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詐欺師と6回会った話③

前回までに3回ほど詐欺師に会っていたわけですが、取締役という事実を知り、私はそのステイタスに魅力感じてしまいました
現実離れした金額ではなく500万というのがまたリアリティがありました

詐欺師が本格的に動き出します

今回は一日デートということになったので、中野のユニクロの前で待っていました
相変わらず遅刻が多いですが、社長だから仕方ないかということで許してしまいます
後から考えると組織的詐欺というのは本当に個人の思考を超えてきます

仕方ないので洋服見たりして時間をつぶしていました
しばらくすると本人が到着して、お昼でも食べるのかなって思ってたんですが、見てほしいものがあるというので行くと、結構大きな分譲マンションに来ました

ここに事務所があるのって言われました
ファミリータイプの分譲マンションで事務所契約なんてできるんですかね
不思議に思いながら部屋まで案内されました

中に入ってみると、4人くらいの事務員がいて私を紹介されました
ちょっとおかしいですよね、数回会っただけのプライベート関係の人間を会社に入れますかね?
きっと新しいカモが来たとおもわれたことでしょう

社長室に案内されて、雑誌を渡されました
これを見て、うちの会社が雑誌に紹介されたのって説明してきました

内容はトレーダーを育成する会社ということでした
自分はここの社長で、優秀な候補生を独り立ちさせているそうです

さらに上の階に案内されると、塾生たちが何人も奥の部屋でパソコンを使って何かやっていましたね

一通り案内されて社長室に戻ると、私の仕事わかってくれた?みたいな感じで話をしてきました
正直全く興味がなくて、好きにやってくれとしか思いませんでした

一応「すごいですね」な感じで返事はしていましたけど、「あまり実感はありません」とも言っておきました
その後バスで池袋に向かいサンシャインの展望台に二人で登りました

バスの中では結婚したらどこに住もうかとか、子供はどうしようかとかその気にさせる話ばかりしてたのでそれならと私も

私「結婚に向けてのお付き合いをしていただけませんか?」

彼女「今○○さんの胸に飛び込んでもきっと私のことを受け入れきれない」

彼女「私とは未来の展望が違いすぎる。もっと大きなお金を動かす気になってほしい」

私「私は別に自分の稼げる範囲のお金があれば大丈夫ですけど」

彼女「すぐじゃなくてもいいけど投資を考えてほしい、自分に向いた投資はどんなものがあるか調べてきて」

彼女「そうじゃないと結婚はできない」

私「わかりました、初めての世界ですけど自分なりに勉強してきます」

こんな感じで4回目のデートは終わりました
この時点でもまだ相手が詐欺師だとおもわなかったですね

とにかくお金が好きなんだなという印象のままです
あんな仕事をしていればそうなるのかなという感じですね

また来週5回目のデートになります

この時点で私は友人に相談して忠告を受けていたので、私の中ではあとはこちらの言い分を彼女に伝えるだけになっていました
受け入れてもらえればよし、そうでなければお別れです

かなり遅い時間だったのでささっとお店に、彼女の目的はおいしいものを食べることではないのですから
社長という肩書は便利なもので約束の時間に遅れようとも、遅い時間に待ち合わせしようとも仕方ないとおもってしまうので自分のペースで振る舞うことができます
食事しながら言われていた投資の話をしました

私「私はデイトレードには向いてない性格です、毎日の上がり下がりを気に   
していたら胃が痛くなってしまいます」

私「万が一失っても仕方ないと納得できる金額を設定して、どこかの通貨が地味に上がるのを待っているのがいいんじゃないですか」

彼女「それじゃあ全然私の希望金額になりないよ。私毎月15万くらいの収入を見込んでいるんだから」

私「元手が足りなすぎます。年利10%の運用ができたとしても元手が1800万もかかってしまうじゃないですか」

彼女「いい方法があるよ、私も考えてきたの」

ここからが彼女たちの詐欺の手口になります

彼女「今度うちの塾生が独り立ちするから、社債を買って投資するの。毎月5%の利息が付くから300万出せば毎月15万くらいになるのよ」

私「何の実績もない人の社債なんて買えませんよ。こちらが必要になったときすぐに返してもらうのも難しいですし」

彼女「大丈夫よ、必要な時はすぐに下せるの」

私「そうはいっても300万ものお金、知らない人に預けることはできないです」

彼女「私を信用できないの?うちの会社の関係者なんだから大丈夫、来月から二人で始めようよ」 

ものすごいごり押しですぐに帰してくれそうにない雰囲気なので

私「わかりました、大金ですからすぐに結論は出せません、次お会いするときに結論を出します」

彼女「じゃあ来週までに決めておいて。でも投資したからといってすぐ結婚が決まったわけじゃないからね」

やり取りとしてはこんな感じです、さすがにあきれてしまいました
書いてておもいますが今考えるととっても稚拙ですね、当事者がいかに冷静な判断ができないものかというのがわかります

次会う必要もなかったのですが一応約束をしてしまったので、今度はこちらから相手が絶対に飲めない条件を言って終わらそうとおもいました

2か月間、長らくやり取りをしたけど彼女とは今日で終わりだろう
そんな気持ちで会いに行きました
もう次の人との約束もできているし、後はできるだけ恨まれないように終わるだけです

6回目のデートこれが最後になります
待ち合わせのカフェで待っていると彼女が契約書を持って現れました

契約させる気まんまんですね
とりあえずコーヒーを二つ頼んで、10分くらい世間話をしたところで本題に入りました

彼女「今日は契約してくれるんでしょ。持ってきたよ契約書」

私「はい、ただ私の条件も聞いてほしいです」

彼女「なに?」

私「契約は結婚してからにしてほしいんです」

彼女「この前すぐ結婚はできないって言ったじゃない」

私「それでしたら契約もすぐじゃなくてもいいじゃないですか」

彼女「時間がもったいないよ、毎月15万も損するんだよ」

「私そう言われましても結婚するために貯めた貯金を結婚以外のことに使うわけにはいきません。もしあなたと結婚に至らなければ契約したくない投資なんです」

「どうして信用してくれないの?会社も全部見せたじゃない」

これでしょうねこの詐欺師たちの強味は
高そうなマンションを2部屋押さえて構えているんだから、大丈夫とおもわせることができます
泣き落としや口だけの詐欺とは信用度が違います

私「私と結婚の約束をしてくれないのと同じですよ」

彼女「もういい、あきらめた」

私「お役に立てずにすみません」

彼女「びびりすぎるよ」

私「お時間使わせてすみません」

これで彼女とのやり取りは終了です
最後まで詐欺師だとおもいませんでした
投資がしなくない一心で断ったようなものです

今おもえばまさか婚活で投資詐欺にあうとは夢にも思わなかったです
この時は彼女というより投資先の人物が信用できなかったんですけどね
上がりそうな銀行の株を買いませんか?と聞かれれば買っていたかもしれません

私がお金を出さずに済んだのは友人たちの忠告があったからです
感覚が鈍っている当事者だと引っかかってしまったかもしれません
組織詐欺に対しては個人がいくら思考してもとうてい敵いません
唯一の方法は結婚前にお金を出さないこと、これ以外にないとおもいます

それでは今回はこれでおわります
ご覧いただきありがとうございました

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