」.橘玲.株式会社幻冬舎.平成25年

金融要素のメインは、相続税対策です。金持ちほど税金をとられるのが日本の仕組みです。

作品の中でも言及がありましたが、相続税だけはほかの税金と性質が異なっているようです。

というのは、相続財産とは所得税や住民税を納めた後に残った資産であり、相続財産に課税することは二重課税の最たるものだということです。

真面目に働いて国のために税金を納めてもなお、家族のために貯めた財産を最後に国にもっていかれるのには多くの人が違和感を抱いてる気がします。

主人公は戦後日本に見捨てられて極寒のシベリアで過酷な労働を強いられました。その後日本で20億の財産を築きましたが、どんなに頑張っても5億くらい国にもっていかれるのであれば、全部財産を放棄したほうがマシだと考えたのです。

やはり、恨みを持って生きていると、経済的に合理的でない判断を平気でするものです。金が絡んでくると、より多くの人を巻き込んで破滅してきます。

「感謝の気持ちをもって」などというと完全に偽善にしか聞こえませんが、自分のために「感謝の気持ち」を利用することも大切です。国への寄付だと思って納税しつつ、感情に縛られずに生きていきたいと思いました。

まあ、資産も子供もないのに相続税のことを考えても仕方ありませんが。。。


そういえば、本作の中でニューヨークのホームレスについて詳細に描かれている部分がありました。私が入院しているときに同部屋だったおじさんがアメリカでホームレスをやっていたと言っていたのは、どうやら嘘では無いようです。宗教的な思想からホームレスを保護する団体が多数あるのですね。なるほど。

以上です。


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