不登校と医療の関わりかた。

不登校そのものは、病気ではありません。
しかし、親心としては、どうしても医療にすがりつきたくなってしまうものです。
不登校の原因が何らかの病気であってほしい。
そういう確証が得られれば、その原因を取り除くことによって不登校が治るだろう。
そのような期待感をもってして、不登校初期段階の子を病院へと引っ張っていくのでしょう。

私も不登校の予兆についての記事に書いたとおり、頭痛や腹痛をうったえる息子を近所の小児科から市民病院、市外の総合病院へ連れていったり、神経内科では睡眠障害の検査もしました。
いずれの検査も身体的には特に異常は認められません。
対症療法で薬をのんで日々を過ごしますが、根本的な解決にはなりません。

そもそも、なにかの病気だから不登校になったのではなく、不登校であるがためにさまざまな身体不調があらわれるのです。
昨今よく聞く「起立性調節障害」というものも、不登校であるためにその症状が出るのであり、起立性だから不登校になるわけではないのだということです。
実際、起立性調節障害であると診断を下せるお子さんはそんなに多くない(ほぼ無い)と神経内科の医師が言っていました。

そうなるとやはり、心療内科や不登校外来、あるいは専門カウンセラーに相談するべきか…
とは思うものの、いざネットで検索しても、どの病院やカウンセラーを頼ればいいのかがわかりません。
情報が多すぎるがゆえの弊害。
クチコミサイトの批評を見ては、この病院で本当に大丈夫だろうか?と疑心暗鬼になり決められない。

そんな中、息子が通う適応教室の保護者会で、児童精神を専門にしておられる医師と話す機会がありました。

自分たちと同世代くらいの若い男性医師でした。
その医師は、まずハッキリと
「中学校は行かなくていいです」
という言葉からお話をはじめました。
誰しも障害と言わないまでも、それぞれの特性があり環境になじめない子どもがたくさんいます。
その子どもたちにも陰と陽の特性があり、陰の特性であればこんな進路が行きやすいですよ、陽の特性であれば…
といったことを、わかりやすく説明してくれました。
そして、いま中学校に行っていなくとも通信で行ける高校がたくさんあるので大丈夫です。
お子さんにあった学校を探してください。
ただ、勉強はなんでもいいのでさせてください。
学校の勉強じゃなくていいので、本人に興味があることを。
ゲーム好きなら、パソコンやプログラミングでもいいし、なんならポケモンGOでフィールドワークでもいい。
本を読む、料理を作る、なんでもよくて、本人が楽しく充実できることをさせてください。
それが本人にとっての勉強になります。

そのようなお話で締めくくられました。
ネットや本などから得られる情報でなく、専門医の言葉として語られたことに私たち夫婦は感銘をうけました。
それまでに診察を受けた医師たちは、いずれも薬を飲んで、がんばって学校に行こうねと言うばかりでした。

そのあと個別に相談にも乗っていただき、適応教室からの紹介ということで診察の予約も早めにとっていただけました。(ふつうなら半年待つような人気の先生だそうで(^_^;))

自分ではいくら検索しても、役所や学校に相談しても見つけることはできませんでした。
ところが、適応教室という場所からこのような医師に出会うことができました。
いろんな所へ足を運んで、自分の耳で聞くということが大切だなあと感じたというお話でした。

息子を診察してもらったときの様子は、また別の機会に紹介できればと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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