宇宙で暮らす猫たちがロボットとドンパチやって結構血が流れたりヤクザがでてきたりする話なのにとても胸が苦しくなる小説『猫の地球儀』

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 こんばんは。現在時刻は23時26分。明日も明日とて5時起きなので23時30分には寝ようと思ってたんですけどなんだかんだあってこんな時間です。あ、今7分になりました。就寝時刻まであと3分。どうにかなるかな、いや、ならねーな。とりあえず気合で書き上げてしまうことにします。

 とはいえ今日紹介する『猫の地球儀』という小説は僕のお気に入りの1つでもあるので、気合で無理やり紹介文を綴るのは少し心苦しいところがあるのです。しかしまあ眠気には勝てないということで乱暴に進めさせてもらいます。

 『猫の地球儀』は猫たちが活躍するSF小説です。

 と聞くとなんだかほんわかストーリーを想像されるかとも多いかもしれませんが、残念ながら違います。いやほんわかはします。猫たちは可愛いです。ただロボット対ロボットの激しい戦闘シーンがあれば、血も流れますし、かなりえぐい猫ドラマもあります。『猫たちが活躍するSF小説』という文字列からは少し想像しがたい重厚なストーリーです。

 舞台となるのは地球(おそらく)の軌道上、宇宙に浮かんでいる石造りの城・トルク。そこはカビがもこもことブロッコリーのように繁殖した、夜しかない世界です。暮らしているのは猫と、ロボット。人間はいません。ロボットは猫の従者みたいなポジションなので、トルクは猫の世界です。

 そのトルクに2人の天才猫がいます。

 めちゃくちゃ強い白猫・焔と、めちゃくちゃ頭の良い黒猫・幽です。

 トルクの中では「スパイラルダイブ」と呼ばれる、まあ格闘技の王者決定戦みたいなものが最強の娯楽で、猫たちはそれを楽しみにしています。「スパイラルダイブ」は非常にシビアな競技で、スポーツではないため負けると死ぬこともあります。もう物騒ですね。

 先ほど名前を挙げた焔はスパイラルダイブの王者です。めちゃくちゃ強いです。ただほかの猫に嫌われています。強さだけを追い求めて、スパイラルダイブから娯楽の要素を消してしまっているからです。魅せプレイ的なことを一切やらないのです、焔は。

んで、このトルクという世界においては猫の魂は死ぬと地球に行くとされています。地球は、現実世界でいう天国のようなポジションになっているわけです。魂が地球に行くのは絶対で、これに異を唱えることは許されていません。異を唱えると殺されます。またまた物騒ですね。

 ただしめちゃくちゃ頭の良い黒猫・幽はそれに異を唱えます。死んだ猫の魂は地球には行かない。僕は地球に生きたまま行ってみせる。地球は天国なんかじゃないんだと主張し、周囲から隠れて地球に降りるためのロケットを作っているのです。

 武の天災・焔と文の天才・幽

 この2匹が出会い、物語は始まります。

 天才であるが故に孤独な2匹にはそれぞれ夢があります。焔は強いヤツと戦いたい。幽は地球へ行きたい。しかし夢というのは自己完結しているように見えて知らずの内に他人を巻き込んでしまっているものなのです。よくも悪くも。

 夢をもつのは果たしていいことなのか、悪いことなのか。

 そんなことを考えさせられます。

 


あーーーーーーーーーねっっっっっっっっっっっっっっむ

 

 最後にこの小説のポイントをざっと書いて終わります。

①猫とロボットが主従関係を結び、生活しているトルクという世界

→トルクは宇宙に浮かぶ石造りの城で、カビまみれの世界です。そこは猫の王国でもあり、彼らは基本的に一匹につき一体のロボットを持っています。猫がロボットを使役して日常生活を営んでいるのです。ときには人によく似たロボットに猫が「ハウス!」と伝える場面もあり、なんだか風刺っぽくておもろいなと思ってしまうこともあります。またいろいろな文化風習が細かく描写されているのお面白いです。危険な場所に出かけるときは連れの人と「しりとり」をしてまじない代わりにする、とか。いろいろ。

②堅気の猫と任侠の猫がいる

→猫の世界にも堅気と任侠がいるんです。畜生眠い。

③焔と幽を繋ぐ牝猫・楽と相棒のロボット・震電

→互いに天才で孤独で変わり者の二人はなかなかどうして反目してしまいます。それを繋ぐ役割を果たすのが子猫の楽。こいつはとにかく言動が可愛い。どうやったらぶんしょうだけでここまで可愛い生き物を描けるんだってくらい作者の筆力に驚嘆する。


ふう。

限界。

寝る。


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