ラブコメ好きのための「地獄先生ぬ~べ~」・その1

 「地獄先生ぬ~べ~」と言えば、90年代にジャンプで連載されていた学園ホラー漫画の金字塔。漫画でアニメで、トラウマを植え付けられた当時の小学生も多かったはず。
 私はまだ幼く、フィクションに慣れていなくて、今思えばほとんど理解していませんでした。トラウマというほどの記憶も残っていません。

 親の証言によると、私は妖怪もののアニメが好きだったらしく、「なんでこの子はキューティーハニーよりもぬ~べ~を楽しみにしとるんや…」と呆れていたとか。「ゲゲゲの鬼太郎」も見てたし、ぬ~べ~の後には「学校の怪談」や「犬夜叉」にはまって、ビデオ録画してまで見てたそうな。

 年齢的にも、たぶんぬ~べ~が原点だったんだろうなと行き着いて、ステイホーム期間に懐かしのぬ~べ~を紐解いてみたのでした。

 そこで気づいたのですが、ぬ~べ~は私の「ラブコメ」「三角関係」の原点だったのです。てっきり犬夜叉やらんまが原点だと思っていた、私の「萌えポイント」とでも言うのか、「ラブコメ」の原点。その要素がたっぷり詰まっていたことを発見したのです。

 というわけで、るーみっくわーるどに鍛えられたラブコメ好きが、ラブコメ的観点から、原作「地獄先生ぬ~べ~」の魅力を語りたいと思います。

※なお、以下ネタバレがいやだという方はご注意を。
 ただ、ラブコメは予定調和、ネタバレしてても楽しめるのがラブコメの醍醐味のひとつだと信じて、恐れず語ります。

 まず、なんといっても主軸なるのは、主人公である地獄先生ぬ~べ~こと鵺野鳴介と、雪女ゆきめの恋。

 雪山で猟師に襲われていた幼いゆきめを、大学時代のぬ~べ~が助け、彼女はそれから五年間、ぬ~べ~を思い続けます。
 ぬ~べ~を追いかけて、ぬ~べ~の住む町にやってきたゆきめを、「妖怪と人間はうまくいかない」と突っぱねるぬ~べ~。しかもこの男、学校のマドンナである同僚のリツコ先生に夢中で、モーションかけてはふられるばかり。

 ぬ~べ~は、ドジで奥手だけど生徒を守るために戦う誠実な男です。
 彼に恋をしたことで、冷酷な妖怪であるはずの雪女に、あたたかい心が宿る。
 だけど、みんなに優しいぬ~べ~は、自分を一途に思ってくれる彼女に限って冷たくあしらう。

 人間と妖怪の隔たり、しかも美人のライバルを巻き込んだ三角関係、とにかく障害だらけの二人がもどかしくて仕方ない。

 次回、その具体的なエピソードをいくつかご紹介しましょう。

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