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明星小学校 細水校長先生のご講話

先日、幼児教室向けの特別講演会があり、
明星小学校の校長、細水保宏先生をお招きして講演をしていただきました。


細水先生は、筑波大学附属小学校副校長から
2018年度、明星小学校の校長に就任。
専門は算数で、これまで横浜の公立、東京の国立
そして今は私立というように、公立国立私立を経験されている先生です。


また。明星小学校が教育目標としている「賢さ」と「豊かさ」を育むための「学びの空気」を体験できるYouTubeチャンネル「細水校長のワクワクチャンネル」を開設しており、
日々の教育で心がけている「学びの空気」について、具体的な教科・テーマを通じ、ワクワク聴いてスカッとなれるコンテンツを配信している。


今回、細水先生の講話を聞いて、幾つも心に残った言葉や感銘を受けたお話がありましたので、
こちらのnoteにて残しておければと思います。


教師は子どもから学んでいる

まずはじめに、身体の半分は・・・というお話から始まりました。
身体の半分は、先輩から受け継いだ、手に入れたものが多い。
そして残りの半分は、子どもたちと一緒に手に入れたものがある。

授業をしていく中で、子どもの表情や反応を見て、この言い方分かっていないなと思ったら、言い方を変えてみよう、と思う自分がいる。


教育は、教師のちょっとした「 一言」ちょっとした「笑顔」で子どもの動きが変わる。

細水先生:簡単に問題を出したいと思います。
後ろの方聞こえますか〜? 🙋🏻‍♂️いい反応ですね!
今パッと手を挙げてくれた人がいました!
素敵ですね!と、言うとクラス中がこういう反応になりますよ。
実は、先生が言った一言ってすごい大きくて
何気なく言っているようだけれども、こういう手の挙げ方をしてほしかったら、先生が一言。
「良い!こうやって手を挙げた子がいるよ!🙋🏻‍♂️
みんな拍手〜!👏🏻」と言ったならば、
みんなにそうしろよって伝えている事になる。

また、初見の問題で子どもの反応が鈍い時。
細水先生:〜さて、これは何でしょう!
🧒🏻👦🏻:(1回目)  ・・・?
細水先生:すみません。あ、反応が鈍いクラスに来ちゃったな・・・。
もう1回!行きますよ、〜これは何でしょう!
🧒🏻👦🏻:(2回目)  5!!

細水先生:1回目反応がないのは当たり前。
何言ってるかよく分からない時とか、言ったら心配だなって不安な時は、声が出ない。
でも、2回目声が出た訳があるんですよ。
それは多分私の一言。「反応が鈍いクラスに来ちゃった・・・」って言うと、あ、この先生は反応を早くすると喜んでくれるかもしれない!って心ある子が響いてくれてるんですよ。
先生のちょっとした一言で子どもが変わる。
そのちょっとした一言を意図的に出せるようになっていくのがプロ。

もっといえば、ちょっとした「笑顔」。
保護者の方の笑顔で子供が如何様にでもなる。
小さい頃は知的好奇心が旺盛です。
ねーねー!と呼んで、な〜に?と振り向いた時のこちらの顔で子どもは判断する。
笑顔だったら今聞いていいんだな、嫌な顔されたらあ、今聞いちゃいけなかったんだ・・・
なので、顔って結構、子どもたちに対しての教育的効果があると思う。
それを逆手に取って、先生方が笑顔で接すれば
子どもたちは多分、明るく素直な子に育っていくと思います。


全員が参加する授業づくり

細水先生:では問題の続きです ・・・
これから先、私の話が何となく分かるよって人手を挙げてください🙋🏻‍♂️ いや、ま〜だだよって人🙋🏻‍♂️

分かったと分からないって手挙げてもらった時、
手を挙げない子がいるんですよ。
その子に授業を進めてしまっては、授業が成り立たない。もっと言えばその子は、積極的に参加していないんですよ。
友達が良いこと言っても、「ふーん」で終わる。
でも積極的に参加している子は、友達が良いことを言うと、「へ〜!」に変わる。
学びの空間を作っていく時に、ふーんで終わりにするか、へ〜!に上げられるかは先生の腕。
どっちもつかずに手を挙げない子がいたら、叱るのではなく、「悲しい出来事があります。このクラスに3人手を挙げなかった人がいる。そういう子がいると、みんなでやる楽しさが味わえない。
もう1回言うよ。分かった人、分からない人🙋🏻‍♂️」と、立ち止まって指導することでどっちかに手を挙げてくれる。
分かった!って手を挙げた子は、合ってるか知りたくなるんですよ。
分からない!って手を挙げた子は、この先どうなるんだろうと知りたくなる。
ただし、手を挙げていない子は、他人事でふーん、そうなんだね、と受け身になってしまう。
二者択一の場面では真ん中は作らない方がいい。

でもそういうドキドキ感が教室から減っている。
だって、傷つけちゃいけないと思っているから。
分からない子は皆の前で隠しておこう・・・と思うけど、逆にそれがマイナス。
ただ、学級ができていないとできないことだ。


主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善


「個別最適な学び」と「協働的な学び」

分かる子と分からない子が出てきたら、道は2つ。
→①分かった子が分からない子に教えてあげる
ただし、教わりたくない子もいるからヒントを出すこと。
その子が自分で分かったような気持ちになれるヒントを。それがなかなか難しい・・・
でも、その難しいヒントを考えなくちゃという問題意識が実は大切なことで。
分かって偉い!ではなくて、分からない子、困っている子に何とかヒントを出そうよという気持ちから考える場が生まれる。
このように、目的を持たせると分かった子も遊ばないで一緒に考える場になる。

→②みんなで学ぶ協働的な学び
今教室の中では、「学び合い」という言葉が強く叫ばれている。
1人で学ぶだけではなくて、みんなで学ぶこと。
「個別最適な学び」と「協働的な学び」
文科省より、1人で学ぶ時とみんなで学ぶ時を、もう一度見直してみませんかという課題。
どちらかというと、教室の中はみんなで学ぶ学びを大切にしていきたい。
自分が意見を言って、分かってくれて笑顔になる。
友達に貢献できたという喜びや達成感を感じる。
これは一人で学んでいても得られない。
友達がいるからこその学びである。
そして、友達が助けてくれて自分が分かるようになれた。よし、今度は自分が誰かを助けよう。という気持ちが育つかもしれない。
そういう協働的な学びの機会を、教室の中では作っていきたい。



「分からない」と言える子は伸びる!

分からない時に手を挙げるのは勇気がいること
「良い!そういうクラスが先生は大好き。
分からないものは分からない、ハッキリさせておいた方がいいよ!💡´-」
→ 子どもの勇気を称えてあげる
でもそのちょっとした一言を言わなかったら、
子どもは多分、分からないことが恥ずかしくなって誤魔化すようになってくる。

近年の授業は、塾へ行って先取りしているが故に
分かっているからそのまんまっていう子もいれば、分かっているって声を聞いて恥ずかしいと思い誤魔化す子もいる。でも、そうじゃない。
分からないから分かるにするのが授業。
最初は分からなくてもいい、でも変わる自分が大切だということ。

皆の前で分からないって言える子を作っていくと
子どもは大きく伸びると思います。



講演を聴講してみての感想

細水先生の講話を通じて、多くの貴重な学びと洞察を得ることができました。
教師として日々子どもたちと接していると、つい指示や指導が多くなりがちです。
しかし、この講話を聴講して、教育において本当に大切なことは子どもに教えることだけではないと強く実感しました。
子どもたちに対して、指示や命令を繰り返すのではなく、むしろ彼らの自主性やポジティブな行動を引き出すことが重要であるという視点に気づかされました。
「こうしなさい!」と教師が言うのではなく、
すでに望ましい言動をしている子どもを見つけて
その言動を称賛してあげること。
それによって、他の子どもたちもその行動を自然と模倣するようになり、クラス全体の学びの質が向上する。
このアプローチは、指示や強制に依存せず、子どもたちの自主性を尊重し、彼らが自分自身で学ぶ力を育むための非常に有効な手段だと思いました。
今回の講話を通じて学んだことを、今後の教育実践に積極的に取り入れ、より良い学びの場を提供できるよう努めていきたいと思います。
子どもたちの自主性を尊重し、彼らが自然に学びたくなる環境を整えるため、これからも自分の知恵を絞りながら、工夫と努力を重ねていきます。

ここまでお読みいただいた方、本当にありがとうございました^‬ ‪^‬♪

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