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チェーンメールの話


短大の頃、インターネットが普及してきてすぐ位で、情報処理の勉強をしていた時、1人1つアドレスがあって、学校との連絡や、友達同士でメールを送りあったりしていた。そこで、ポストペットという、ピンク色の可愛いクマさんやうさぎさんやポスト型の子なんかがメールを配達してくれる。

友達のところから配達にきたその子におやつをあげたりなでなでしたりする機能があって、メールの内容うんぬんよりも、メールをただやりとりして、自分のところのペットが友達のところでおやつをもらったり、お風呂に入れてもらってピカピカになって帰ってきたりするのを見るのが楽しくて、1日に色んな子にどうでもいいメールを送りあうのが楽しみだった。

そんな時、友達の可愛いポストペットがインチキくさいメールを運んできた。一通りポストペットをヨシヨシ撫でて、お風呂に入れて、おやつをあげてからメールを開くと『このメールは、読むと幸せになれるメールです。必ず3名以上に送りましょう』と書いてあり、ファイルが添付してあった。授業が終わってから送ってくれた友達に会って学食でカレーを食べた時に

「あのメールは一体何奴?」と聞くと、

「ウィルスとか入ってないから大丈夫よー」とサラッと言っていた。

午後の授業で再びPCを開き、添付ファイルを開くと、A4のコピー用紙1枚分位にびっしりと文が書いてあった。要はこんな感じだ。

もしあなたが毎日目が覚めるとお金をプレゼントされるとします。
でもそのお金はその日のうちに使い切らなくてはいけません。
あなたは受け取りますか?
きっとYESと言うでしょうね。
じゃあ、既にあなたはそれを受け取っていると知ったら驚きますか?
英語では『今』を『プレゼント』というのです。
1秒1円だと考えてみて下さい。1分=60円、1時間=360円、24時間=8640円…
それを次の日に繰り越す事は出来ません。
『今』という時間は、宇宙からの『プレゼント』なのです。

これを読んだ時、ああそうか、こうやってレポートに追われて今めっちゃ大変だけど、『今』ってかけがえないものなんだな…となんとなく思ったような気がする。

そうして、それから20年位経って、何だか色んな事があったけど、これからの未来にこうなりたいという希望とか、過去にあんな事があったな…と考える事が最近段々少なくなってきた事に気づいた。

今したい事を少しづつでもして居られて、何とか自死しなくて済んで良かったのかもな。またポストペット復活しないかな。「よぉーし、よーし、ありがとうねー!」って撫でくりまわしたいな…と思った話。

ちなみにイヤホンからPinkieが流れてきたのは、これも必然ですかね。



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