![私的暗闇2_v1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/6984481/rectangle_large_type_2_64a8a6f2fc36989ce4d12e35fd07da64.jpg?width=800)
初めての幽体離脱
気付くと外にいた。
自宅の前の道路に立っている。
いや、立っていない。
浮いている。
道路から30cm位、足が浮いている。
体は透き通る半透明。
夜だ。
街灯の灯りが、いつものように明るい。
何気なく天を仰ぐと、
クレーンで引っ張り上げられるように、
天へ昇る。
風を切っているような体感が、ある。
すぐ傍にある電柱の、てっ辺を越える所まで昇って、止まる。
眼下に自宅の屋根やベランダ。
周辺の家々、道路… 全部よく知っている場所。
それを上から見下ろしている。
さらに首を曲げて目線を足元へ下ろすと、
体が下へ、道路へ向かって降りていく。
…おもしろい。
上がったり、下がったり。
昇ったり、降りたり。
何度か繰り返して、
今度は一気に上へ、上へ。
スピードが加速する感じだ。
電柱のてっ辺より遥か上、
これ以上昇る事に恐怖を感じて、止まる。
見下ろすと、自宅が親指の先位の大きさに見える。
- 怖い。降りよう。
そこで少し記憶が途切れて…
…次に気付いたのは、
自宅の寝室にある自分の体に、吸い込まれる瞬間だった。
急激にいつもの体感が戻り、目が覚めた。
そこで初めて、さっきまで寝ていた事を思い出した。
かつて経験した事の無い、
異常な事を経験していた事に、気が付いた。
…
最中は、意識らしきものはあるのだが、
普段の覚醒状態とは違う。
かと言って夢の中とも違う。
金縛りの時とも違う。
例えると、
子供の頃、夜中にトイレに行きたくて目が覚め、
半分寝ぼけた状態で布団を出る時の、
ぼーっとした感じ。
大人になってからのそれと違って、
フワフワと夢遊するような心持ちでトイレに行っていた気がする。
…うまく言い表せている気がしないが。
印象的だったのは、天へ昇る時の体感だ。
空気を、風を切っているような感覚が確かにあった。
でもそれが、現実の肉体の体感と同じか? と言われると…
違う。
…でも、かなり近い気がする。
…
一般的に言われている幽体離脱というものが、あれなのか…
確かな事は言えない。
そして誰にも確かな事は言えないだろう。
経験した人が、その経験をどう判断するか? というだけの問題だ。
例えば科学者が、自分であの経験をした上で、
それを科学で説明しようと思えば、出来るのかも知れない。
でもおれには無理だ。
確かな事は、
同様の経験をその後何度かする事になった、という事実だけだ。
…
幽体離脱… という事でいいんじゃないかと思っている。
その方が、面白い。
※追記
最後にあったのは… 恐らく6~7年前だ。
そう言えば、金縛りも何年もストップしている。
以前は滅茶苦茶な頻度で金縛りになっていた。
本文で書いた、
「自宅の寝室にある自分の体に、吸い込まれる瞬間」の感覚が、
金縛りの時の感覚によく似ている。
脳だけ覚醒しているが、体が動かないという状態に、一瞬なる。
幽体離脱も金縛りも、
両方無くなったというのが興味深い。
ありがとうございます! (ノД`) 頂いたサポートは、いつの日かパンを、 パンが無ければお菓子を食べればよいので、 お菓子の専門学校で作り方を習う必要性、 そうなってくると学費とか交通費、 え、ちょっと待って下さい、 紙に書いて考え直そう、そうするとやはりパン、 いやペンか、ペ