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モーション修正班のお話の話 - The Making of MIKUEC2022 第3話

はじめに

どうも、2022年度電気通信大学バーチャルライブ研究会 (VLL) 、モーション修正班長のyuuです。このnoteではMIKUEC2022におけるモーション修正班の活動内容やなんやらについて書いていきたいと思います。

VLLの簡単な説明

バーチャルライブ研究会 (Virtual Live Lab) は、ボーカロイドのライブ「MIKUEC」を制作・開催することを主な活動としている電気通信大学公認サークルです。詳しくは以下のnoteを覗いてみてください。

https://note.com/mikuec/n/ndcc5fd01a531

Twitter: @uec_VL_Lab
YouTube: 電通大初音ミクライブMIKUEC

モーション修正班のお仕事

ライブに使用するモーションの修正や表情の作成を行うのがモーション修正班です。モーション修正班は特にライブ当日に目立つ班でもありません。むしろ、キャラクターの動き等をより自然なものにすることが目的の班なので、本当に良い出来の場合には実際のライブの感想でほとんど触れられない少し不遇変わった班です。

そもそもモーションとは…?

凄く大雑把に言うとモーションとは初音ミクたち、3DキャラクターのダンスやMCでの身振りなどの動き全般のことです。ライブにおいての主役であり、観客の視線を集める要素でもあるため、3Dキャラクターのライブでは必要不可欠な要素の一つです。

モーションの修正って何してるの?

直近ではSonyからmocopiが発売されており、経験ある人もいるかもしれませんが、基本的に現状のモーションキャプチャ機材(ただし、optitrackやviconなど超高額機材を除く)でキャプチャしたままのデータはあまり精度が良くなく、変な挙動が含まれてしまいます。(具体的には四肢がブレるやおかしな曲がり方をする、酷いときには四肢が飛んでいくなど)また、キャラクターたちのスタイルが良すぎるが故の問題でもありますが、アクター(実際に機材をつけて動いてくれている人)とキャラクターの体格差が大きい場合には、腕が頭や胸、腰に刺さるなどが生じます。

そのため、キャプチャしたままのデータではまだまだライブでは使用することは難しく、上記の問題点を直す作業、すなわちモーションの修正(調整といったほうがいいかもしれない)が必要になります。

修正方法は説明しだすときりがないうえに、各班員が独自の手法を編み出したりもしているので割愛しますが、基本的には根気よく、各時点でのポーズを調整する作業を永遠と続ける感じです。

表情の作成って何してるの?

ライブを前方で見たことある方ならわかるかもしれませんが、人間も3Dキャラクターもライブ中はすごい表情豊かです。しかしながら、現状のVLLでは表情トラッキングを行うことができないため、素のデータではキャラクターの表情は一切変わりません。なので、班名からは少しずれますが、領域が近いということで、モーション修正班が逐一表情をつけていきます。

この表情の作成に関しても、顔の各パーツ事のパラメータやさらに細分化されたパラメータをいじって、納得いく表情を作成していく作業なので、先のモーション修正と同じく非常に根気のいる作業です。とはいえ、自分の推しに自分の好きな表情で歌って、踊って、喋ってもらえるため、非常に楽しいという人も結構います。(自分は思いつく表情のレパートリーが少なく、あまり得意ではないですが...)

どんな人に向いているか

ここまででモーション修正班がどんなことをしている班であるかはあらかた伝わったかと思いますので、ここでは(ほぼ偏見だけで)どんな人が現状で班にいるのか、どんな人に向いている班なのかを書いていきたいと思います。

ミクさんたちを愛している人

おそらく現状の班員ではこれが大多数でしょう。モーション修正班はこれまで説明した通り、根気勝負な面の強い班ですが、キャラクターに好きな表情をさせられる、自分の思うキャラクターの動きを実現できる班でもあります。そのため、キャラクターを愛してやまないオタクが非常に多い印象があります。

ライブには貢献したいけど、特に経験がない人

自分はこれに該当しますね。VLLに入った年のMIKUECで何かに関わりたいけど特に創作経験がなかった中でも一番問題なくできたのがモーション修正班でした。モーション修正班ではセンスなんてほとんどいりませんし、そもそもMotion Builder使ったことありますなんて人はまずいません。そのため、経験者がそれなりにいる映像や音楽なんかと違って、やる気さえあればすぐにテーマソングなんかも担当できます。(実際に自分は一年目にテーマソング担当しました)
また、徐々にモーションキャプチャの精度もよくなってきているため、より初心者でもやりやすい分野になっているのかな思います。

最後に

この記事では非常に簡潔にですが、VLL内でのモーション修正班の仕事について書いてきました。そもそもこの班は存在すらあまり把握されていないような裏方の班ですので、この記事で少しでもモーション修正班に限らず、陰ながらライブをより良いものにするために動いている班に興味を持っていただければ幸いです。

最後になりますが、今年度のVLLもよろしくお願いします。


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