1人会社の節税 深く考えない方が良い
会社を運営してそこそこ利益が出てくるようになると節税について興味を持つようになります。
ちなみに脱税ではありません。
未だに「今期は利益が出そうだから節税のために〇〇を買って・・・」などというようなこと言う人がいますが、利益が出そうだから買うものはおおかた「いらないもの」であり、このようなことを言う人は、ジャンジャンバリバリ儲かって仕方がなくキャッシュ(現金)に困っていない人か経営のド素人のどちらかでしょう。
基本的に節税の目的は「会社に1円でも多くのキャッシュ(現金)を残すこと」であり「税金の額を減らすこと」ではありません。節税はあくまでもキャッシュを残すための「手段」であり「目的」ではないことを十分に理解しておく必要があります。
一生懸命、税金の額を減らそうとしてその目的を達成したとしても、手元にキャッシュが残っていない状態になってしまっては本末転倒です。
勿論、業種やビジネスの形態によるところもありますが、起業後の世界は真っ暗な闇、1円でも多くのキャッシュを手元に残しておき戦闘能力を持っておくことが重要ですし、特に自分の場合、大きなレバレッジをかけることもなく、細くシブトイ会社にしたいという意向がありますのでキャッシュはなおさら大切です。
また、悲しいかな、正直、銀行は小規模企業に対して簡単にしかもタイムリーにお金を貸してくれるものでもありません。
自分は、税金に関して起業の準備期間中にかなり勉強をしました。
元々、興味があったこともありますが、後で「ああ、こうしておけば良かった」と思いたくないという気持ちがあったからです。
その中で、まだ登記もしておらず売上も立っていないのに、節税についていろいろと調べていた時期もありました。ただ、今の自分から言わせてもらえば「おいおい、お前、経営者としてチン毛が生えてからにせーよ」と言いたくなってしまいます。
現在、小規模企業においての節税対策はそれほど多くはないと思っており、特に1人会社の場合、あ~だこ~だと時間を使うよりも営業活動やオペレーションの省力化などの活動に注力すべきという考えに至っています。
「業務効率向上のために新しいパソコンを・・・・・」
->いりませんし、最新のCPUマシンを購入しても売上・利益は上がりません。
「4年落ちで外車を・・・」
->見栄のための車はいりません。
人から良く言われたいのであれば「仕事の実績」で言われましょう。
不人気な中古車かカーシェアで充分です。
「保険に入る?」
->最近はもう節税になりません。
ただ、自分に何かがあった時のことぐらいは考えても良いでしょう。
「顧客への接待交際費に」
->接待しないと仕事がとれないのであれば相手にしなくて良いです。
ただ、未だにこんなシーラカンスが生息しているの?とも思いますが。
「従業員の給与を上げてモチベーションを・・」
->1人会社に従業員はいません。
「役員給与を上げまくって赤字にすれば税金を払わなくても良い・・・」
->そのために社保や所得税/住民税を多く払う?
一般的な節税に関する書籍等に書かれている内容は、否定はしませんが、1人会社にとってあまり有用なものがありません。このような必要のない節税対策を除いていくと、おおかた以下のようなもので充分ではないかと考えています。
・経営セーフティー共済
・自宅の家賃(自宅が賃貸の場合)
・保険(ただし、節税というよりは自分に何かがあった際の販管費を補う程度の金額)
・必ず使うことがわかっている消耗品
・小規模企業共済(これは会社ではなく個人で加入するもの)
個別については別途機会を見て述べたいと思います。
また、現在、中小企業に対しては¥800万円までの利益(課税所得)の法人税は15%ですので、そもそも論、これ自体が節税になっていると考えることもでき、適度なものをやっておけば充分であるということです。
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