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ベイクド・マンション


さて。
公演が終わり、1ヶ月が経ちました。

ようやく、この公演のことを書こうと思います。
正直、言葉にすると軽くなる気がしてあんまり
書きたくなかったのですが、
でも、自分なりに心を込めて、応援してくれた皆様に想いを綴ってみようと思います。

長くなると思うので、気が向いたら読んでください。

せっかくなので今だから言えることを沢山言います。
せっかくだから!笑

今だから言えることは、、、、、
とにかく、
いっっっっっぱい泣いた!!!!

悔しくていっぱい泣いた!
不安でいっぱい泣いた!
苦しくていっぱい泣いた!
その場にたってられないくらい泣いた!

ただ、そんなに苦しくて逃げ出したいと思っていた中でも、それと同時にずっと心の隅に住みついていた感覚?があって。
それは、
″わたしはとても恵まれている″と、いうこと。

↑アイドル時代の私

なんだかんだ私も今年で活動を始めて10年目。
アイドルなるものもやっておりました。

みえないでしょ?
ヘラヘラしてるしチャラチャラしてるから、
それで10年?って感じだと思いますが、
意外とやってるんです。
まあ、まだまだですが。

で、
10年やってお芝居に少し馴染んできて、27歳。ふと思いました。
あれれ、もしかして、今後、
人から何かを指摘されることも、注意してくれる人も減っていくんじゃないの?
間違いを間違いと言ってくれる人いないんじゃないの?って。
このまま客演で、外部に出続けて誰が私に
芝居を教えてくれるの?って。

きっとこのまま私は、お芝居も出来たつもりになって、調子に乗ってなあなあと生温い温度でぷかぷかと浮きながら、なんにも進歩せず気づいたら消えている自分をあまりにも容易に想像が出来てしまったんです。
だから、厳しいことは、分かってたけど、入団したんですね。

そして、入団して初の公演。
まさかの展開ですよ。

主人公になることが決まって。

はい!あなたが主演です!って初めから決まってた訳ではなくて、色々な経緯があり私を選んでくれたんです。

なんか、言葉としては認識してたけど、
完全に体と脳は他人事の感覚で。
だから言われた時も、あ、はーーい
みたいな感じだったと思います。笑

ビジュアル撮影に入り、他の役者さんを、可愛い!!かっこいい!!ってニコニコ見ていました。

そして、いざ本読みになって、一番最初に自分の名前があって、
『かなえ役 坂本実紅!』って言われて、
あ、そっか。わたしか。わたしなのか?。て。
その本読みの時、1人ずつキャストを紹介するんですけど、
緑川さんが言ったんです。わたしに一言。
『うちの新人が入団していきなり主演です。客演の皆様すみません。

(私を見て)でも、期待してます。』

私はこの最後のひとことでスイッチが入ったような気がします。
そして、最後まで乗り越えられたのもこのひとことが心のどこかできっと私が倒れないように支えてくれていたんだと思います。


↑顔合わせの時の写真
スリッパは愛用のバーバパパです。

そしていよいよ稽古が始まりましたっ。

そう、想像通りに、
いや、想像以上に苦しい稽古の始まりです。笑

何度も何度も同じシーンを反芻して、なかなか答えを導き出せず、また何度も繰り返して、
分からなくなって。頭が真っ白になって。

でも、私は、ずっと出ているから、悩んだりもやもやし気持ちを抱えたまま、次のシーンの稽古が始まって、そこでも課題が山積み。
でも、稽古もあと10日しかない。
というような状況でした。

そして周りを見ると、
魅力的な俳優さんしか居なくて、日に日に進化していき、置いてかれている自分。
そんな自分をどうしてあげることも出来なかったです。着衣水泳みたいな感じ。
進みたいのに重いんですよね。自分のからだが。喉が締まる感じ。
怖かった。この公演を潰せない。
正直、眠れなかった!!笑
そんな毎日でした。

でも、何とか乗り切れたのはその魅力的な俳優さんたちのおかげでした。
本当に文字通り″みんな″に支えてもらいました。
黙って暖かく見守ってくれるひと、声をかけてくれる人、私の身の回りの事を何も言わずに手伝ってくれて大丈夫だよって言ってくれた人、
連絡をくれた人、笑わせてくれた人。
様々な形で、私を全力でサポートしてくださいました。
本当なら、主演が引っ張らなきゃいけないんだけど、皆さんが私の体を精神的に支えてくれていました。


はじめは、全部自分で解決しなきゃと思いました。
分からないことを分からないと認めて色々な人に聞く。ってことが、これほど私にとって難しいことだとは思わなかった。

プライド高いなあ自分。と今回本当におもいました。笑
人に聞いたら負け。ってところが昔からあって。
でも人に頼ることも大切であることは、わかってて。
でも、なんだか悔しくてできなかった。

悩んでた時に、
千田さんが、 『いっぱい聞きなさい。聞くことは悪いことじゃない』って言ってくれて、
凄く心が軽くなり、それから、
えりさんを始めとする色んな俳優さんに相談しました。
誰1人適当に答えず親身になって考えてくれました。

それで、わたし、
あー、私。
絶対にこの公演やり遂げなきゃって。おもいました。
意外とこういう気持ちって、ふと湧き上がってくるものですよね。

でね、私実は本番前日まで、ずっと悩んでしまっているシーンがあって、
どうしようこのまま本番迎えられない……
ってなってた時に、
えりさんが、『その、分からない!どうしよう。って気持ちをぶつけてごらん。役者の思うことが全部お客さんに伝わると思うの役者の傲慢だと思う。だから分からなくて良い。その気持ちをお客さんにつたえるんだよ』って言われて、なんか凄い腑に落ちた。

それでその言葉通りやってみたらすごく腑に落ちて、緑川さんにも、
『どうしたの?すごい良くなったじゃん』って。

その時、お芝居って、物語を魅せるだけではない、さらに奥底のなにかが必要なんだって思いました。
この発見は、今回だからこそ気づけた気持ちだと思います。


そして、迎えた本番!!
本番に入ってからは、もうただただ
楽しくて、幸せでした。
本番中にも、色んな発見があって、楽しかった。
そう、楽しかったんです!!!
カーテンコールでは、
もっと、こう、感無量🥺涙😭みたいな感じになると思ったけど、そんなことはなく、
しっかり一人一人にこの作品を最後まで届けようという気持ちのスイッチが入った感じで、
やっぱりなんか、自分の中でも何かが変わったのかな?って思いました。
その なにか が分かるにはもう少し先になるかもしれません。
でもいいんだ、それで。

それにしても、
あんなに苦しかったことが、こんなにも楽しくなるってホーンとに不思議です。

でもそれって、周りがそうさせてくれてるんですよね。
照明も音響もセットも衣装もみんなの気持ちも全部があるから私を輝かせてくれている。

あたしはさ、すごい時間かかるんです。
何かを成し遂げるのに。
だってひとりじゃなんにも出来ないからね!
でも、これからも、1歩1歩、人を認め、頼り、自分を高めながら前に進んでいきます。

とっっても贅沢だったなあ。
ね、恵まれてるでしょわたし。

ねえ緑川さん、
こんなにも生意気で、わがままで、負けず嫌いで、めんどくさいあたしを、真ん中に置いてくれて、信じてくれてありがとう。
見捨てないでくれて、有難う。
これからも、びっくりさせ続けるから、見捨てないでね。
厳しく甘々で育ててくれて、有難うございます。


そして何より、いつも応援してくれてる皆様
今回で好きになってくれた皆さん。
本当に、本当に有難う。
私がここにいるのは、紛れもなく皆様のおかげです。
いつもこんな私を、諦めず応援してくれて有難う。
そして、見つけてくれて、出会ってくれて有難う。

嘘に聞こえるかもしれないけれど、辛い時はみんなから貰ったリプをスクショしてあるものを見返したり、お手紙を見返したり、してます。
本当にみんなのこと大好きで、私の自慢のファンです。
私もみんなの自慢になれますように。

わたし、頑張るから、頑張らない気持ちも大切にしながら、頑張るよ。
好きだから、ここにいるんだもんね。
だって、あたし、魔法使いの子供だからね!!笑

あと、
主人公になって思ったけど、
カーテンコールの挨拶めっちゃムズい!!!笑
あれ、スラスラ言える人って天才なの?って思いました。
なんか、あの瞬間すごく自分に戻るというか、まだまだだなああたし😭って思ってました。
徐々に上手くなるといいなっ。

長いね〜〜。
ここまで読んでくれて有難う😭

あ、最後に!
魔法使いと向かい合って話す時、いつも袖で見守ってくれてる人がいて、いつも嬉しいなって思って、誰だろうって思って聞いてみたら、
そのシーンでその袖から見てる人
誰もいなかったんだって
たしかに、足は白かったなあ。


愛を込めて。


深澤かなえ 坂本実紅



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