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【イベントレポート】 「経費精査AI×BPOで実現する経費プロセス改革」

2021年3月26日、Miletos株式会社は、株式会社NTTデータ・スマートソーシングとオンラインセミナー「経費精査AI×BPOで実現する経費プロセス改革」を共催しました。スピーカーは株式会社NTTデータ・スマートソーシング 阿部 宏之 氏、Miletos株式会社 髙橋 康文です。

【講演内容の一部を抜粋してご紹介します】

経費精算領域によくある課題

髙橋「みなさまが既に認識している経費領域の課題について俯瞰したとき、どんなものが見えてくるのか、まずはお話させていただきます。この領域において出てくる課題は、申請者側の課題と、チェックする上長もしくは経理の方の課題、この2つに大きく分けることができると思っています。

こういった課題の原因のひとつは、経費精算プロセスに社員が介在している点、さらには属人化している点だと考えられます。業務の性質上、社内の人間が関わることによって、不正も起こりますし、承認負荷が高くなってしまうのです。」

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目指すべき経費精算プロセス

髙橋「ここからは、私たちが考える目指すべき経費精算プロセスについてお話させていただきます。さきほど申し上げた通り、従来の経費精算プロセスは、申請者が紙で申請してシステムに入力し、それを上長が承認して、経理の人が確認して経費を確定しています。

中身としては、不備・誤りはないか・規定違反ではないか・不正利用はないかを、経理の方や上長が、最後の門番のように頑張っていらっしゃるのが現状だと思っています。また、プロセスそのものが月末月初に集中してしまうので負担が高いうえに、専門知識が必要な為、エキスパートに依存していたり、短期間に大量に処理しなければいけないので抜け漏れが発生してしまう、そのあたりが従来の構造における課題だと考えています。

一方で目指すべき姿は、経費利用が発生した際、その経費データが自動で処理されて、人がチェックしていたものをAIが網羅的に、なおかつ高精度で分析・検知するというのが、我々の考える目指すべき姿です。」

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改革に向けて何から始めるか

髙橋「改革に向けて何から始めるかという点ですが、我々は下記3点から始めるのがスムーズだと考えています。」

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阿部「経費精算プロセスの改革に向けて、実際にAIとBPOを組み合わせて課題に取り組まれているお客様の事例についてお話させていただきます。

まず、AIとBPOを組み合わせたものが、実際にどういう打ち手となるのか、ご紹介させていただきます。AIテクノロジーを利用したアプローチを青色の枠で、BPOを活用したアプローチを黄色の枠で示したものが下記スライドです。

それぞれを独立して行うのではなく組み合わせることで、非常に効果的な打ち手になると考えています。」

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事例①大手総合商社様 領収書スキャンBPO業務

阿部「では早速事例のご紹介でございます。こちらの事例の導入背景と課題・検討事項、アプローチが下記となります。」

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阿部「こちらのお客様では、弊社のBPOサービスを導入していただいた結果、下記のような導入効果がありました。まず1点目は、BPOを活用した電子帳簿保存法対応運用を実施することで、経費精算業務の効率化を実現することができたという点です。

次に2点目は、運用を外部委託していただくことで、経費管理プロセスの再構築と運用ルールの再整備を実施することができた点が、効率化に繋がりました。また、こちらのお客様は、今後も発生しうる課題をBPOの活用で継続的に解消していきたいというお考えから、弊社のサービスをご採用いただきました。」

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事例②経費精算チェック業務代行

阿部「事例の2つ目をお話しさせていただく前に、経費精算チェック業務についてみなさまがどのくらい負荷であると感じていらっしゃるのか、日本CFO協会様の調査結果をご紹介します。」

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阿部「約8割近くの方々が経費精算申請の内容チェックを負担と感じていらっしゃることが報告されており、こういった状況からチェック業務における課題もAI×BPOで解消されたいという声が多く挙がりました。チェック業務の負担軽減に取り組むお客様の背景や、実際のアプローチが下記となります。」

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阿部「こちらの事例であげられた成果が下記となります。アウトソーシングの活用によりチェック業務が標準化され、コンプライアンスの強化を実現できます。

またこちらの業務は弊社のBPOセンターにてシェアード体制による運用を実施しており、専任のオペレーターによる高い精度のチェックを実施しながら、ベストプラクティスな運用をご提供しております。」
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経費不正のAI検知ソリューション『Fraud Checker』

阿部「最後にサービスのご紹介として、経費不正のAI検知ソリューションであるFraud Checkerをご紹介させていただきます。こちらのサービスは、承認後の経費精算データが正しいものかをチェックする経費不正検知サービスとなっております。

経費不正検知サービスの必要性の根拠として、再び、日本CFO協会の調査結果をご紹介します。こちらの調査は、経費精算の不正について見聞きしたことがあるかというアンケ―トです。」

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阿部約7割の人が経費不正を発見したことがあるという調査結果が報告されています。こういった状況に対して、弊社は経費不正検知を効率的に実施できるFraudCheckerというサービスをご提供しております。このソリューションの大きなポイントは、AIエンジンを活用して経費不正検知を行うことです。AIエンジンの活用により、経費データの全件チェックを実施することができ、チェックの網羅性を担保します。またユーザー様には検知結果を確認するための専用のポータルをご用意しておりますので、効果的かつ効率的に不正検知結果をご覧いただけます。
チェックプロセスの自動化バックオフィス業務の効率化までを見据えた、経費不正検知のソリューションとなっております。」

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阿部「ではこのFraud Checkerがどのような仕組みで経費不正検知を行うのかフロー図でご紹介いたします。」

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阿部「従業員の方がご提出された経費精算データ、勤怠データ、入退館のデータ、つまり経費精算データに行動データを組み合わせ、Fraud Checker側で専用のAIエンジンで分析を行います。AIが検知した経費不正と疑わしい経費精算データを専用ポータルサイトでお客様の担当者様に、検知内容のご確認とOK/NGの判定を実施いただき、NGとなった経費申請については、提出された従業員の方へ注意喚起を行っていくという仕組みです。

こちらのAIエンジンですが、Miletos株式会社のSAPPHIREという、経費管理業務に特化したAIエンジンとなっており、申請データを様々な観点からチェックすることができます。」

SAPPHIREの検知事例

髙橋SAPPHIREは複数のコンポーネントから成立しているAIエンジンで、数十の切り口から経費分析することが可能です。経費のデータだけではチェックできないようなものも、複数のデータを組み合わせ分析をしていきます。

分析の切り口は大きく3つに分けることができます。」

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髙橋「分析の例として、最もベーシックなものである二重申請のチェック例をご紹介します。重複チェック自体は経費精算システムでも可能な場合もありますが、それは同じレポート内に同じデータがあれば検知できるというケースが大半です。理由は明確で、経費精算システムは精査をするわけではなく、規定に合っているかどうか、もしくはワークフロー上問題ないかかを確認するのみで、ワークフローまで流れてしまい結果としてレポートが分かれていたり月をまたいでいると検知することは困難となります。

まとめ:改革アプローチに必要な要素

髙橋「さきほどもご説明差し上げましたが、目指すべき経費精算プロセスは、ほとんど人手が介在しないリーン(無駄のない)なものになると思っています。そういう意味で必要なのが、データを多面的に分析すること、そのためにデータの精度を担保すること、業務を標準化していくこと、以上3点だと考えています。

経費精査以外にも、ユーザーが移動した近郊交通費などをAIに自動で入力させるシステムを我々は開発しております。時代はそういうところまできており、経費精算プロセスにおいては、チェックの部分にはなるべく人手を介在させず効率化させるためにAIとBPOを活用することは、ひとつのロールモデルになると考えています。」

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このあとの質疑応答のお時間では、多数のご質問をいただき、無記名アンケートでは68%の方に『ご満足いただけた』、100%の方に『目的に合った内容だった』とのご回答を頂戴することができました。

セミナーの内容や、AIによる経費精査などにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽に弊社ホームページよりお問合せください。

Miletos株式会社
https://miletos.tech/