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意外と身近?子どもの栄養格差

こんにちは。
株式会社MiLの古川 詩菜(ふるかわ しな)です。

普段は商品開発部として、商品まわりのさまざまな仕事をしています。
管理栄養士でもあるので、商品の栄養設計や、お客さまのお問い合わせ(主に栄養)にも対応しております!

今回は、保育園で管理栄養士として働いていた私の経験を踏まえながら、
「子どもの栄養格差」についてお話ししていきます。

子どもの「栄養格差」とは

みなさん、「栄養格差」という言葉を聞いたことがありますか?

子どもの栄養格差とは、食事や栄養摂取の面で子どもたちの間に生じる不平等な状況のことです。

子どもが健やかに成長するためには、栄養バランスのとれた食事が欠かせませんが、さまざまな理由によって、十分に栄養を摂取できていない子どもたちがいるのが現状です。

この問題は、経済的な要因や社会的な環境、家庭の状況などによって引き起こされると言われています。

つまり、大きくなる経済格差に社会保障などが追いついていない今、子どもの栄養格差がより深刻な問題となってきていることが分かります。

保育園での実態

保育園においても、子どもの栄養格差はみられます。

体格でいうと太りすぎな子、痩せすぎな子。

保育園では、子どもの生活の様子を知らせ合うため、家庭で連絡帳を記入してもらうのが一般的なのですが、連絡帳にある子どもの食事内容を見ると、揚げ物ばかりのメニューであったり、肉や卵、魚のたんぱく質ばかりに偏っていたり、野菜が明らかに不足していたりすることも。

ちょっとびっくりした内容では、好き嫌いのため朝も夜も「白ご飯」しか食べませんと書いてある子もいました。
子どもの食の好き嫌いや偏食はよくあることですし、いつの間にか克服しているなんてことも多いので、そこまで心配しなくても大丈夫ですが、よくある子育ての悩みのひとつですよね。

保育園での給食は、栄養士さんがきちんと計算をしてメニューを考えているので、栄養バランスを整えることができますが、逆に保育園での食事がない日は、ご家庭によって大きく差があるのが実態でした。

子どもに与える影響

栄養格差が子どもに与える影響は深刻です。

成長期の子どもが十分に栄養を摂取できないと、成長や発達問題を抱える可能性があります。

農林水産省の食育推進施策の中に、子どもの肥満は将来の肥満や生活習慣病に結びつきやすいとの報告があります。
また、生活習慣病だけでなく、朝食の欠食がある子どもは、そうでない子どもに比べて学習能力が低く出たという報告もあるくらいです。

栄養不足は、免疫力の低下や病気の発症リスクの増加をもたらし、学習能力や認知能力の向上にも悪影響を及ぼします。
そして、偏った食事や栄養不足は、将来的に生活習慣病や肥満などの健康問題を引き起こす可能性もあるのです。

解消するための対策

栄養格差を解消するために、どのような取り組みが行われているのでしょうか。

①行政による支援

「子どもの貧困対策法」に基づき、生活保護制度による教育扶助や、就学援助制度による学校給食費の補助が行われています。
また、「学校給食法」に基づき、学校給食の普及・充実および食育の推進を図ることで、食べること学ぶことの双方からの子どもの健康維持増進に努めています。

②民間による支援

食の支援を受けられる民間の場として、こども食堂やフードバンク活動などがあります。
こども食堂とは、子どもたちに無料や低価格で食事を提供する場所です。
こども食堂は近年増加しており、2016年の調査では319カ所でしたが、2022年には7363カ所を超えて、急激に増加していることがわかります。

2022年度こども食堂全国箇所数発表(2023年2月 確定値)
https://musubie.org/news/6264/

一方、フードバンク活動とは、品質には問題がないにも関わらず、賞味期限の問題などで廃棄されてしまう食品を、食品製造業や食品小売業などから引き取り、福祉施設や生活支援を必要とする個人などに譲渡を行う活動のことです。
食品ロス削減と、貧困対策を推進できる取り組みとして注目されています。

③企業の取り組み

企業の取り組みとして、飲食店では栄養バランスの良いメニューの提供や、メーカーでは不足しがちな栄養を補給した商品の販売などが挙げられます。
小学生を対象に「食育体験ツアー」を実施したり、厚生労働省が掲げる「食事バランスガイド」を惣菜や弁当に表示する企業もあります。

私たちが開発しているthe kindestのベビーフード、キッズフードでは、食事で不足しがちな栄養素をきちんと摂取してほしいという想いから、特定の栄養(鉄、カルシウム、ビタミンDなど)を強化した商品作りをしています。※一部商品除く

手作りで栄養バランスを考えるのが大変なときなど、栄養を考慮した市販の商品を活用するのも手軽でおすすめです。

他にも、弊社のカスタマーサポートでは、商品の質問だけでなく離乳食のお悩みであったり、育児に関するご相談なども受け付けています。
栄養の偏りが気になるときや、相談できずに悩んでいる方のお力になれるよう、相談や情報提供も対応しているので、ぜひご活用ください!


まとめ

栄養格差について少し理解が深まりましたでしょうか。

今の体や将来の健康は、毎日の食事の積み重ねによって形成されていきます。
いつもの子どもの朝食に、トーストだけでなくチーズを乗せてカルシウムを足したり、トマトをプラスしてビタミンを足したり。ほんの少しの知識と日々の心がけが、ポジティブな結果に繋がるかもしれません。

日々の食事に悩んでいる子育て世代の方も、どうかひとりで頑張りすぎずに、世の中のサポートや活用できる商品をどんどん取り入れてみてくださいね。

栄養について、改めて大切なことだと思っていただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


<参考資料>
厚生労働省.「子どもの食生活支援に関する国内・国外での取り組み」.https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000532662.pdf,(2023-06-06)

農林水産省.「会見・報道・広報,特集1 食生活(3)」.https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1605/spe1_03.html,(2023-06-06)

農林水産省.「実践食育ナビ 参考になる取り組み」.
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/approach/,(2023-06-06)

公益財団法人流通経済研究所.「国内フードバンクの活動実態把握調査およびフードバンク活用推進情報交換会 報告書」.平成 29年3月17日.
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_8-38.pdf,(20230606)

認定NPO法人 全国こども食堂支援センター.「2022年度こども食堂全国箇所数発表(2023年2月 確定値)」.https://musubie.org/news/6264/,(2023-06-06)

photo :著作者 Freepik

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