修士の学生としての焦りと安寧

こんにちは。キシュカです。
私は、今とても大変な時期にいると思います。というのも、今、修士の研究が絶賛滞っているからです。

ああ、ちくしょう。なんでこんなに考えなきゃいけないんだ。

まあそうはいっても、修士ならなんとかなるだろうという想いでもやっております。

と言いますのも、あまり実験もせずに卒業していった先輩たちを見てきたからですね。
私の研究室は、修論は修士2年の秋からが本番のように言われています。本当にそんなんでいいのだろうか?と他の研究室の同期や他大の友人の話を聞いて思いますが、まあ、私の場合はいいんだと思います。

そんな思いに至ったきっかけをつらつらと書いていきます。

私の研究室は工学系の化学科にある生命科学研究室というので研究の毛色が全く異なるわけです。非常に面倒くさい立ち位置にいます。

今は分子生物学的なことを主にやっておりますが、もともとは応用化学系で有機合成やら物性に関する勉強なんかをしていたわけです。ところが、研究室選びをするときに、筋肉に興味があったので骨格筋とかをやってみたかったわけです。そこで今の研究室に入ってみたわけですが、ひどかった。

論文の紹介ではDeeplに突っ込んで全文まるまるコピペしてお経のように唱えることが当たり前、定期ミーティングはあるものの各々の定期的な進捗報告はなし、研究室に来ない人が多い、運営費がない、実験器具が乱雑に置かれている、片付けられていない、研究のノウハウが伝わっていないなど散々でした。研究に関して分からないところを先輩に質問すると、分からない、やったことないの声が多く、卒論の添削を頼んでも誤字脱字と体裁の指摘しかなく、論理性や実験結果の妥当性に関する指摘はなかったのです。

逆に良い点を挙げると、良くも悪くも雰囲気は和やか、人間関係も悪くはない、教授は面倒だけど、人間としては面白い。本当にいいんかそれで?と何度か呆れたこともあったが、いいんだろうなと思った。先輩とは仲が良く、今でも交流を持っている。

当時の私は研究室ってこんなものかと思っていたのですが、大学のとあるプログラムに採択されて、そこで他の学部の人の話や他の研究室の人の話を聞くと、他の研究室ってバリバリやってる感じあるんですよね。基本的に修士になったら学会発表や論文執筆があるものだと思っていましたが、それをせずに修了する人が大半でした。そうすると、他の研究室の人と比べるととても焦りを感じるわけです。そこで、とりあえず学会でのポスター発表を目標に色々していた訳ですが、まあ、これが難しい。先輩に聞いても学会の情報はほとんど得られないし、過去の先輩が残したデータを見てもいまいち要領がつかめない。

それでとりあえず修士1年で2回の学会発表をする機会を得て無事に発表はできたけれど、そのあとが続かない。何がしたいのか分からなくなってきた。それからどうなったか。

研究室の人員が減ってきて雑用的なものが私に集中するようになりました。苦学生ですので研究と生活維持とのバランスが崩壊していくようになりました。そして、私のテーマは企業との共同研究によるものでもあるのですが、月1でテーマの進捗を報告してくださいということを何度も言われ、教員が企業側に契約を打ち切られたらいよいよ運営がやばいとぼやき始め、当時の私は成果を出さなきゃいけないというプレッシャーと責任感で押しつぶされました。バイトをしている時間だけが安心できる時間でした。

もう何をすればいいのかわからず、不安の念にかられ、何も手につかない。好きだった筋トレもやめ、本を読んでも内容が頭に入らなくなり、友人と遊んでも、研究や大学、実験というワードが出てきた瞬間に胸が締め付けられ、気分が落ち込んでいくという経験をしました。この時は本当にびっくりしました。今までの自分がいなくなったような感じです。

休みの日だろうとなんだろうと、研究をしなければいけないのでは?遊んでいる暇なんかない!という考えが頭の中を巡り、趣味や生活がままならなくなっていきました。そんなこんなで周りが就活の話をはじめだし、さらに焦りも感じるようになっていきました。非常につらかった。先輩に相談しても「大丈夫だよ」の一点張り。過去の先輩だってこの程度の研究内容で就職先を決めて卒業したのだからという慰めをされる。

そうじゃない。私はもう前みたいに活動できなくなっている。今の私はもう何もできなくなっている、という念にかられ、八方ふさがりに。

そこからどうやって修士2年生になったのかはあまり覚えていません。
いつの間にかなっていたという感じです。

まあ、そんな感じで今は、当時のあの悩みをバカバカしい悩みだなと感じたりしていますが、今更悔やんでもしょうがないので今はとりあえず目の前のことに集中するということだけを意識しています。

意外にも目の前のことに集中するだけでいいんです。
なんとまあ、簡単な話でした。

そんなこんなで今は休日は比較的安寧をもって迎えられますし、責任という言葉は怖いですが、多少は問題なくなってきています。

とても時間がかかった。
ただ、現状は修論テーマを決定しなければ話にならないし、自分の研究というものをしっかりと確立していかなきゃならない。それのせいでとてもきつい。またメンタルが崩れないために、何とかなるかなという楽観と安寧を基に行動をしています。

今の私に安らぎと安寧が訪れますように。

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