祈りと願い
毎日2時間掛けて電車通学する。今朝は車内の釣り広告が少し違っている。内容は「星座に届け、みんなの願い」。季節の行事をすっかり忘れていたが、そういえば七夕の季節だ。沿線地域の幼稚園の園児たちが自分で書いたらしい短冊がかわいらしく並んでいる。
子どもたちはどんな願いごとをしたのかな、と見てみた。
「みんながしあわせになりますように」
「みんながけがしませんように」
などなど。
大人の感覚では、世界(みんな)の安寧を願うとはある意味「大それた綺麗事」として避けがちな部分がある一方で、子どもたちは真っ直ぐに表現しているのが面白い。
ところでこれが「七夕のお願い」ではなく「クリスマスにサンタさんに宛てたお願い」だとしたらどうだろう?
イメージに過ぎないが、今回
「みんながしあわせになりますように」
と書いた子も、クリスマスには
「サンタさんへ
スポーツカーのプラモデルがほしいです。
〇〇より。」
といった個人的な希望をしたためるのではないだろうか。
「七夕のお願い」と「クリスマスのお願い」とは何が違うのだろう?
七夕の定型文は「…ますように。」だが、クリスマスのそれは「サンタさんへの手紙」であること。
願いを届ける対象についても、
七夕は「天の河の織姫」という神話の存在である一方で、クリスマスは「あくまで人間」のサンタさんであること。
子どもたちはそういった違いを明確に意識はせずとも、「夜空に願う」という行為の神聖さを感じているのかもしれない。
「願い」を超えた「祈り」の概念を知ろうとしているのかもしれない。
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