子どもの礼拝『カナン偵察』(2024年9月29日)
エジプトで奴隷になって苦しんでいたイスラエルの民のために、神様はモーセに「イスラエルの人たちを救い出し、私が彼らに与えると約束したカナンの地へ連れて行きなさい」
と言いました。
モーセに率いられてエジプトを逃げ出したイスラエルの民は、神様に助けられながら長い旅を続け、ついにカナンの地のすぐそばまでやって来ました。
しかしカナンの地には神様を信じていない多くの人が住んでいたので、イスラエルの民はカナンの地に入るために、彼らと戦って勝つ必要がありました。
そこで神様はモーセに、
「わたしがイスラエルの人々に与えようとしているカナンの地を偵察させなさい。」
と命じました。
モーセは12人のメンバーを選び、カナンの地にどれぐらいの人が住んでいるのか、彼らは強そうか、そして十分な食べ物が取れる土地なのかを調べる様に言いました。
12人はイスラエルの人だとバレないようにしながらカナンの地を見て回り、40日後に帰って来ました。
偵察隊の人たちはカナンで採ってきた美味しそうな葡萄を見せて、
「カナンの地は食べ物に困らない、とても良い場所だ」
と話しました。
でも続けて、
「カナン人は強そうだし、一つ一つの町が頑丈なお城のようになっているので、戦って勝つのは難しそうだ」
とも話しました。
この時点でイスラエルの人々は、カナンに攻め込むべきかやめるべきかで迷っていました。
しかし12人いた偵察隊の内の10人が、カナン人と戦いたくなかったので、嘘の情報をイスラエルの人たちに言いふらしました。
「カナン人は俺たちよりもデカくて強かったんだ!
どれぐらいデカいかって言うと、カナン人は俺たちを見て、“お前らバッタぐらい小せえじゃん、ざーこw”って言ったんだ!」
それを聞いたイスラエルの人はどうしたでしょうか。
ここで、『民数記』14章1節〜25節を読んでいきましょう。
偵察隊のメンバーが流した嘘の情報を聞いて、イスラエルの人たちは泣き叫んで言いました。
「今までずっと苦しい旅を続けてきたのに、今度は恐ろしいカナン人と戦わなきゃいけになんて、神様はひどすぎる!
こんな事ならエジプトで奴隷になってた頃の方がマシだ!」
「そうだ、エジプトへ帰ろう!もう神様もモーセも信じられない!」
偵察隊のメンバーだったカレブとヨシュアは
「カナン人は確かに強そうだったが、私たちには神様がいるじゃないか!
神様が私たちにカナンの地を与えると約束してくださったのだから、それを信じてカナンに行こう!」
と呼びかけましたが、イスラエルの人たちは聞く耳を持ちませんでした。
するとそこに神様が現れて、モーセに言いました。
「この民はいつまで私を信じようとしないのか。
もう私は彼らを助けない。
イスラエルの民に重い病気を流行らせて、彼らを全員滅ぼす」
それを聞いたモーセは答えました。
「神様、あなたが沢山の奇跡を起こしてイスラエルの民をエジプトから救ったことは、今やエジプト以外の国の人も知っています。
もし今あなたがイスラエルの民を滅ぼせば、彼らは
“イスラエル人の信じていた神様は、自分を信じて付いてきた人たちを救えなかった”
そう言って、あなたを信じなくなります。
それに、あなたは私たちに“忍耐強く、慈しみに満ち、罪と背きを赦す”と約束してくれたじゃないですか?
先週私たちが神様を忘れて金の子牛を拝んだ時も、先々週お腹がすいて神様に文句を言った時も、あなたは赦してくれたじゃないですか?
どうか今回も私たちの罪を赦し、私たちを助けてください!」
それを聞いて神様は答えました。
「分かった。あなたがそう言うなら赦そう。彼らを滅ぼすことはしない。
将来イスラエルの子供たち、それに私を信じたカレブとヨシュアはカナンの地に入ることになる。
しかし、イスラエルの大人たちは“カナンの地に行きたくない”と言ったのだから、カナンの地には入れない」
こうしてイスラエルの民は助かりましたが、その後40年間カナンの地に入ることを許されず、神様の言葉通りイスラエルの大人たちは40年の間に荒野で亡くなっていったのでした。
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14章11〜12節で、イスラエルの民が神様を信じなかったので、神様はモーセに「イスラエルの民を滅ぼす」と言いました。
これは考えてみると、少し不思議なんです。
もし神様が本気でイスラエルの民を滅ぼそうと思っていたら、神様は何も言わずに、問答無用でイスラエルの民を滅したはずです。
何も言わなければモーセに止められなかったのに、なぜ神様は (言い方は悪いですが)余計なことを言ったのか。
それは神様が、本当はイスラエルの民を滅ぼしたくなかったからです。
ここで一つ、大事な聖書の御言葉を紹介します。
神様や隣人を愛することを忘れて好き勝手生きる人間に、神様は裁きを下します。
その人を死なせるという厳しい裁きを下すこともあります。
それが神様が神様としてやるべきことだからです。
でも本当は神様だって人間に、私たちに死んでほしくないんです。
人間が自分勝手に生きてきたことに気付いて、神様の許に帰ってきて、神様と共にいつまでも生きてほしいと願っておられるんです。
だから神様はモーセに、
「このままだと私はイスラエルの民を滅ぼさないといけない。でもそれで良いだろうか?お前はどう思う?」
と問いかけたのです。
それに対してモーセは答えます。
「今あなたがイスラエルの民を滅ぼせば、世界中の誰も神様を信じなくなってしまいます。
それに、“私たちを愛し、私たちが罪を犯しても赦してくださる”という約束が嘘になってしまいます。
それは、神様だって望んでないことではありませんか?」
モーセもまた、
「神様だって本当はイスラエルの民を滅ぼしたくないはずだ。
イスラエルの民がもう一度神様を信じるようになること、そして他の国の人も神様を信じるようになることを、願っているはずだ」
そう信じていました。
そしてモーセの信じていた通り、神様はイスラエルの民を滅ぼすことをやめ、もう一度彼らを約束の地へと導き始められたのでした。
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