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TOEICできれば話せるようなるまであと一歩だけ

よくある「TOEIC意味ない」論でいつも槍玉に挙げられるのが、TOEICできても英語話せない問題です。

私は、いまでこそ英語で不自由なく仕事も生活もこなしていますが、それもTOEIC対策の基礎があってこそだと思っています。

TOEICできても英語で話せないのは、どの辺が問題なんでしょうか?すこし掘ってみました。

おことわり

ここで考える「英語が話せる」レベルは、英語オンリーでオフィスワークがまあまあこなせるレベルを想定しています。
あと、ここではTOEIC L&R テストのことを考えています。


「英語が話せる」をパーツに分けて考えてみる

ひとことで「英語が話せる」といいますが、たぶんこういう二つに分けられます。

  1. 相手が話すことをちゃんと聞き取って内容を理解する

  2. 自分が話したいことを相手に伝える

このうち、1.のほうは、すでにTOEICの試験に含まれています。
高得点が取れる人は、この1.については問題ないはずです。

なので、ここでは 2.について考えます。

自分が話したいことを相手に伝えるステップ

たぶんこういう手順で、私たちは相手に伝える話を組み立てています。日本語でも英語でも同じです。

  • 話す内容を思い浮かべる

  • 必要な単語を思い出す

  • 文法に沿った正しい語順に並べる

  • 発音に気をつけて言葉に発する

英語を話すうえでネックなのはどれで、TOEIC対策で克服できないのはどれなんでしょう?

話す内容を思い浮かべる

これは日本語のときにもする作業で、英語特有な作業ではないはずです。TOEIC対策すら関係ありません。

でも、もしかすると、英語を話せない人は、意外とこのステップでつまづいているのかもしれないな、と思うようになりました。

英語になると、なぜかうまく話題を出せない人を見かけるのです。「べつに話すことなんてないし」と言われます。

私たちは、少ない言葉で多くを伝えることに慣れきってしまっています。空気を読む、というやつです。
でも、英語を話す人たちは、日本人の空気は読めません。鈍いです。
なので、そういう人たちに、自分の感情なり思いなりを、背景から説明してあげるつもりで、話を作るといいと思います。
相手は鈍い人だと思って話してみてください。

必要な単語を思い出す

私たちは日本語で思考していますので、感情や思いは、まず日本語で出てきます。英会話では、それに適した英単語を探します。
英単語の知識はTOEIC対策で勉強します。

文法に沿った正しい語順に並べる

英文法も、TOEIC対策の範囲ですね。
英文法が分からないとpart5が解けない、という話だけではなく、英文を聞くのも読むのも、そもそも英文法が分かっていないとできません。

発音に気をつけて言葉に発する

この部分だけは、TOEIC対策でカバーできません
ただ、正しい発音自体はTOEICのリスニング対策で勉強しています。
ここで問題なのは、それを言葉に発するほうです。

言葉を発するためのトレーニング

これは、勉強というよりはトレーニングの範囲です。
スポーツジムに行ってトレーニングする、というのと同じ意味のトレーニングです。喉と口を繰り返し動かすトレーニングです。
いまはオンライン英会話スクールがあります。

ただ、やってみると分かりますが、伝えたいこと自体は頭の中にあるのに、意外と言葉が口から出てこないものです。
時間をかければなんとか言葉が出てきます。
これは、上の「必要な単語を思い出す」と「文法に沿った正しい語順に並べる」のところで時間がかかっているからです。あれってなんて言うんだっけ、と考える時間です。

TOEICの問題が大量なのには意味がある

TOEICの勉強を始めたころには、あの大量の問題を時間内にこなしていくのは、とても無理そうに感じます。
でも、これは、あえてそう作られています。実際のコミュニケーションでは、聞いたことに即答できないといけないからです。

日本語でスムーズな会話をする場合、話と話の間に空く時間はどのくらいでしょうか?
たぶん1秒あるかないか、ではないでしょうか。
英語でも、相手の話を聞き終わってから、自分の話を始めるまで、1-2秒ぐらいでできると、スムーズな会話になります。

TOEICのリスニングは45分で100問ですので、一問あたり30秒弱です。問題を聞いている時間やマークシートを塗る作業もあるので、答えを考えるのに使える時間は、一問あたり5秒ぐらいでしょうか。
実際の会話で使える時間は1秒ですから、5秒でも長いくらいです

TOEICの問題が即答できるようになるのは、スムーズな英会話のよいトレーニングになっています。

まとめ

TOEICで高得点できた人は、もう単語と文法の知識は頭に入っています。
あとは、それをどれだけ速く思い出せるか、そして口に出せるか、です。
これはトレーニングで鍛えることができます。

TOEICと英会話の話についてはほかに書いてみました。




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