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1958年型Plymouthプリムス

自分的に1950年代後半のアメ車のデザインには最も魅力を感じるものが多い。現在でも人気のマスタングなどのポニーカーや一連のマッスルカー達が登場するよりも7-8年位以前のスタイルだ。それらの年代中でも個人的に好きなモデルが集中するのは1957-58年だ。

1970年代から1990年代には、これらのモデルは安く手に入り、それらに強力なエンジンを載せるのがアメリカのクルマ好きの中では結構流行った。そういう中でもクレートモーターと言われるあらかじめリビルト/チューンされている機関のChevroletの350(5.7L)なんて言うのは最も一般的過ぎてマニア達は納得しなかったようだ。この車体に350シェビーを載せたいがと思うがと一回相談したカーショップのオーナー曰く That's a Crime! それは犯罪にも等しいよ とコメントされた。

そんな所でこれにクライスラーの440でも載せて見ようかと思い元々このプリムスは2000年に購入された。しかし2000年代も少し経つとガソリンの値段が上がりだした。オリジナルのあまりパワーのないワイドブロック(またはセミヘミーとよばれる)318ciのエンジンでもちゃんと力強く走るこの車はそれ以来外装板金塗装と基本的なメカ修理の後は殆どそのままで保たれている。

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1957年モデルの時点ですでに1960年型と同じだと

その1958年型のプリムスだが、これの1前年のモデルより一新された1957年型プリムスからそのスタイルは3年先を行ってるようなデザインが売り文句だったとか。当時一番売れていた車種だったシボレーでは、その1957年型車が1955年型以来からのシャーシの流用焼き直し版だった(1970年代頃からクラシックカーとしては55,56,57年型は安定的な人気車種となる)ので、新しいプリムスを見た当時のGMのdirectorが悔しがったとか。

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シボレー、フォード、プリムスは当時の大衆車御三家だった

これら1957年当時のビッグ3、その中でいわゆる低価格帯のこれらの車種達のラインアップはすごく魅力的で最も販売台数も多かった。1957年型で最も売れたのはFordであったが1958年には全体的にリニューアルされたChevroletに巻き返される。

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サンディエゴ地区、ラホーヤの北の101号Torrey Pines RdがS Camino Del Marに合流するあたりの海岸線を走る当時のクルマ達。この日はDel Marで競馬でもあったのだろうか。
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これくらい色々なボディスタイルとトリムレベルがあった

Plymouthにもこれら多くのトリムレベルがあった, シンプルなPlazaとか個人的には好きだ。それにはリヤシートのないbusinessセダン(2ドア)というものがあった。

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このコメディショーの提供はクライスラーのプリムスデヴィジョンだった。

この頃のTVショーで私が好きなものに'Highway Patrol'という警察物があるが、そこではプリムスは犯人の車として良く登場する(派手なcar chaseはなし)。

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この色が個人的には好み
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57年型、デイトナビーチだと思う

上の2台は1957年型

マア性能面ではどれも大体似たような物だがいわゆるマッスルカーの初期の様な仕様のグレードが一般的に出始めたのもこの頃だった。それらビッグ3の各車のスペックを書き始めると止まらないので今回この手のプリムスの代表的なホットモデルだけ紹介すると、それは'Fury'と言うモデルだ。

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実車の隣はそのペダルカー
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これには350ciキュービックインチ(5.7L)のwideブロック(Polyと呼ばれるモノで有名なHemiのいわば親戚)のV8に4バレルの電子式フユエルインジェクションが2つ付いてた290馬力、その加速性能は0-100kmで8.4秒だったとある。その燃料系はトラブルだらけだったらしい。同じ様な燃料噴射システム採用の同年のシボレーの方が出来が良かったと。ボディ色は白っぽいベージュだけしか選べなかったそうだ。だから80年代の映画' Christine'に出ていた赤いPlymouth Furyというモデルは工場生産ラインには存在していない。この車種にもどうせなら伝説的なマッスルエンジンの392Hemi搭載のオプションがあれば良かったのだがそれらは1957,58年当時には上級車種のクライスラー300Cとかに載っていた。エンジンブロックが先述のPolyエンジンと基本的に同じなのでポン付けでその398Hemiはプリムスに載るとも聞いた。

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Fury1958年型とパトカー用モデル。58年型のテールライトは丸く小型。噂では一般の搭載オプションに加えられていなかった強力な392Hemiエンジンが一部の警察用の車両には搭載されていたものがあったらしい。


こちらは57年型のパトカー、2ドア車。
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ウチのはハードトップだが最低装備車でエアコンはおろかパワステもパワーアシストのブレーキもない

所でウチのこの実車のプリムスだが、トリムレベルは中間のSavoyというモデルだ。プッシュボタン式のギアセレクターはデザイン優先の結果という感じか 'P' のポジションがない。パーキング時には'N'に入れて必ずハンドブレーキを引かねばならない。318=5.2Lの'Poly'(=ワイドブロックと呼ばれる)に4バレルの1キャブレター仕様、カタログには220psとある。自分でつけたEdelbrockの500cfmのキャブレターは調子がいい。まあ勝手にそこらに買い物用などに使用出来る様に都合がいいようになっている。COSTCOなどの駐車場くらいならまあどうにかそれでも楽に出入りできる。

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右脳人間(=私)がイジるとこうなるって感じのエンジンルーム、オリジナルなスタイルをkeepするとかあまり考えてない、単純に素人ができる範囲。同町の整備士キャリア50年のマイク氏によると、'今までこのエンジンが止まった事を見たことない' と。かつてはバス、トラックに多く使用されていた実用エンジンだ。前のオーナー達はオイル交換を怠っていたようでオイルリングが張り付き気味なので硬めの20w50などを使用している。前輪ブレーキはdiscに変更してあるのだがパワーアシストではない。だからブレーキを踏むのには力が要り時には両足で踏んだりする。パワステもないので普通の駐車場にいつもの様に入ろうとするなら太いタイヤはハンドルが重くなりとても履けない。そう言う訳でこの車は205の75シリーズ14インチを履いていてとてもスポーティではない。

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プアマンズキャデラックと言われていたそうな


本もののキャデラックといっしょに

トーションバーの前輪サスは具合良くコーナーはサスをいじってない同年代のFordよりはスムースだ。

自分はこのような年代モノのクルマを実際に走らせ色々な事をするのが好きなのでたまにこれでサーフィンの出来るポートアンジェルスまで行った。ところで私のアダ名 Milkmanとは 一本ずつの波をはじめのブレークから最後消えるところまで最大活用(=milk out)するからというのが理由でした。完

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