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『探偵は絵にならない』もう一つのあとがきというか何というか最近の話とか
さてさて、こんばんは。今夜は『探偵は絵にならない』発売以降の雑感とここ数日の出来事なんかをパラパラと書いてみたい。言ってしまえばもう一つのあとがきみたいなものだ。
とはいえ何から書いたらいいのか。
そう、発売当初はこの作品がどう受け止められるのか、少し不安もあった。なにしろ、自分のメインカラーといえる黒猫シリーズにはじまる男女バディの恋愛ミステリとはだいぶカラーがちがう。
作家となって9年も
2019年は百合ミステリも熱い
早川書房の『SFマガジン』で百合SF特集を組まれたのをきっかけに百合SFが今年すごい勢いであるのは皆さん周知のことと思うのだが、じつは百合SFなみに2019年は百合ミステリーも跋扈した年でもあるのではないか、とまだ1年を締めくくるには早いながらも思ったりする。
まず、講談社タイガから発売された阿津川 辰海『紅蓮館の殺人』。山火事によってクローズドサークル化された館で起こった死が事故死か殺人か
最終回 花粉症のお誘いをことわり続ける男
なんと今夜はココダケ話の最終回です。それなのに、こんなタイトルで話すことになってしまいました。いいのかな…まあ一番票数多かったのでいいんでしょうねきっと。
ではさっそく本題に。
「あ、それ花粉症だよ、ぜったい」
いつ頃からだろうか、たぶん二十代の半ばくらいからこんな声をよくかけられるようになった。春先に鼻がちょっとむずっとしたり、目がかゆかったりすると、まあ決まってそのようなお誘いを方々でいただ
第二十四回 音楽は去勢されたのか
2011年以降の音楽シーンについて、その世界にいるわけでもない物書きがモノ申すのはミュージシャンや音楽好事家からすればシャラクサイといったところかもしれないが、それが物書きという生き物なのでご容赦願いたい。
もっとみる第二十三回 風邪ひいた感想
アンケートでなぜか「風邪ひいた感想」が一番票を集めてしまったので、新刊発売時期にも関わらず新刊をさしおいて風邪ひいた感想を書きます。
まず、はじめに風邪と自分の関係性から書いておきたい。大学の終わり頃から風邪とのあいだに距離を置くようになった。というのも、周囲が万全の状態で看病してくれるような状況が整っていないかぎり、風邪なんてひく価値はまったくないことに気づいたからだ。
それゆえ、その頃編
第二十二回 来年以降の予定でも
こんばんは。今夜のココダケ話は、12月8日発売となりました『人魚姫の椅子』の話でも…と思ったのですが、Twitterアンケートの結果来年以降の予定を言っておけと言われたのでそうすることに。
とはいえ、来年以降の話をするにも、やはり現在発売中の『人魚姫の椅子』の話はしなければならない。(それに予定だけ語っていたら十行くらいで終わってしまうし。)
この小説、たぶん「読み応え」とか「読後の重量感」とい
第二十一回 アリエナイ世界へ
こんばんは。寒くなってきましたね。うちは今日からストーブを出しました。皆さんも本をめくる手は簡単に冷たくなりますので、適度にコーヒーなど温かい飲み物をお近くにご用意くださいませ。
さて今夜は『恋路ヶ島サービスエリアとその夜の獣たち』について。単行本でこの本が発売されたのはかれこれ一年半以上(?)前になるのかな。あの当時はしょうじき行き詰っていた時期だった。と言ってもアイデアが枯渇するとかそういう
まだ観ていない『君の名は。』について
寒くなってきましたね。そうでもないかな。でも暑くなくなってきましたね。どうなんでしょうか。あなたのところはどうですか? 僕の部屋はとりあえずエアコンガンガンかけてます。つまり、暑いです。なぜならパソコンがあるからね。すぐ熱をもってしまう。で、一日中PCの前にいると暑いわけです。電熱ヒーターの前にいるみたいな感じなので。
閑話休題。最近考えていることについて。こうやって改めて書くとき、たいてい何を
第十九回 家の周りの気になること
今日アンケートで1%差で家の周りの気になることが1位になったのでそれを書こうかなとおもったんだけど、しょうじき予想してなかったので気になることがまるでない。でも書きますよ。詐欺になっちゃいますからね。
しかし今回はきわめて接戦でもあったので、日を分けて「まだ観ていない『君の名は。』について」も近々書きますね。アイプロミスユー。
では本題、いきますよ。
第十八回 『俗・偽恋愛小説家』こぼれ話
こんばんは。こぼれ話ということで、今夜はこぼしていきたいと思います。と言ってから、何かこぼれ話にふさわしいような話があったのかと考えていたのだけれど、まったく思い浮かばない。それで、執筆の時期を振り返ってみることにした。
そもそもこの「俗」なんだけれども、「偽恋愛小説家」刊行から次の連載始めるまでにちょっと時間が空いている。なんで空いたかというと、前の担当の方がべつの出版社に移ってしまい、朝日
即興断篇「まな板の上の恋」
高橋さんと出会ったのはかれこれ半年ほど前のことになる。銀座の、とある鮨屋のカウンターで三十分ほど一人で飲んでいたら、主人が私にこう言った。
「今日の寿司はいつもとだいぶ味が違うはずだよ」
そのとき私が頼んでいたのは鮗、鰤、赤貝、鮪だった。いつも美味しいからこそ通っているのだが、そこまで言われると何がどう違うのかと気になってしまう。で、尋ねた。
「いい魚がとれたんですか?」
ところが彼は首を
第十四回 どう読むか、どう書くか
さっきTwitterでアンケートをとらせていただき、「本の読み方、書き方とかそのへんの話」を書いてほしいという方がいちばん多かったので、そうでない方もいるでしょうが(まあ今後のことはまた今後も語ると思いますし)、今夜はこんなタイトルで書いてみたいと思う。
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