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それでもここに留まることに決めました。

こんにちは。ナマステ。

早く投稿せねば!と思いながら早1ヶ月経ってしまいましたが、今私は大学を休学し、ネパールに来ています。出国前に連絡をできなかった友人、お世話になった方々には本当にすみません。

「なんでネパール?」「ネパールで何してるの?」
と、言われることも多いのにまだきちんと発信できていませんでした。
簡単に言うと特に何もしていなくて、今までインターンしていたPIECESとactcoin、フルリモートでもお仕事を続けさせてもらいながら、ネパールでノマド生活をしている、と言った感じでしょうか。5度目のネパール、何しに来たの、の答えは「モラトリアムを楽しみに」です。

背景に色々ないわけではないのですが今日はそれよりも先に、この世界情勢の中、「ネパールに留まる」と決めた理由についてお話しさせてください。今回のブログは特にエモーショナルでも、センセーショナルでもない、ただの報告になります。そして色々なご意見や批判もあると思います。それでも一つのけじめだと思い投稿します。(割と長いです。)

今回の帰国するかどうかということに関して、たくさんの人と話して、メッセージやアドバイスをもらいました。とある団体の元上司御三方からもわざわざ連絡をもらい、とても真摯にアドバイスをしていただきました(3人の名前がメッセンジャーに並んでいるだけで手汗案件でした)。遠くに来てもなお、気にかけてくれる人がいるのはとても幸せなことだなと思います。本当にありがとうございました。

ただ、考えても考えても結局わからない!最後は自分で判断するしかないこの決断、正直未だにこれでよかったのかわかりません。唯一わかったことは、生きているだけで色々な人に迷惑をかけているのだな…ということ。どの選択を取っても確実に誰かしらに迷惑をかけるのだ、と。


この決定に関して、様々な意見もあると思いますが、私は最終的に両親と相談し、リスクも考えられること全て話した上で、「留まった方が賢明だ」という結論に至りました。


現在のネパール

ネパールは3/24からロックダウン(都市封鎖/外出禁止)が行われています。最初は3/31まで、次は4/8まで、今は4/15まで、と言われていますが、きっともっと長引くと思います。国際線は3/22から今のところ4/30まで運行停止。
ロックダウン生活はすでに17日目になりました。
ライフライン以外の全ての商業は営業停止、自家用車含め乗り物の運転には許可が必要、政府機関も(大使館など)ももちろん開館されていません。

そんなネパールの感染者数は9名(うち3名は既に回復,4/9現在)。
先日初めて国内二次感染が確認されました。ただ、ネパール政府は感染者数5名の時点でロックダウンの決定をし、ここまで感染者を抑えられています。(検査できないからでは、と思ってたりしましたがそうでもないようです。すごい。)医療機関の整わないこの国でとても英断だったとネパール政府へは頭が上がりません。
特にこれと言った混乱も見られず、街では買い占めもなく、ソーシャルディスタンスを保って列を作って並んでいます。(ネパール人が列をなしているのを初めて見たので、この人たち並べるじゃん…!って思ってる)

そんな中、4/1にチャーター機の搭乗希望調査がされ(翌日4/2までに返答せよという…)、4/5にチャーター機運行決定、4/6-8に指定場所で購入せねばならない、という一連の帰国に関する重要な連絡がありました。

結論から言うと、私は帰国しないことに決めました。

帰国をしないと決めた2つの理由

この決断を下すまで正直ずっと腹痛、胃がキリキリとしてました。
悩みに悩んでいろんな人と話して、最終的に両親にも納得の行く決定をしろと背中を押してもらい、帰国しない道を選びました。

①感染リスクが低いこと

一つ目は帰国後の家族、他の日本人、自分の感染リスク。
ネパールは空港でのPCR検査非対象国のため、検査はなく帰国後は自主隔離2週間、という措置を自主的に取ることが求められています。
私はもう東京には家がないので帰る場所はないのですが、東京に住んでいる姉が「うちに来ていいよ」と言ってくれました。でも姉(とその彼氏)の住む家で2週間隔離することはしたくない(姉らに感染リスクを負わせることになるから)、ホテルで2週間もかなり非現実的(そもそも拒否される、金額も金額)、空港から姉の家まで公共交通機関を使わずに行くことも自分の力では不可能でした。
まあ成田空港に着く時点で既に感染者が確認されている場所に着くのだから、自ら火の中に入るようなものです。ネパールから東京に行くこと=東京を出てNYに行く、みたいな感覚だと思います。

また、地元仙台に帰る、という選択は絶対にしたくない。と決めていました。
仙台で2週間ホテル内で隔離、実家でも家族と離れてしばらく隔離生活をしたらいいのでは、と言ってくれた方もいましたが、成田から仙台に移動する時点で感染拡大に加担し、自分の家族は安全でもその他の誰かには確実に感染リスクを負わせるわけで。自分の家族がよければそれでいい、そんな自分勝手な思考は絶対にできなくて、仙台に戻ることはできないと判断しました。そんな仙台でも感染者数が徐々に増えていて、実家のすぐ近くでも複数名感染者が出ているので、余計その選択肢を取ることはできないです。

「ネパールに留まる分には誰にも感染リスクを負わせることはないし、自分から火の中に入る必要はないんじゃない?」と家族に言ってもらい、今はそう思っています。

②ここにいてもやりたいことはできる。

二つ目の理由は、国際協力のため、何かプロジェクトや仕事をしに来ている方々と圧倒的に違うことかなと思います。
これは完全に「自分のこと」だけを考えた自分勝手な理由ですが、ここにいる限り、私はきっと幸せだと思うのです。

国際協力やここに仕事をしに来ている人たちに関しては、自分のやるべきことができない状態、しかもそれがいつまで続くかわからない、と言った懸念はとても大きなもの。
でも私は特にそのようなことをしに来たわけではないので、ロックダウンにせよ、この国でゆっくりと生きることが目的だったので概ね目的には近いわけです。プロジェクトが前に進まない、ここにいる意味がない、ということがあれば帰国の選択を取ったかもしれません。

そしてもし東京に帰ったら、大学もオンライン授業で、実家にも帰れず、休学した全部理由もなくなり、精神的にしんどくなることが目に見えていました。

でも無限に考えられるリスク

①夏までに国際線が復旧しない=帰国できないこと

私は3月上旬にネパール入りし、観光ビザで5ヶ月間(観光ビザのmaxが150日のため)ここに滞在する予定です。つまり、8月にビザが切れるのですが、その頃国際線が復旧していないことも十二分に考えられます。
8月に帰国できない、という状況もあり得ますが、ビザが切れ不法滞在になることは日ネ両政府に多大な迷惑をかけることになります。

私は6月に一旦今持っている90日間のビザが切れるので、6月時点で国際線の復旧見通しが立っていなければ、こちらの大学に入学し学生ビザを取得しようと考えています。そうすれば2020年中はこの国に合法的に滞在でき、2021年になったらビザがリセットされるので来年の5月までは滞在できることになります。
両親にもそうなる可能性があることを了承してもらい、ここに留まることを決めました。

②大使館や政府関係者に多大な迷惑をかける恐れ

現在ネパールでは退避勧告等出ていない状況ですが、これから感染者が爆増などして退避勧告が出る、といったこともないとは決して言い切れません。
もしそうなったら再度出るであろうチャーター機に乗せられ帰ることになると思いますが、本来そのような状況になってもなお国内にいるべき人は私のような人ではなく、政府関係者やJICA、国際機関の方々です。
邦人が1人でもこの国に残っている、という状況はそれだけでそのような方々へ迷惑をかけているわけです。

これはアドバイスをくれた元上司が教えてくださったことですが、退避勧告を出さざるを得ない状況になった場合、最後までその国に残るのは大使館、政府関係機関の方々。つまり、日本人旅行者が1人でもその国にいる限りは、政府系機関の人たちはその国を離れることができず、最後の1人になるまでチャーター便を手配し続けることになるといいます。

③もし罹った場合のリスクが大きすぎる

ネパールでは医療設備が整っていないため、もしこの国で感染したら、と考えると恐ろしくなります。こればかりはどうも言えないのですが、ロックダウンが解除された後も不要不急の外出を控え、移動はバスではなくバイクタクシーを使うなど個人でできる感染を避ける行動をしていくより他ないと考えています。
ロックダウン中もこれまで17日間のうち2度のみの外出、帰宅後は即シャワーを浴びる、などできる限るのことをしているつもりです。あと自身の健康が一番だと思うので、毎朝1時間半のヨガを屋上でやっています( #おうち時間 に超おすすめです。)
現状、日本に帰る方が感染リスクが高いため「stay safe=don't move」だと思って生活をしています。

④治安の悪化

ロックダウン前、街を歩くと「コロナ!」と言われることが複数回ありました。人権意識とかまあない人たちなんだな、でもそりゃそう思うのも仕方ないよな、と思う他なかったのですが、ロックダウン後はその視線がより厳しいものになっている気がします。
ロックダウン後、1週間に1度しかしていない外出(近所50mくらい笑)ではあからさまにお釣りを投げられたり(普段は手を添えて返すのが普通)、怪訝な目をされました。
みんな心配していて、外国人を見るだけで「=コロナ」と考えているネパール人も多いみたいなので居心地は決していいとは言えません。でも心配になる、そういう行動を取る彼らの気持ちもよくわかるので、私はできるだけ外出を控えています。とても治安の良いことで有名なネパールですが、状況が悪化したらどうなるかわかりません。自分の身を自分で守れるように行動していこうと思います。

ただ現状私はセキュリティもかなり頑丈で、これまで5回の渡航で毎回お世話になってきたネパール人家族のところに滞在しているので、とても安全に暮らすことができています。ここじゃなかったら(1人でアパートに住んでるとか)帰国していた可能性も高いかなと思います。
「ここにいる限り大丈夫、安全だよ。死ぬときは一緒だから笑」と笑ってくれるホストファミリーがいるのは心強いです。

最後に

そんなこんなで帰国しないことを決め、私はここネパールに留まります。

これから夏が来て、雨季が来て、いつまで家から出られないか、この先どうなるか全くわからない状況が続くでしょう。ですが私はここで生きていこうと思います。

ここまで読んでくださった方がいるのか不明ですが、私の甘い考えや思考の至らなさにイライラした方もいるかと思います。それでもできる限り思考し、今出せる最善の解であると思えるように行動したい、そう強く考えています。結果は変えられなくても行動は変えられる、そう思うことにしよう。


どうか皆さんも、お気をつけて。

気をつけすぎるくらいがきっとちょうどいい。
命より大切なものは絶対にないので。


突然ですが最後にネパールの絶景を写真をお届けしますね。ロックダウンで大気汚染が激減し、これまで見たことのないほど空気が澄んでいる綺麗なカトマンズです。(全部今住んでいる家の屋上から。)
この世界的な危機は、地球の怒りだと思っています。こうでもしないと人間は、利己的な生活を変えられないと。

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