マガジンのカバー画像

書籍『 #書く習慣』ができるまで

65
2021.08.31に発売した処女作『 #書く習慣 』。 お声がけいただいてから、実際に執筆し、みなさまに届けてから届けたあとまでのお話をまとめました。
運営しているクリエイター

#webライター

「書くこと」を好きになりたい人のための本ができました。

あれは2020年の5月のことでした。 それまで取材にイベントに駆けまわるような日々を過ごしていた駆け出しフリーランスのわたしの生活は、外出自粛によって一変しました。 いつものように「書くべき」仕事の原稿が手元にない。突然ぽっかりと空いたスケジュールを見つめながら、ううむ、この有り余る時間をどうしようかしらと悩みました。 ずーっと家に引きこもったまま過ごす、代わり映えのない毎日。唯一の楽しみは、せいぜい凝った食事を作って食べることか、アニメや漫画などの娯楽に浸ること。

"言葉"で平凡な毎日をラベリングする

記録をつけるのが好きなので、毎日できる限りノートを開いて、今日やった仕事や観たもの、読んだ本などを書いているんだけど、不思議なことに記録するのを1日忘れてしまっただけで、その日にやったことがまったく思い出せなくなってしまう。 「○○ちゃんと遊んだ日」 「スタバで作業をした日」 「サウナに行った日」 それまでは、こうやってしっかりラベルを貼って、いつでも記憶から取り出せるようにしていたのに、自宅に籠りっぱなしの平穏な日常を送っていると、うまくラベルがつけられなくて困った。

読みおわった本の行き先は?

「今、こんな本を読んでいる」と報告すると、「読み終わったら感想教えてね」と言ってくれる友だちがいる。 いつもあまり考えずに「オッケー」と言っていたが、今日たまたま読んでいた本に「何かが起きたらすぐに人に話そう。それで思考が整理される」と書いてあり、納得した。 友だちの一言は、わたしに「アウトプット前提のインプット」をするきっかけとなっていたのだ。 ところで、今は友だちに会う機会も減ってしまい、誰かと話すことも減り、代わりに以前にも増して読書をしたりアニメを観るようになっ

私が取材ライターになった日

夏頃に、「取材ライター講座の講師をやらないか」と依頼をもらった。 正直、引き受けて良いものか迷った。そもそも私のライター歴は1年とちょっとくらいだし、もっとその道のプロにお願いしたほうが良いんじゃないかって。 何なら私の持っている取材ノウハウなんて、ほとんど先輩からの受け売りだったりするし!! それでも、指名をもらったので受けてみることにした。何を喋るかはあとで決めればいいか、と。 そうして開催日が近づいてきて、改めて取材のときに自分が何をしているのかをひとつひとつ細

ライターに「文章力」は必要なのか?

「ライター」というのは定義が難しい職業のひとつだと思う。 「文章を書く」という行為自体は、おそらく誰もが小学生のときに体験しているので、「何か書け」と言われたら何かしら書けると思う。 わたしは、ずっとライターになりたかった人間のひとりではあったけど、「ブロガー」で止まっていた。 そこを、新R25の面接のときに「ブログ」を、ポートフォリオにして最終的に「ライター」になった。 そんなことからもわかるように、ブロガーとライターは定義が曖昧だ。 「書く」という行為自体に何ら