書く習慣1ヶ月チャレンジ・DAY9「最近泣いたこと」
昨年末、ある曲を聴いて泣いた。
曲を聴いて泣くことは、自分にとってはあまり珍しいことではないし、涙が出るその理由をうまく言語化できないのもまた常だ。
しかし、こんなにも泣ける理由を、ちゃんと言葉にしたいと思ったのは初めてだった。
だから、このタイトルでこの曲の話をしようということは一瞬で決まっていたのに、気持ちばかりが先行してしまうが故に永遠に言葉がぐるぐると輪廻転生を繰り返してもう1月も下旬至ったことに、自分自身衝撃を受けている……
しかし、ちょうど先日この曲が100万回再生を達成したということで、勝手ながら良いタイミングだと感じ、脳内でとめどなく輪廻転生する言葉たちに区切りをつけ思い切って記事にしようとした次第である。
その曲というのが、これだ。
これは、オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」を経て昨年11月にデビューしたグローバルアイドルグループINIのうちの、池﨑理人くん、田島将吾くん、西洸人くんの3人「ドス鯉倶楽部」によるユニット曲。
何がすごいって、もう全部すごいと思うのだが、3人が作詞してるっていうからもうなんか目の玉どころか顔のパーツ全部飛んでった気がしてこだまみたいな顔して泣いた。
理由の一つはまずこれだ。
デビューしてまだ1ヶ月。
しかも、この作詞をしたのはまだデビュー準備をしている時期であるということから驚きだ。
アイドル歴0日の彼らが、ファンを想って書いたとんでもない完成度のあまりにも優しい曲。
すごいものに出会ってしまった。
“いつもの場所、君との待ち合わせ場所、あの日の約束は永遠に今も……”
愛する人を残したまま、暫くの間遠くへ離れなければならなかった主人公が、約束を守りに舞い戻ってきてくれるようなストーリーを思わせる、優しい歌詞だ。
2021年6月、INIは誕生した。
その後すぐに、デビュー準備が韓国でおこなわれ、ダンスレッスンやMVの撮影等、メンバーはかなりハードなスケジュールをこなしていたという。
毎日毎日、自分のデビューを願って投票を続けてくれた国民プロデューサー(ファン)たちとは、暫しの別れとなった。
望んでいたデビューとはいえ、ただでさえ慣れない生活とハードな練習で疲弊していたであろう毎日、楽曲制作の時間を見つけるのも難しかっただろうし、時間があれば休みたいくらい体力的にも限界だったはず。
それなのに、彼らはファンを想いこんなにもあたたかい曲を紡いでくれていたのだ。
その想いを想うと、涙が止まらない。
話は飛ぶが、この3人は、オーディション中の「ポジションバトル」で同じチームになり(そのチーム名が「ドス鯉倶楽部」)曲を書き披露したことがある、という特別な絆を持つ3人だ。
オーディション中ではあったが、あの時の3人は、たしかにひとつのチームだった。
当然チームの中で順位も決まるし、デビュー枠を勝ち取るために闘うライバル同士であることは事実だ。
しかし、経験者が故お互いの葛藤もプライドも作品への想いもわかるから、相手の気持ちに寄り添い支え合う田島くんと西くん(このときは、慣れないラップに挑戦する西くんを田島くんが支える場面が多かったが、後にまた3人がGoosebumpsという曲で同じチームになったとき、田島くんの様子がおかしいことにいち早く気付き、その涙を全身で受け止めてくれたのが西くんだった)。
そして、そんな様子を見て、「自分も何らかの形で2人を支えたい」と決心する池﨑くんの姿は、めちゃくちゃに愛おしくて美しかった。
(こんな世界、ハイキューでしか見たことなかったよ…… ここ、烏野????)
まるで同じ高校で青春時代を過ごす3人のように無垢な輝きを放ち、それでいて、最高のステージをつくるためには決して妥協を許さないプロの姿勢を持ち続ける3人の軌跡は、オーディション中の練習生たちを見ていることを気づけば忘れてしまうくらい、もうそこにはたしかに、「アーティスト」としての魅力と存在感があった。
そうして迎えた本番のステージでのパフォーマンスは、圧巻だった。
そこにいた彼らは、決して「練習生」ではなかったから、順位がつくことがこんなにも酷なことなんだと思ってしまった。
結果発表の席に座る3人も、同じ気持ちだったのだろう。
「3人でやれて本当によかった」
涙が溢れてしまう池﨑くん。
こんなにも素直でかわいい弟のことを、2人の兄はどれほど大切に思っているのだろう……
悔しさもある、それでも、3人で過ごした時間をこんなにも愛おしく思う3人の姿があまりに美しくて、
何度も何度も、見惚れてしまった。
私がこのポジションバトルを見たのは、もうすっかり番組は終わってしまった頃で、しかももう彼らのデビュー曲が発表された後だった。
もう3人が全員INIに選ばれることを知っていた私は、
「一緒に過ごした時間をこんなにも大切にするこんなにも素敵な3人だったから、またこうして出会えたんだよ……」
そう思わずにはいられなかった(もちろん、11人には選ばれなかったメンバーも皆、絆を大切にしていない子などいなかったから、オーディションは本当につらいなとも思ったのだが)。
これは重要な余談だが、Goosebumpsチームで、
「あのとき、自分がチームのため結局何もできなくて、申し訳なさもあるし心残りでもあった、だから絶対何かこのメンバーで役に立ちたい」
という理由で、池﨑くんはリーダーに立候補した。
チームの中で何かのポジションをやるのは、大きなアピールとなる。特にセンターはカメラに抜かれることも多いわけで、最終的に11人という枠を勝ち取るために、ダンスや歌の経験者でなくともセンターに挑戦し輝きたいと思う練習生たちの気持ちは、あって当然な世界だ。
それなのに、センターではなくリーダーに立候補し、その理由が、「今度こそ何かメンバーの役に立ちたかったから」……
あゝ……
私は目頭をおさえて天を仰いだ。
この子は、絶対にグループに必要な子だ。
しかし実際、リーダーとして活動する中では、焦りからチームがバラバラになった時期にリーダー崩壊(本人の言葉を借りました)を迎えてしまったことがあったが、その時支えてくれたのが西くんだった。
「大丈夫だよ理人だから」
「大丈夫、強いから」
(おそらく部屋まで彼を送り届けて)そう言う西くんの姿からは、大切な仲間であり愛する弟への全面的な信頼と深い思いやりが感じられた。
翌朝、一番にレッスン室に入ってきた池﨑くん。
「昨日リーダー崩壊した件について……」と、ちょっと恥ずかしそうに謝る池﨑くん。
夕立の後に広がる綺麗な夏の夕暮れみたいに笑う、
この愛おしい笑顔は絶対に一生守らなければならない。
きっと、誰もが羨むほどの才を持ちながらも、
一生懸命で、真っ直ぐで、飾らなくて、あたたかくて、ちょっとどこか不器用なこの子は、こうやって皆に愛される。
この笑顔を、愛さずにはいられようか。
こんな、時に苦しく、でも美しく、儚く、尊いオーディション時期を経て、3人はまた同じチームになった。
オーディションでは、一度同じチームの仲間になれて絆を紡いでも、ひとところに留まることはできず、次は別のチームでライバルとして闘わなければならない。
まるで、輪廻転生を繰り返すかのように。
ドス鯉倶楽部、Goosebumps、そして、INI。
まるで「生まれ変わってもまた君に出会う」かのように繰り返し巡り逢い、3人は正真正銘、ひとつの「家族」になった。
そんな3人から贈られる、「How are you」という曲。
会いたかったに決まってる、ずっと恋しかったに決まってる、一生一緒にいるに決まってる……だから、ありがとう、3人で、3人で一緒に戻ってきてくれてありがとう……
自分にはない、オーディション期からのファンの皆さんの「ドス鯉倶楽部」をリアルタイムで追い想い投票し泣き喜んだ日々を勝手に想い、私は自分の心の運動場をわめきながら走り回った。
これはドラマだ。
どんな作品よりも美しいドラマ。
自分の人生への挑戦を決意し、激動の数ヶ月を過ごし、夢を掴んだ男の子たちは二次元の存在でもない、架空の存在でもない、いま目の前にそこにいる。
この煌めきをリアルタイムで追っていなかった自分は、何度も「あの頃」を逃してきた。
だからもう二度と、逃さないように。
こんな言葉をもらえるMINIは間違いなく、世界でone of the happiestなfandomだ。
だから絶対に、MINIはどこにも行かないよ。
君のもとにLean lean lean lean back
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