雑感 拒食症から20年

夫が脂肪肝になりまして。
野菜たっぷり低糖質メニューをゆっくり食べる、甘い飲み物を摂らない、タンパク質をしっかり、とかなんとか勉強して一緒にやること2週間。
するする順調に痩せる夫を見て、

お、お付き合いしている私も痩せてるんじゃね?(にこにこ)なんて体重計に乗ると
べっつにいっこも痩せてない減ってない。なんでだよー!

でもまぁ元々の体重や食事量が違うもんね。
言うて私そんな太ってないし。

「そんな太ってないし」?

162センチ55キロ。
標準体重ですね。
肥満ではないが「痩せ」てはいない。

本当に何気なく思った「太ってない」に、自分ではっと驚いてしまった。
正直、妊娠中を除けば人生MAX体重だ。

でもまあ産後にするする体重が戻り、娘とスイーツ三昧、運動もしていないなかでこんなもんで済んでるならラッキー、と言い聞かせて
なるべく体重を計らない、気にしない、そっちに引っ張られないほうを重視してきた。温泉や銭湯でしか体重は計らないようにしていた。
太ることより摂食障害おかわりのほうがこわいから。
だからしばしば体重計に乗る生活っていうのも20年振りだ。

摂食障害もアルコール依存症もワーカーホリックもニコチンとカフェインの多量摂取もとにかく私はアディクションとして生きてきた。
どうにか依存先を分散したり断ったりすり替えたり勉強したり破綻しないように、戻らないように。出来る工夫は片っ端からやってきた。

衝動や認知の歪みは自分でコントロールできない。気合いで癌が治せないのと同じ。意志の強さでどうにかなったりはしない。病気だから。

しばしば体重計に乗ること。
自分の身体や容姿に向き合うこと。
その上で、特別優れてはおらず痩せてもいない自分を気負わず「こんなもん」と思えること。
その普通な感覚が、持てる日が来るとは思わなかったな。

もし現役のころ「あなたは摂食障害が治って、162センチ55キロになります」と聞いたら「死んだ方がマシ」と思うに決まっているけれど
病んだ45キロより健康的な認知の55キロで生きていくことのほうが難しくて、普通で、普通ってやっぱり難しい。

体重や体型のコントロールに意識がいかないようするあまり、投げやりに身体を置き去りにしてきた感覚もあったけれど
もしもう引っ張られないなら
家族の健康管理に乗っかるかたちでも、私も自分の健康に取り組んでみたい。
私も私の身体に優しい食生活が出来るのかもしれない。

しれないな、と顔を上げたら
あれから20年が経っていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?