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【喫茶店 美来】1-1話『わたしの行きつけ喫茶店』

「今日は、今シーズン初の平地でも雪が降ります。」と
天気予報士がいう。
「はぁ~雪とか勘弁してほしい~」とわたしは思いながら
あたたかい布団から、なかなか出ることができない。
もう何度、携帯のアラームが鳴っては、止めてを繰り返していることか。
8回目「まずい。さすがに起きなければ。」 

起きて、朝ご飯を食べ、出勤したと思ったら、
あっという間に、定時になっている。
ほんとに不思議。何もしてないのに定時!?
と毎日思いながら過ごしている。

怒涛の1日が終わる。
時計を見ると19時を回っている。
明日休みだし、寄ってみるか。 

いつもの喫茶店に行く。
閉店まであと1時間くらいだろう
ドアを開ける。

カランコロン
「いらっしゃい」久しぶりに聞いた。この優しい声
わたしは、いつものカウンターに座る。
店長が出てこない。代わりに高校生くらいの若い男の子が出て来た。
「ご注文は、何にしましょうか」と元気な声だ
「今日は、ミートソースのパスタください。あとワッフルも」と
 店員さんに頼む。

店長が奥から出てきた。いつもの歌を歌いながら
「久しぶりだね。」という
わたしは、そんなに久しぶりな感じはしなかった。
「そうかな?」
「そうよ!だってこの間来たのは6月だもん。」
「そっか~」
時の流れが速すぎる。恐ろしいと私は感じた。

「そういえば、前回話していた、
   『居場所』は、見つかったのかい?」と
わたしの返事をわかっているかのように聞いてきた。
「見つかってないよ~それどころか探す時間もないまま・・・ただ心が疲れていく一方」と嘆く

「あなたの言葉でね、思いついたことがあって、私は助かったんだから。」とうれしそうに言う
「どういうこと?」
店長は、顔を上に向ける。 

確かに、今日は、2階がなんだか騒がしい。
そして、1階に何も注文せずに、タブレットに絵を描いている高校生。
こんな時間にお店に一人でいていいのかと思うような
中学生くらいの子が読書をしている。
そして、ホールにお食事などを運んでくるのも、高校生から大人。
といっても私より少し若いまたは、同じくらいの人たちだ

いつからアルバイトなんて雇ったのかな?とわたしは思った。

そして、わたしは、少し残念な気持ちになった。
わたしにとってこのお店は、
静かな場所でステキな空間なのにと思っていた。

「2階で何かイベントでもしているの?」と聞くと
「行ってみるといい。」店長は、笑っている。

<続く・・・・・>
©心空


本編は、前作からの続きです。
本編からでも、話は理解できます。
なんせ、初回ですから!


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