見出し画像

冬の風鈴

母の腹を
蹴破って産まれて来た私は
この顔に皺が波打っても
今日をまた生きる

父を棄て、
逃げ、そして得たこの部屋で
力尽きるまで
私は書く

冬の風鈴よ
けたたましく鳴れ
その息の続く限り

自分をどんどん剥いてゆくと
老いたアリスではなく
非情なマクダフが立ち現われる






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?