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進学校で子供が深海魚になってしまった親の気持ち 第四回(深海魚の高校生へ)

息子が学校を辞めたいと悩んでいる時に日本中に同じような悩みを抱えて苦しんでいる高校生がいると知りました。とても悲痛な投稿も見かけました。青春と呼べる時期。柔軟で知識も入り、体力もあるとても輝く数年間。歳を重ねるとその貴重さがわかり、親として生き生きと過ごしてほしいと心から思います。

今回はもしかしたら今悩んでいる高校生に、(1年前の息子に)向けて書いてみたいと思います。

1、転校という選択について

「教室に入っただけで嫌な気分になる。」「金曜日から翌週を思って憂鬱になる。」これが高校1年の夏前くらいに息子が発していた言葉です。
環境と変えるために転校するところはないか?と色々調べましたが、      現状普通高校への転校は欠員と引越しなどの理由がないと難しいようです。
そうなると、今は通信高校という選択肢があります。
N校が牽引して、通信高校へのイメージもずいぶん変わってきたと思います。実際に知り合いでも通信高校で得意な教科に力を入れて、希望の大学に進学した人や自分の好きな事に時間を使っている高校生もいます。
各高校、特色のある教育を打ち出しているので、つらくなったら今いる世界が全てではない事を知るために(その選択肢をとるかは別にして)、情報だけでも検索してみてください。
1つ言えるのは体調に異変を感じた時は、行動に起こす方向を考えてもいいと思います。健康第一です。すぐに親に相談してください。我慢しすぎる事はありません。転校は挫折ではありません。

2、自分の気持ちを言葉にする

これ大事です。
私が息子にアドバイスしたのは、「先生、友達にもっと自分の不満を話したら?共感してくれるかもしれない。」ということです。
信頼関係や友人の有無で変わるかもしれませんが、言葉にすることはとても大事です。
心療内科の先生の本に「言葉にすることで自分だけの悩みが社会の悩みになる。」というのを読みました。
「言ったって何も変わらない。」と思うかもしれません。状況がすぐに好転しなくても受け止めてくれる人はいるかもしれません。また口に出すことができた自分はまた1歩成長すると思います。

3、外の世界に目を向ける

毎日同じ生活をしていると学校が全てだと思ってしまいます。
でも世界はとても広い。
少しでも外の世界と関わりましょう。
おすすめのサイトは校外プログラム大全
特に地方にいるとあまり接する機会はありませんが、同じ高校生でも本当に色々な活動をしています。
進学校に進学したということは学校での順位づけはどうであり、理解力や学習能力は一定基準より上なんです。学ぶことも本質的には大嫌いではないはずです。
実際に息子は外部プログラムに加わって気持ちをそちらに向けることで少し自信を取り戻しました。
経済的余裕があればGW、夏休み、冬休みに短期で海外留学をさせてもらうことや、国内で合宿のプログラムなどもあります。
違う価値観や環境の人に出会うことは社会に出てからもそうですが、自分の想像を超えるくらい気持ちに変化をもたらします。学校だけが世界じゃない。自分の価値は成績という指標では決して決まらない。

4、全てやろうとしない

終わらない課題にほとほと疲れてしまって、夢見ていた高校生活とのギャップにつらい思いをしている高校生も多いようです。
昭和の時代は受験者数も多く、受験は熾烈な戦いでしたが、今のように学校にそこまで管理されずもう少し自分のペースで勉強していた気がします。
課題は終わらないなら思いきって必要だと思うページだけやる。先生に多すぎて勉強にならない、と訴える。やらない勇気を持つ事も自分を壊すより大事だと思います。

4、開き直る練習

人生とは比較の連続です。自分より能力の高い人にこの先たくさん出会うでしょう。
心を健康に楽しく過ごすには、周囲との比較で自分の価値を決めず開き直るすべを覚えると先々強いです。これは本当に難しいことで、大人もなかなかできません。常に評価と競争の中にいて苦しんでしまいます。
周囲と比較しないことができている人たちはとても幸せそうに見えます。
教育経済学者は「人とではなく過去の自分と比較する」ということを勧めてています。
周囲の皆が一貫してこの態度では接してくれないでしょう。
かく言う私も親としてすぐに順位に目がいき不安になり反省します。
勉強しない姿勢がいいとは思いませんが、この姿勢を貫いている息子は強くなってきているのかな、と思います。

5、本を読もう、映画をみよう

2の課外活動が敷居が高く感じたら、暇さえあれば本屋さんに行こう。映画を見よう。
YouTubeやネットの情報もいいけれど、自分の好奇心や将来の可能性が本から見えてくるかもしれません。世界を広げてくれるツールの一つです。

親としてとても悩み接してきたつもりでも、うまく伝わらず「親への強い反感を持った」と今年になって言われました。
親の気持ちを伝えるならば「健康で幸せでいてほしい。」それだけなんです。成績や他のことが日常の小言となりますが、それは全部付録でどうでもいいんです。
息子は開き直り悪いテストを友達と笑い合い、課外活動に気持ちを向けることにより笑顔で学校に行けるようになりました。
苦しみながら自分なりの哲学が出来てきているようです。
目の前の乗り越えねばならない受験という壁は親としてはとても不安ですが、壁にぶつかるのが今ならば、より心が頑丈になり有意義な大学生活が過ごせるでしょう。

内向は大事ですが、外にどんどん目を向けてください!
まだ10何年しか生きていないのですよ。教科書の勉強で可能性を決めてしまうなんてあまりにも狭いです。面白いことたくさんあります。

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