見出し画像

【不動産】オーナー側の空室リスクの考え方

空室はオーナーにとっては最大のリスクです。
私の不動産投資の師匠である、ダンディ氏には、不動産投資を始めるにあたって最初に言われたことは「空室リスクは物件を買う際に最も検討すべき」と言われ、守っています。


空室が怖い理由

人によっては空室は単なる機会損失のリスクというだけかもしれませんが、私の様にレバレッジ(銀行借入)を効かせて物件を購入している場合、返済額よりも売上から必要経費を引いた営業キャッシュフローは返済額よりも大きい必要がありますので、賃貸経営上のリスクであると言えます。

売上-経費>返済額

これを維持することが不動産経営で最も重要な要素です。
これまで年単位でキャッシュフロー(CF)が赤字に成ったことも幸いありません(物件購入した場合などを除く)。

空室になると、次のお客さんを付けるために清掃を入れますので、出費が出ますので、”損した気分”に多くの大家さんはなると思います。
「敷金貰っているのだから大丈夫じゃね?」っと思うかもしれませんが、敷金は入居の際に預かっているものなので、数年経った後に清掃費が出ていくため、退去されるとキャッシュフロー的にはマイナスになります。

空室期間中にも、固定資産税の請求は当然来ますし、一棟物なら光熱費や清掃費、区分では管理費と修繕積立金が飛んでいきます。
次の募集のために管理会社に広告料を払いますし、お客さんが付いたとしても入居してもらえるまで何かと不安がありますし、新しい方ですとちゃんとした方なのか等々、軌道に乗るまで不安は尽きません。

別の話ですが、国交省のガイドラインが標準契約書に最近記載することに成った背景には、退去精算時のトラブルの多さに起因しているのでしょうから、そういった意味でも退去は大きなリスクになります。
やはり退去されると金銭的にもメンタル的にも負担なので、ダンディ師匠が言うように空室リスクは下げられるに越したことはありません。

そもそも空室率とは

意外と空室率の定義はあいまいです。
投資不動産の販売管理会社が、「弊社の入居率は98%」と広告を目にしたことはあると思います。
これはその会社の社長か、保有している100部屋くらいの物件をその会社に管理委託しているレベルのギガ大家でもない限り、この入居率の数字に意味はありません。そもそも、数字算出の前提条件が大体書いてないし・・・。
これを見て、”ほー安心じゃん”って思ったアナタは、騙される可能性大です。悪徳サブリース物件を掴まされるかもです。

ホームズが空室率マップを提供しておりますが、これは物件購入の際のそのエリアが空室率が高いのか低いのかという、地域特性を知るための指標には使えますが、そこに載っている空室率の絶対値は実際の収支計算に反映はしてません。
理由は、例えば検討している物件が築10年未満の3LDKなのに、周辺物件の多くが古いワンルームが主体だと、空室率という点ではその物件特有の空室リスクを反映していないからです。むしろ、築古主体のエリアの中で、希少な築浅なのであれば、逆に人気物件に成るチャンスを見逃してしまうかもしれません。
逆に空室率が低いエリアに所在する物件でも、周辺物件に比べて築古だったり狭かったりすれば空室リスクは高い物件に成ってしまいます。
ホームズの空室率は収支計算でというよりも物件購入の際の周辺情報の調査で使っています。

簡単に言うと、管理会社やエリアの入居率/空室率はあくまで統計値なのです。しかし、オーナーにとって大事な空室率はそのような統計値とは異なり、物件固有の空室率を考える必要があります。

オーナー視点での空室率計算方法

前置きが長くなりました。オーナー視点での空室率は、個別空室率と全体空室率の2個で私は考えております。
個別空室率は部屋単位、全体空室率は全保有物件単位、もしくは一棟物の場合はその1棟での空室率に成るかと思います。これを求めて、物件購入時の収支計算で使います。
空室率の計算式:
個別空室率=1-入居率
入居率= 想定居住期間 ÷ (想定空室期間+想定居住期間)
全体空室率=個別空室率の平均値
期間は月数で私は計算しています。

なぜ、全体空室率も気にするかというと、キャッシュフロー上の収支計算は物件単位ではなくて全体で考えているからです。
特に、1棟物の場合は特に許される空室数が返済計画に与えるインパクトが大きいためです。したがって、特に1棟物の場合、閑散期の退去などの場合、比較的長期の空室期間を覚悟しなければなりませんので、空室対策を考える上では、空室率の算出は重要になります。

私は最近、区分を買い進めておりますので、空室率は借入/自己資金の割合を設定するための指標として使っています。新しい区分の物件を買う際には、既に保有している物件が生み出しているキャッシュフローで、空室期間中の返済をカバーできるのかのバランスを検討してます。

空室リスクの低減法については別途記載しますが、例えば客付けに広告料を払うか否かの判断など、機会損失とその対策コストのバランスは、空室率から計算できるので、ここで計算する空室率は前述の統計的な空室率よりもより定量的に使います。

以下の表にまとめましたが、平均入居期間3年、退去から入居までの空室期間を3か月とすると、空室率は7.7%になります。

空室率計算

これをみると、いかに長く住んでもらえるかと、退去から入居までの期間を短縮出来るかが重要になってくると思います。
それ以上に、サブリース業者がどんだけオーナーからボッタくってるか見えてくると思います。

参考リンク:




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?