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子連れ居酒屋ってダメですか?

 小学校の通学路は基本マンションと病院とコンビになのだが、1店舗だけ居酒屋がある。チェーンの居酒屋だ。店の前を通ると炭火焼きのコンロが外から見えるようになっていて、お腹ペコペコの息子にはずっと憧れだったらしい。

 今日初めてその居酒屋に行ってみた。息子と二人である。子連れ居酒屋はさすがに周りの目を気にしてしまうが、今時、タバコもくもくの居酒屋など絶滅危惧種なことに加え、昨今の状況により各席に大きな仕切りがあったのと、そもそもの各テーブルごとの収容人数が2〜3人なのでとても居心地良く過ごせた。

 余談だが、この流行病の状況、意外とシングルマザーには優しいのだ。幼稚園保育園の謝恩会中止、PTAの集まり中止、接待飲み会なし、食事処はほぼ半個室+大人1子供1でも広いテーブルに通されて孤独を感じることもない。夕方に受けたいセミナー類はほぼオンライン開催だし、在宅勤務のおかげで、毎日18〜19時まで子供を預けなくても良くなった。

 話を元に戻そう。自分が未婚の頃はどうだったろうか。子どもを連れて居酒屋に来ている家族を怪訝な目で見ていた気がする。だがこの立場になってみると居酒屋万歳だ。下手なファーストフードよりよっぽど栄養も偏っていないし、なによりも子どもが食べたいものが多いのだ。

 硬い冷凍ハンバーグとぺったら濃い味のナポリタン、衣が7割のエビフライ、おまけに半解凍されただけのゼリー。そんなお子様ランチを頼んだってオマケのお菓子とオレンジジュースを飲み干したらあとはちょっと突くくらいで子どもは見向きもしない。まあ許されるのは鳥の唐揚げくらいだろう。わかめごはんのおにぎり、味噌汁、たまごやき、白身魚に枝豆とスティック野菜があればモリモリ食べるのに、なぜこんなお子様ランチにお金をかけなければいけないのか…と思っていた。

 さあ、居酒屋のメニュー表と、先程の子どもが好んで食べるものを見比べてみよう。

おにぎり→ある
たまごやき→だし巻き卵がある
鳥の唐揚げ→定番メニュー
白身魚→焼き魚はだいたいある
えだまめ→鉄板メニュー
スティック野菜→まあある

と、居酒屋メニューを組み合わせて大人と一緒に取り分けた方が、よっぽど大人も子どもも満足度が高い。定食屋さんのメニューもかなり子供向きメニューが多いと思う。

たしかにあの旗の建てられたオムライスは子どもの憧れであり、子供時代の象徴なのかもしれないが、完食率なら居酒屋、定食屋メニューに軍配が上がると思っている。

そんなこんなで息子と二人、人目を気にせずモリモリ居酒屋で夕食を食べてきた日曜の夜。人間はその立場になってみないとわからないことはまだまだ埋まっているのだなぁと、19時でオーダーストップになって飲み足りない分の缶チューハイを流し込むか迷いに迷って冷蔵庫にそつと返却した。



 

 

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