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Netflixドラマ「アンブレラ・アカデミー」がどうしようもなく好き

これまで数多のドラマを見てきた。

ドラマ好き、ということを話すと大抵、「今までで一番面白かったのは?」と聞かれることになる。そしてそう言われると色々思い当たってどうにも困ってしまうのだが、海外ドラマに関しては迷わず一位を付けられるドラマがある。


Netflixオリジナルドラマ「アンブレラ・アカデミー」だ。

今回は最終シーズン(8/8から配信中)の一気見に備え、これまでのシーズンへの愛を叫んでおくための記事である。

見たことない人向けの基本情報

原作はアメコミ。と言ってもマーベルでもDCでもない、ダークホースコミックスというレーベルなので、アメコミ好き以外で知ってる人は少ないんじゃないだろうか。

ちなみに原作者ジェラルド・ウェイはロックバンド、マイ・ケミカル・ロマンスのボーカル。私は洋楽に疎いので知らなかったけど、結構有名なバンドらしい。

来日してMステにも出たことがある。

そしてオタク。

スパイダーバースの制服っ子、ペニ・パーカー(映画版だとペニー・パーカー)の生みの親も彼。原作アメコミでは更に、ペニのクラスメイトのモブに綾波レイが居たりする。

あらすじ

スーパーヒーローとして育てられたが疎遠になってしまった兄弟姉妹が、養父の死をきっかけに再会。そこで彼らに知らされたのは衝撃的な家族の秘密と、人類に迫りくる危機だった。

Netflix公式より

見ての通り、いわゆるスーパーヒーローもの…というとなんの捻りもないのだが、この作品のポイントはそこではない。主人公たちきょうだいが本当のきょうだいではなく(全員養子なので)、かつ物語開始時点では全員ヒーロー崩れのアラサー、という点にある。

まるでイギリス児童文学から飛び出してきたような偏屈な大富豪のじいさんが、世界中からスーパーパワーを持つ子供のことを聞きつけ、生みの親に札束を叩きつけて集めたのが主人公たち。彼らは名前ではなくナンバーで呼ばれ、ヒーロー活動のための教育を受け、実際にヒーローチームとしてデビューする。

劇中世界でグッズが出るほどの人気者なのだ

が、生みの親と引き離され、偏屈ジジイに偏った教育を受けた子供たちが、そのまま何事もなく育つはずがなく…

これがアラサーのすがた

ルーサー/No.1

能力は怪力。物理的にデカい。が、メンタルが追い付いていないため現状はヘタレムーブをかますゴリラ。他のきょうだいたちが実家を出て行った後も一人残っており、養父の指令で月に住んでいた。

ディエゴ/No.2

能力はナイフなどの金属の軌道操作。
中二病をこじらせており、正義の味方に憧れて警察官になったが、作中時点ではクビになっている。マザコン。

アリソン/No.3

能力は「~って噂を聞いたの」と囁くことで相手を操ることができる、というもの。要するに呪術廻戦で言うところの呪言師みたいなやつ。
その能力を使って売れっ子女優になっている。一児の母だが、離婚調停中。

クラウス/No.4

霊を視たり会話ができる。ヤク中。初登場が更生施設から出所するシーンっていうね。
かなりエキセントリックかつゆるい性格で、本作のムードメーカー枠。
頭のネジが10本以上飛んでそうな数々の名台詞は、中の人のアドリブも結構あるらしい。アドリブのシーンではよく見ると周りのキャストが素で笑ってるので注目だ。

ファイブ/No.5

能力は空間、時間移動。無茶な時間移動をして未来から戻れなくなってしまい、元の時間軸に戻ってきた時には一人だけ見た目は13歳、中身は58歳のショタジジイになってしまった。それだけでも美味しい設定なのだが、未来に行っている間に色々あって凄腕のタイムエージェントになっていた。こいつに性癖ブレイクされた人、結構いそう。ていうか私が沼った。
中の人(子役)のおじさん仕草の解像度が高すぎてビビる。

ベン/No.6

一人だけアー写違くない?と思ったそこの貴方。
彼は作中時系列で既に故人のため、第一弾ビジュアルがないのだ…。
身体から名状しがたい触手を出すのが能力。
当然死んでいるので作品開始時点で実体はなく、クラウスにだけ姿が見えている。必然的にクラウスとの絡みが多いのだがこれがなんとも可愛い。

ヴィクター(ヴァーニャ)/No.7

きょうだいの中で唯一の無能力者。と言われるとたいがいのオタクはピンと来るだろうが、どうなるかは見てのお楽しみ。
本作の語り部的立ち位置のキャラ。「ミラベルと魔法だらけの家」のミラベルもそうだったように、キャラの濃い能力者に囲まれて気苦労が絶えない。
ちなみに中の人は「ジュノ」とか「インセプション」とか「X-MEN」に出ていたエリオット(当時はエレン)・ペイジ。中の人がトランスジェンダーであることを公表したのに合わせ、キャラクターもヴァーニャ→ヴィクターに変更になった。


個人的推しポイント

ここからは説明を放り投げて、ひたすらこのドラマにおける個人的好きポイントを語っていく。(注:明示的なネタバレはないけど、後半シーズンのシーンも紹介するよ!)

私がこのドラマで何より愛してやまないのは、ビジュアルセンスである。スタッフがウェス・アンダーソン作品を参考にしただけあって、構図、色遣い、プロップの使い方にはこだわっている。とにかく一枚絵やシーンの出来が圧倒的。

これは文字でいくら説明しても伝わらないので実際に見てもらいたい。


開幕いきなりこれ!映像だともっと面白いよ!
エレベーター構図、王道だけどいいよね
俯瞰ショットも大好物です
外見年齢13歳が図書館でマネキンの恋人を抱きながら飲んだくれている図。情報量エグい。
異形頭!!
シーズン1~2で暗躍するハンドラー。色々とディズニーキャラのオマージュあり。
お衣装がまた素晴らしい!
密会場所が老人団体のビンゴ大会、ていうのがツボ
全体的にファイブ周りのビジュアルが良すぎる
出てくるだけでインパクトが凄い、クラウス
ヴィランが半分ギャグみたいな見た目してるのも良い

そしてその圧倒的なビジュアルを更に高みに押し上げているのが、劇伴、というか挿入歌である。

昨今、洋画で挿入歌がガンガン使われるのは全く珍しくないけれど、ここまで曲とシナリオと映像がバチっとハマっている作品はなかなかないと思う。個人的には挿入歌セレクトが上手いことで有名な、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズに匹敵すると思ってるよ。
なんでも、脚本を書く段階でそのシーンの挿入歌を流しながら作業しているのだとか。

ダンスシーン

シーズン1序盤のシーン。久し振りに実家に集まったもののギスギスしてたきょうだいが、幼少期のヒット曲でついノッてしまう激エモなシチュエーションなのだ。

シーズン3冒頭のトンチキダンスシーン。一時期バズってたから見たことある人多いかも。ちゃんと本家フットルースオマージュもあってえらい。

ファイトシーン

ダンスシーンも最高なんだけども、更に大好きなのが、「ゴキゲンな音楽に合わせてドンパチやる」シーンですね!キングスマン好きな人には刺さると思う。

そもそもアクションが面白いんだけど、選曲がこれまたニクい。シナトラのマイ・ウェイとかバックストリートボーイズとか、ヒット曲なんだけど戦闘曲ではない、だけどなんかシナリオ上歌詞がリンクしてる選曲の塩梅が絶妙〜!

ファイトシーンはS1-1のドーナツショップのシーンが最高に好きなんだけど、公式動画がない…この動画の1:40あたりで一部見れる。
ファイブのことあれ?こいつただのタイムトラベル小僧じゃなくね?てのが判明する最初のシーンなんだけど、実写子役でこのアクションを見せられた、というあまりの衝撃に脳を灼かれた。

※流血&グロ注意!※
ショタ×斧×返り血!!最高ですねホンマに。

この他にも好きなシーン山ほどあるよ!


さて、羅列できるだけしたところで、そろそろ週末にとっておいた最終シーズンを見ようと思う。
正直なところ、これまでの伏線回収にはあまり期待していないので(そのへんのテキトーさも、この作品らしいんだけど)新たな名シーン、名カットの登場にワクワクしながら見ます。

これから見る人は、とりあえずシーズン2まで見てくれ!!映像作品として紛れもなく名作なので!





ところで…
時間操作系能力×制服ショタ×殺し屋 と言えば我が国にもいましたよね、多くのオタクを狂わせた彼が…

神木隆之介にこのキャラをやらせた人、国民栄誉賞あげていい。


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